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「陳情書を提出する」
「国会に陳情する」
このような使い方をする「陳情」という言葉があります。
よくニュースなどで使われていますので、何かと見聞きしたことがある人が多いのではないでしょうか。
よく似た言葉に「請願」や「要望」などがあり、使う場面も似ていますので、これらの違いも調べてみました。
今回は、「陳情」の意味と使い方!「請願」「要望」との違いは?【例文】についてご説明いたします!
「陳情」の意味
「陳情」は「目上の人に、実情や心情を述べること」という意味です。
「ちんじょう」と読みます。
「陳」は「ならべる」「述べる」「古い」などの意味がある漢字です。
「情」は「こころ。気持ち」「なさけ」「様子」などなどの意味があります。
「陳情」は「ありさまや気持ちを述べる」という意味になりますね。
「陳情」は、困ったことやこうしてほしいということがある時に、上の立場の人に実情や心情を述べることという意味になります。
特に、国民が公的機関や政治家などに、実情を訴えて善処してくれるように要請することを言います。
「陳情」の使い方
「陳情」は目上の人に実情や心情を述べること、中でも公的機関に対して問題の実情を述べて善処してくれるように要求する行為のことを言います。
「陳情する」などの使い方をします。
「陳情」を書面にしたものを「陳情書」、「陳情」する団体を「陳情団」などとも言います。
逆に、「陳情」をされる場合は「陳情を受ける」「陳情を聞く」などと言います。
例文で使い方を確認しておきましょう。
【例文】
- 政治家が夜のクラブで陳情を受けたと発言し、批判が高まった。
- 外国人スポーツ選手の入国制限緩和について大臣に陳情する。
- 保護者の団体が、小学校の対面授業再開を求めて陳情した。
- 往来自粛の撤回を求め、ホテル協会が県知事に陳情書を提出した。
- 大正時代に北海道遠軽町で石北線敷設を求める陳情団が結成された。
「請願」「要望」との違いは?
「陳情」は目上の人、公的機関などに要望などを伝えることですね。
同じように使う言葉として「請願」や「要望」も考えられます。
「要望を述べる」とか「請願書を出す」とか、国や県、市町村などに要望を訴える時に同じように使えそうです。
例えば市議会などに要望を出す時で言うと、これらの手続きの違いは
- 「陳情」は「紹介議員は不要で、採択・不採択の結論は出さない」
- 「請願」は「紹介議員が必要で、採択・不採択が決定される」
- 「要望」は「紹介議員は不要で、採択・不採択の結論は出さない」
となります。
「陳情」と「請願」は、どちらも議会などに要望を訴える手段ですが、「請願」は憲法で保障された国民の権利であり、紹介議員が必要であるなどの手続きの詳細や、受けた側の処理の方法などが定められています。
「陳情」は法律によらない単なる要求の行為であり、そうした手続きなどは決まっていません。
「要望」は、言葉の意味としては「物事の実現を強く求めること」と言う意味です。
議会などに「要望」する、「要望書」を出すなどと言う場合は、「自分の希望が通るように議会などに願い出ること」と解釈するとよいでしょう。
やり方としては「陳情」と同じですが、「要望」は公的団体に「要望」するときに限らず、広く一般的に使う言葉です。
重みのある順にまとめると
- 「請願」……法的な自分の権利を主張する、正式な手続き
- 「陳情」……公的機関に対して実情や心情を訴え出ること
- 「要望」……一般的に、自分の希望を強く願い出ること
となります。
「陳情」の類義語
「陳情」の類義語には次のようなものがあります。
- 請願(自分の希望が許してもらえるように目上の人や役所に願い出ること)
- 嘆願(事情を述べて、願うこと)
- 建白(政府・上役などに自分の意見を申し立てること)
- 申請(官公庁などに、自己の希望を申し立てて認可・許可等を求めること)
- 直訴(定の手続きを経ないで、直接に君主・将軍・天皇などに訴え出ること)
まとめ
「陳情」は目上の人や、特に国や地方公共団体などの公的機関に要望を述べる行為のことでした。
例えば新型コロナウイルス感染拡大に関連して、女性の社会進出に関連して、少子高齢化に関連して、など、その時々の社会の動きや時事問題に関連して、「陳情」される内容も様々です。
ぜひニュースなどを正しく理解するためにも「陳情」という言葉の意味をしっかり知っておきたいですね。
最後までお読みくださりありがとうございました!