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よく式典などで、偉い人が「来賓」として招かれて挨拶したりすることがあります。
この「来賓」、普段はあまり気にすることのない言葉かもしれませんが、自分が「来賓」という言葉を使う側になると、なかなか難しい言葉です。
「来賓」を紹介したり、「来賓」のために部屋や席を用意したりといった時に、「来賓」でいいのか、それとも「ご来賓」なのか、いや書くとしたら漢字で「御来賓」……?なんて、スピーチ一つ、張り紙一つ考えるにも迷ってしまいませんか?
いざという時に間違ってしまわないよう、この機会にしっかりと確認しておきましょう。
今回は、「来賓(御来賓)」の使い方!「ご(御)」をつける時とつけない時の違いは?シーン別に解説!についてご説明いたします!
目次
「来賓」の意味
「来賓」は「式や会などに招かれてきた客」という意味です。
「らいひん」と読みます。
何かの会などに、申し込んだり会費を払ったりして普通に参加する人ではなく、主催者側から招待されて来た客のことを言います。
「来」は身近な漢字ですが、「賓」はあまり普段使わない字でしょう。
この「賓」は、「まろうど」とも読み、「客人」という意味があります。
「貴賓」「迎賓」「国賓」「主賓」などの熟語がありますが、いずれも「大切な客」という意味で使われています。
「ご来賓」と「御来賓」の違いは?
「来賓」はよく「ご来賓」とか「御来賓」と表記されますよね。
この「ご来賓」と「御来賓」の違いは、特にありません。
「ご」と「御」の違いということになりますが、一般的にはビジネス文書など改まった言葉遣いにしたいときは「御」、あまり堅苦しくない方がよい時は「ご」となります。
公文書などでは「ご案内」のように、後に続く語が漢語である時は「御」、「お知らせ」のように後に続く語がひらがな混じりである時は「ご」と言う風になっています。
ですが、一般的な文書や手紙においては特に決まりがあるわけではありません。
「ご来賓」「御来賓」はどの程度堅苦しくしたいのかによって使い分ければよいでしょう。
「ご」「御」をつける時とつけない時の違いは?
そもそも、「来賓」にはかならず「ご」や「御」をつけたほうがよいのでしょうか?
結論としては、「ご」「御」をつけたほうがよいときと、つける必要がない時があります。
「ご」や「御」という接頭語は、尊敬を表します。
「ご」「御」をつけるのは、基本的に相手や第三者の行為や持ち物など、相手・第三者に属する物事です。
それから、自分の行為であっても「ご報告」「ご説明」など、相手に向かっての行為で、相手を立てる場合には「ご」や「御」をつけます。
これを「来賓」に当てはめると、「ご来賓の皆様……」などと言うように、「来賓」に向かって呼びかけたり、他の客の前で紹介したりするときには「ご」「御」をつけるということになります。
そして、「私はあの会に来賓として出席する」など、自分のことを言う時や、「来賓」の人に対する呼びかけでなどではなく、普通の名詞として文中、発言中で使う際は「ご」「御」はつけません。
→「ご来賓の皆さま・・」
→来賓のための記念品を用意する
【例文】
- ご来賓の方々をご紹介いたします。
- ご来賓の方々をはじめ、皆様にはお忙しい中ご臨席を賜わりまことにありがとうございます。
- 明日の式典には、私も来賓として招かれている。
- あのブランドのパーティーに、彼女は来賓として参加した。
- 後輩に、来賓のための記念品を発注するよう指示する。
1、2番目の例文は、「来賓」の目の前で話すようなシーンですので「ご来賓」としていますね。
控え室や席の表記は?
「来賓」の控え室の表記は「「御来賓控室」
何かの会場で、「来賓」のために控え室を用意することがあります。
そんなとき、控え室の案内などはどのように表記すればよいのか、迷ってしまいがちです。
これは、一般的には「御来賓控室」と表記されることが多いです。
「ご来賓控え室」でも構いませんが、控え室を用意するほどの改まった式典などでの掲示物ということで、ひらがなよりも正式でかたい印象になる漢字表記が選ばれることが多いようです。
「控え室」も漢字で「控室」となっていることが多いです。
「来賓」のための張り紙なので、「ご」「御」をつけて「御来賓」とします。
「控室」にまで「お」をつけると「ご」と「お」が続きますので、やや丁寧すぎるでしょう。
慇懃無礼な印象にならないように、「御来賓控室」でよいということです。
【例文】
- 「御来賓控室」の張り紙を作成する。
- ご来賓控え室はこちらでございます。
- 君は来賓控え室の掃除をしておいてくれ。(来賓に向かってではなく内輪での会話なので、「ご」「御」はつけなくてよい)
「来賓」の席の表記は「御来賓席」
式典などでよく「来賓」の席がありますよね。
背もたれに「来賓」の席であることを示すため張り紙を作って貼っておいたりすると思います。
この場合、「来賓席」「御来賓席」、どちらにすればよいでしょうか?
またまた悩ましいですね。
この場合は「御来賓席」がよいでしょう。
少し柔らかい印象にしたい場合はひらがなで「ご来賓席」です。
これは「来賓」の方々が目にして、そこにお座りになるための張り紙ですから、「御」または「ご」をつけて丁寧に表すのがよいということです。
【例文】
- 「御来賓席」の張り紙を印刷する。
- ご来賓席はこちらでございます。
- 来賓席は右側の一番前に用意してくれ。(準備中の会話なので「来賓」としている)
「御来賓控室」「御来賓席」など、来賓が直接目にしたり使ったりするものは「ご」「御」をつけるようにします。
他にも式典によくあるのは
御来賓受付
御来賓芳名帳
などでしょうか。
いずれも同じ理由で「御」をつけていますね。
「来賓」の類義語
「来賓」の類義語には次のようなものがあります。
- お客様
- 賓客(敬うべき客人)
- 招待客
- ゲスト
例えば司会をする時に、「ご来賓の方々をご紹介いたします」「素敵なお客様がいらしてくださいました」「本日のゲストはこの方です」など、いろいろな言い方ができますね。
その会の内容や雰囲気によって使い分けるとよいでしょう。
まとめ
「来賓」は会社の式典や結婚式など、いろいろな場で見聞きする言葉ですね。
「来賓」になるような人というのは、やはり目上の方であることが多いでしょうし、失礼のないように気を配らなくてはいけません。
ぜひ自信を持って「来賓」と言う言葉が使えるよう、マナーとしてきちんと使い方を知っておきたいですね。
ぜひ参考になさってください。
最後までお読みくださりありがとうございました!