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「青田買い」や「青田刈り」という言葉は、学生の就職活動、また企業の採用活動に関してよく見聞きする言葉です。
よく似ている「青田買い」と「青田刈り」ですが、実はその意味には大きな違いがあります。
就活や採用のシーンで使うのに適しているのはどちらの言葉でしょうか。
今回は、「青田買い」と「青田刈り」の違いは?就活や採用のシーンで使うのはどっち?についてご説明いたします!
「青田買い」と「青田刈り」の違いは?
「青田買い」と「青田刈り」のそれぞれの意味は、
- 「青田買い」は「まだ稲が青いうちに収穫量を見越してその田の米を買い取ること」
- 「青田刈り」は「稲が未熟なうちに刈り取ること」
となります。
「青田買い」の方は、収穫量を見越して先買いします。
「青田刈り」の方は、収穫時期になっていない、まだ青い稲を先に刈り取ってしまうということです。
「買う」のか「刈る」のかということで、意味の違いがありますね。
>>「尽力いたします」の使い方!履歴書(志望動機)・就活や面接での例文!言い換え表現
就活や採用のシーンで使うのはどっち?
「青田買い」と「青田刈り」は音が似ていますね。
就活や企業の採用に関するニュースなどで使うのは、「青田買い」です。
「青田買い」は前述のように、稲が実らないうちにその収穫量を見越して買うということです。
ここから比喩的に、学生の能力や適性を早めに判断して、早いうちに社員採用の契約をしておくという意味で使われるようになりました。
ですが、「青田刈り」は稲が実らないうちに刈り取ってしまいます。
これは採用に当てはめると、学生の能力の優劣にかかわらず、とにかく早くとってしまうというようなことになります。
企業が「青田買い」するというのは、欲しい人材を早くに見つけて早くに契約してしまって、自分の会社に雇えるようにしようということですから、「青田刈り」は不適切です。
混同して使われていることも多いですが、早期内定のことは「青田買い」と、正しく覚えておきましょう。
「青田買い」の意味と使い方
「青田買い」は「稲の収穫前に、その他の収穫量を見越して先買いすること」です。
「あおたがい」と読みます。
まだ収穫時期になっていない、青い穂が実った状態の田んぼを見て、これぐらいの収穫量が見込めそうだなと判断して先買いをするということですね。
そして、「青田買い」はそこから転じて「企業が、卒業前の学生の採用を早くから内定すること」という意味で使われるようになりました。
実際に農業や米の流通に関する話題などでなければ、一般的にはこちらの意味で広く使います。
【例文】
- 見所のある学生はよその企業に取られないよう青田買いしたい。
- 企業がインターンで学生を青田買いすることが問題となっている。
- あのチームは、多くの若手選手を青田買いしている。
>>「暁には」の意味と使い方!就活やビジネスでは失礼になる?言い換え表現は?
「青田刈り」の意味と使い方
「青田刈り」は、「稲が未熟なうちに刈り取ること」という意味です。
「あおたがり」と読みます。
まだ収穫時期になっていない、青々とした状態の稲を刈り取るということです。
普通に考えると、そんな未熟な状態の稲はまだ刈り取ってはいけないはずですよね。
それもそのはず、「青田刈り」は元々は戦国時代の戦の作戦の一つでした。
敵の田んぼの稲を、まだ実らないうちに刈り取ってしまい、相手側の食料を減らして弱らせるというものです。
「青田刈り」は「青田買い」と混同され、しばしば企業が早くから学生に内定を出すことを指して使われますが、これは本来は間違いです。
稲が実って、お米としての価値を発揮する前に刈り取ってダメにしてしまうのが「青田刈り」なので、これを採用活動に当てはめると、とにかく未成熟でもいいので学生を早いうちにとっておく、というような意味になってしまいます。
「青田刈り」を「青田買い」の意味で使うことは、本来は誤用ですが、かなり一般的に定着しつつある用法なので、国語辞典によっては「青田刈り」の項に「青田買い」の意味で使うと書かれていることもあります。
とはいえ、「青田刈り」は稲が熟していないうちに刈り取ってしまうこと、という本来の意味で覚えておきましょう。
【例文】
- 青田刈りで敵の田んぼをすっかり刈ってやった。
- 今年は生産調整のため青田刈りを行なった。
- とにかく人数さえ多く採用すれば良いというのでは、青田買いならぬ青田刈りですよ。
「青田買い」の類義語
「青田買い」の類義語には次のようなものがあります。
- 先買い(値上がりを見込んで、他人より先に買うこと)
- 先物買い(将来性に期待して買うこと。将来を見込んで事業や人に投資すること)
- 先行投資(今後の増益や新展開に期待してする投資。将来役に立つであろう物事に金銭や労力を使うこと)
まとめ
「青田買い」と「青田刈り」は、似ていますし同じように使われることが多いですが、本来の意味は大きく違っていましたね。
将来性を見込んで買うのが「青田買い」、価値が出る前に刈り取ってしまうのが「青田刈り」ですから、本来は逆の意味であるともいえるでしょう。
それが同じように早期内定の意味で使われているというのが、言葉の不思議なところですね。
せっかくですのでそれぞれの本来の意味を覚えて、正しく使いましょう。
最後までお読みくださりありがとうございました!