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言葉の意味と使い方

「観念」と「概念」の意味と違い!「固定概念」は誤用って本当?

「観念」と「概念」の意味と違い!「固定概念」は誤用って本当?

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似たような言葉ってありますよね。

音も字面も似ていて、意味まで似ていそうな感じだとどっちを使っていいのかわからなくなります。

「観念」と「概念」もその一つではないでしょうか。

「観念」と「概念」は、両方なにやら哲学的な、難しい言葉ですよね。

説明しろと言われても、とっさには難しいと思います。

また、「固定観念」「固定概念」という言葉があります。

「固定⚪︎⚪︎にとらわれるな!」なんてよく聞きませんか?

この場合も、どちらでも同じような気がしますが、「固定概念」は間違った言葉であると言われているんです。

「観念」と「概念」、一体何が違うのでしょうか?

今回は、「観念」と「概念」の意味と違い!「固定概念」は誤用って本当?についてご説明いたします!

「観念」と「概念」の意味

まずそれぞれの意味を調べてみましょう。

「観念」の意味

「観念」には次のような意味があります。

  • 物事に対して持つ考え。
  • あきらめて状況を受け入れること。覚悟すること。
  • 哲学で、人間が意識の対象について持つ主観的な像。
  • 仏語。真理や仏、浄土などに集中して思念すること。

「概念」の意味

「概念」には次のような意味があります。

  • 物事の概括的な意味内容。
  • 形式論理学で、物事の本質をとらえる思考の形式。

どうでしょうか。

どちらも、ちょっと難しかったですね。

でも、違う意味があるということはわかっていただけたかと思います。

次に、両者の違いを考えてみたいと思います。

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「観念」と「概念」の違い

「観念」と「概念」の違いは、「観念」が主観的な考えであるのに対して、「概念」は同類のものに共通する、つまり客観的な意味内容であるという点です。

まず、「観念」の意味を確認しましょう。

「観念」は、「人がある対象に対して持つ主観的な考え」ということになるでしょうか。

次に、「概念」の意味を確認しましょう。

「概括的」とは「特定の分野や専門にこだわらず、おおまかに全体からみたさま」という意味です。

「概念」は「ある対象についての、概括的でおおまかな意味内容」という意味です。

「概念」を英語にすると「コンセプト」です。

こちらのほうが現代ではよく聞くかもしれませんね。

「商品開発のコンセプト」とか、「新しい商品のコンセプト」などと言いますよね。

「この商品は一貫して、こういうイメージ、こういうテーマで作られています」という意味ですね。

これで違いがはっきりしたと思います。

「観念」「概念」に似た言葉として、「理念」があります。

「企業理念」「教育理念」などと使われる言葉ですね。

「理念」は「ある物事についての、こうあるべきだという考え」という意味です。

理想の考え、とでもいうのでしょうか。

「観念」「概念」ほど混同されてはいませんが、これも違いを覚えておくとよいでしょう。

「固定概念」は誤用?

では、「固定概念」が間違った使い方であるというのは本当でしょうか。

結論から言うと、「固定概念」は間違いです。

「固定観念」が正しい言葉です。

「固定観念」とは、「心の中にこり固まっていて、他人の意見や周囲の状況によって変わることのないような、その人の思考や行動を規定するような考え」のことです。

「こり固まって」「思考や行動を規定する」わけですから、あまりよくない言葉ですね。

「固定観念にとらわれる」という使い方をすることが多いです。

【例文】

  1. 固定観念にとらわれず、柔軟な発想をしろ。
  2. 彼は固定観念にとらわれている。
  3. こんな固定観念を押し付けるのはよくない。

このように、「そのひとのこり固まった個人的な考え方」という意味で使われますので、「固定『観念』」が正しいのです。

「概念」は、「一般的、普遍的な考え」という意味ですから、「観念」のように人によって違うものではないのです。

ですから、「固定」をつける必要はありません。

「概念」が「客観的、一般的、普遍的」なものであるとわかっていれば、「固定概念にとらわれる」という表現がおかしいことは明白でしょう。

まとめ

「観念」と「概念」、同じような言葉だと思って使っていた人も多いかもしれませんね。

でも、あらためて調べてみると意味や使い方が違うということがお分かりいただけたかと思います。

混同しがちな言葉ですが、適切に使い分けていきたいものですね。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。
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