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暦や季節の言葉を見ていると、「乃東枯」という少し不思議な表記に出会うことがあります。

漢字だけを見ると読み方も意味も想像しにくいですが、これは七十二候のひとつで、夏至の頃の自然の変化を表す言葉です。

今回は、「乃東枯」の意味や読み方、由来、時期、使い方についてご説明いたします!

「乃東枯」の意味とは?

「乃東枯」とは、乃東、つまりウツボグサの花穂が枯れていく頃という意味です。

「乃東枯」は、「なつかれくさかるる」と読みます。

「乃東」は、現在ではあまり日常的に使われない言葉ですが、ウツボグサの古い呼び名とされています。

ウツボグサは紫色の小さな花を円筒状につける植物で、夏至の頃になると花穂が茶色く枯れたようになります。

夏の盛りへ向かう中にも、植物の一部はすでに次の段階へ進んでいる。そのような自然の巡りを感じさせる言葉です。

項目 内容
言葉 乃東枯
意味 ウツボグサの花穂が枯れていく頃
読み方 なつかれくさかるる
分類 七十二候の第二十八候、夏至の初候
時期 6月21日頃から6月25日頃

「乃東枯」はいつの季節?

「乃東枯」は、二十四節気の「夏至」の初候にあたります。

時期は、例年6月21日頃から6月25日頃です。ただし、七十二候の日付は年によって少し前後します。

区分 内容
二十四節気 夏至
七十二候 初候・第二十八候
時期 6月21日頃〜6月25日頃
前の七十二候 梅子黄(うめのみきばむ)
次の七十二候 菖蒲華(あやめはなさく)

夏至は、一年のうちで昼の時間がもっとも長くなる頃です。

日本では梅雨の最中にあたることが多く、田植え後の苗が雨を受けて育ち、野山の緑も濃くなっていきます。その一方で、ウツボグサの花穂は枯れ色を帯び、季節が静かに進んでいることを知らせてくれます。

「乃東枯」の由来

「乃東枯」は、七十二候という暦に由来する言葉です。

七十二候では、目立つ行事や大きな気候の変化だけでなく、草花や虫、鳥などの小さな変化も季節の合図として扱います。

「乃東枯」は、ウツボグサの花穂が夏至の頃に枯れたようになる様子を表しています。

言葉 由来・意味
乃東 ウツボグサの古名。漢方では夏枯草とも呼ばれる。
花穂が茶色く枯れていく様子を表す。
夏至 昼がもっとも長くなり、夏の盛りへ向かう二十四節気。
七十二候 自然の変化を約5日ごとに表した暦の区分。

ウツボグサという名前は、花穂の形が弓矢を入れる道具である「靫(うつぼ)」に似ていることに由来するとされます。

また、「乃東枯」は冬至の初候である「乃東生(なつかれくさしょうず)」と対になる候です。

冬至の頃に芽を出し、夏至の頃に花穂が枯れるという流れから、太陽の動きと植物の営みが結びついていることがわかります。

ウツボグサと夏枯草の関係

「乃東枯」を理解するうえで知っておきたいのが、ウツボグサと「夏枯草」の関係です。

ウツボグサはシソ科の多年草で、紫色の花を咲かせます。花が終わると花穂だけが茶色く枯れたようになり、その姿から「夏に枯れる草」、すなわち夏枯草という名前がついたと考えられます。

名称 内容
ウツボグサ 紫色の花を咲かせるシソ科の多年草。
乃東 ウツボグサの古名として七十二候に残る表現。
夏枯草 ウツボグサの花穂に由来する漢方名。
乃東生 冬至の初候。乃東が芽を出す頃を表す。

ただし、植物全体が完全に枯れてしまうというより、主に花穂が枯れ色になることを指します。

周囲の草木が伸び盛りの頃に、茶色くなった花穂が目立つ。その小さな違和感を季節の名にしたところに、七十二候らしい観察の細やかさがあります。

「乃東枯」の使い方・例文

「乃東枯」は、日常会話で頻繁に使う言葉ではありません。

ですが、季節の挨拶、暦の説明、手紙、俳句、エッセイなどでは、夏至の頃を表す美しい季節語として使うことができます。

場面 使い方の例
手紙・挨拶文 乃東枯の候、梅雨空の中にも夏の気配が深まってまいりました。
季節の文章 乃東枯を迎え、野の草花にも夏至の頃ならではの変化が見られます。
暦の説明 夏至の初候は「乃東枯」といい、ウツボグサの花穂が枯れる頃を表します。
日記・短文 雨上がりの草むらでウツボグサを見つけ、乃東枯という言葉を思い出しました。

一般向けの文章では、「乃東枯」だけだと読みにくいため、「乃東枯(なつかれくさかるる)」と読み方を添えるのがよいでしょう。

「乃東枯」と夏至の七十二候

「乃東枯」は、夏至の三つの七十二候のうち、最初にあたります。

夏至の七十二候は、ウツボグサ、あやめ、半夏というように、梅雨の水気と夏へ向かう植物の変化を中心に季節を表しています。

夏至の七十二候 読み方 意味
乃東枯 なつかれくさかるる ウツボグサの花穂が枯れていく頃
菖蒲華 あやめはなさく あやめの花が咲く頃
半夏生 はんげしょうず 半夏、すなわちカラスビシャクが生え始める頃

夏至は太陽の力がもっとも強まる節目ですが、日本では梅雨のただ中でもあります。

「乃東枯」は、明るい日差しと雨の湿り気が重なる時期に、草花の小さな変化を見つめる言葉といえるでしょう。

まとめ

「乃東枯」は、ウツボグサの花穂が枯れていく頃を表す七十二候の言葉です。

読み方は「なつかれくさかるる」で、二十四節気では夏至の初候にあたります。

時期は例年6月21日頃から6月25日頃で、梅雨の雨に草木が茂る中、ウツボグサの花穂が枯れ色を帯びる頃を表しています。

難しい漢字ですが、意味を知ると、夏至の草むらにひっそりと現れる季節の変化が見えてくる言葉です。

夏至の頃には、ぜひ「乃東枯」という美しい季節の言葉を思い出してみてくださいね。

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