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「目をかける」という言葉を知っていますか?
ビジネスシーンでも、日常的にもよく使われる慣用句です。
前後の文脈からなんとなく意味はわかっても、なぜ「目」を「かける」というのか不思議ですよね。
また、ビジネスシーンなどでは敬語として「目をかけていただき……」という使い方もよく見かけます。
これは正しい使い方なのでしょうか。
今回は、「目をかける」の意味は?ビジネスで「目をかけていただき」と使うのは敬語としてOK?についてご説明いたします!
「目をかける」の意味
「目をかける」は「ひいきにする」「注意して見入る」という意味です。
読み方はもちろん「めをかける」です。
「目」はもちろん顔にある目のことですが、「注意して見ること」や「洞察力」など、色々な意味がある言葉です。
「かける」というのは、これまた数え切れないほど色々な意味がある言葉で、水をかけるとかショルダーバッグをかけるとか、ボタンをかけるとか、色々な動作や様子を「かける」と言いますよね。
その中でも、「感覚や心の働きにとめる」という意味があります。
「目をかける」というのは、目にとめる・見せるという意味でもありますが、多くは目で見たものを心にとめるというところから、「めんどうを見る」という意味で使われます。
「目をかける」は主にひいきにする、めんどうを見るという意味で使われる言葉です。
「目をかける」の使い方
「目をかける」は「ひいきにする」「世話をする」というような意味で使われることが多い言葉です。
「目をかける」「目をかけてやる」「目をかけてもらう」などですね。
もちろん、心に留めてお世話をしてあげるということですから、目下から目上の人に向かって「あなたに目をかけます」などと使うのは失礼です。
上司が部下の面倒をみるとか、お得意様がお店を気に入ってひいきにするとか、先生が生徒を心に留めてあれこれ世話をするとか、そういったときに使う言葉です。
【例文】
- 彼は先生に目をかけられている。
- 入社以来、上司には目をかけてもらっている。
- 彼女は私に目をかけてくれていて、いつも親切に仕事を教えてくれる。
- どうかこれからもこの子に目をかけてやってください。
「目をかけていただき」は敬語としてOK?
「目をかける」は、ひいきにする、世話をするという意味で使う言葉でしたね。
目に止めて、気にして何かとよくしてあげるということですので、上司が部下をなど、目上の人が目下の人に対して「目をかける」ということになります。
目上の人に「目をかけて」もらったときにお礼をいう場合、敬語でどのように言えばいいのでしょうか。
「目をかけていただきありがとうございます」などが一般的に使われています。
この「目をかけていただき」は、敬語として使うことができます。
ただし、使い方には注意が必要です。
「目をかけていただき」で、目をかけてもらったことを敬語で表していますから、失礼な言葉ではありません。
ただ、「目をかける」はひいきにするという意味の言葉です。
ですので、相手が自分のことをひいきにして、自分に有利なように働いてくれたという意味になります。
たくさんの人がいる前で「目をかけていただきありがとうございます」などというと、その人が不公平な扱いをして、自分のことをえこひいきしてくれたという意味にも取られかねません。
他に人がいない時や、手紙の文面で使うなら「目をかけていただき」「目をかけてくださり」といった言い回しでも問題はありません。
もしくは、状況によっては上記のような誤解を招く心配もありますので、
- お引き立ていただき
- ご指導をたまわり
- お世話になり
など、他の言い方にかえるのも良いでしょう。
なお、「目をかける」と似ていますが、
- 「お目にかける」は「見せる」の謙譲語(「お見せする、ご覧に入れる」の意)
- 「お目にかかる」は会うの謙譲語(「お会いする」の意)
ですので、混同しないように気をつけましょう。
「目をかける」の類義語
「目をかける」の類義語には次のようなものがあります。
- ひいきする(気に入った人を特に引き立てること)
- かわいがる(ひいきする。可愛らしいと思って優しくする)
- あたたかく見守る(親愛の気持ちを持って成り行きを見守る)
- 気を配る(さまざまに注意を払う。配慮する)
- 手塩にかける(みずから色々と世話をして大切に育てる)
まとめ
「目をかける」は、ひいきにするという意味の言葉でした。
ひいきといっても、えこひいきの悪い意味ではなく、心にとめて面倒をみるといういい意味でよくしてあげる、よくしてもらうということですね。
誤解されないように使い方には気をつけたいですが、何かと人にお世話になることも多いビジネスシーンなどではよく使う機会のある言葉だと思います。
ぜひ覚えておきましょう。
最後までお読みくださりありがとうございました!