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「忠恕」という言葉をご存知ですか?
ちょっと難しい言葉なので、知らない人も多いかもしれませんね。
この「忠恕」は、新しい一万円札の肖像や大河ドラマの主人公として話題の渋沢栄一が大切にした精神であるということで知られています。
ぜひ今の時期だからこそ、この「忠恕」について知っておきましょう。
今回は、「忠恕」の意味と使い方!「忠恕の心」とは? についてご説明いたします!
「忠恕」の意味
「忠恕」は「自分の良心に忠実であることと、他人に対する思いやりが深いこと」という意味です。
「ちゅうじょ」と読みます。
「恕」という字があまり身近ではないと思いますが、「怒る」や「如」と間違えないよう正しく覚えておきましょう。
「恕」は「許す」「思いやり」といった意味の漢字です。
自分の良心に忠実であることの「忠」、そして他人の立場や心を思いやる「恕」が合わさった言葉ということですね。
自分にだけでなく、他人に対しても誠実で思いやる心をもつということで、非常にいい意味の言葉です。
「忠恕」の由来
「忠恕」は、孔子の説いた「仁」(儒教の最高の徳、道徳や政治の根本となるもの)の基本です。
論語の一節に『夫子の道は忠恕のみ』とあります。
これは、孔子とその弟子の曾子が会話していて、孔子が「私の道は一つのことで貫かれている」という意味のことを言います。
そして、孔子がその場から去った後、他の人が「どういう意味ですか」と問うと、曾子が「夫子(孔子のこと。先生)の道は忠恕だけです」と答えたのです。
「忠恕」が人の行うべき道として示されているわけですね。
実業家であり、また近頃は新しい紙幣の肖像人物や大河ドラマの主人公としても有名になった「渋沢栄一」が精神の根本としてこの「忠恕」をあげているということが知られています。
天皇陛下が皇太子時代に、好きな言葉としてこの「忠恕」を挙げられたこともありますので、論語の中でも特に知られた言葉の一つとなっています。
「忠恕」の使い方
「忠恕」は「自分の良心に忠実であることと、他人に対する思いやりが深いこと」を指しますので、いい意味で使う言葉です。
孔子の思想からくる、真心や思いやりという人として大切な基本をいう言葉ですので、会社や学校などの経営理念や教育理念といったものにも、よく挙げられます。
真心や思いやりの心をはぐくんで欲しいとか、真心や思いやりで世の中を良くしていこうというような文脈で用いられることが多く、スピーチなどでも使われる言葉です。
【例文】
- 渋沢栄一は忠恕一貫の思想を説いた。
- 「忠恕」は当グループの経営理念である。
- 私は「忠恕」を行動の指針としている。
「忠恕の心」とは?
「忠恕」の使い方の一つに「忠恕の心」があります。
「忠恕の心」は、自分の良心に常に忠実で、真心をもって人に接する思いやりの心ということになりますね。
これも、「忠恕の心」を大切にする、「忠恕の心」をはぐくもうといった文脈で、経営や教育その他における重要な精神として語られることが多いです。
スピーチやビジネス書、自己啓発書などでよく用いられる言葉でもあります。
【例文】
- 忠恕の心をはぐくむことがこの運動の目的である。
- 忠恕の心を大切に、つねに思いやりをもって行動しよう。
- 学校教育において、忠恕の心は重要な精神だ。
「忠恕」の類義語
「忠恕」の類義語には次のようなものがあります。
- 寛容(心が広く他人を厳しくとがめないこと)
- 寛恕(心が広く思いやりがあること)
- 恕(思いやること)
- 思い遣り(その人の身になって考えること)
- 真心(他人のために尽くそうという純粋な心)
- 真摯(真面目でひたむきなこと)
「忠恕」の対義語
「忠恕」の対義語というのは特にありません。
「寛容」や「真心」の対義語である
- 狭量(人を受け入れる度量が狭いこと)
- 厳格(手加減せず厳しいさま)
- 邪心(悪い邪悪な心)
といった言葉が場合によりますが、反対の意味に近いのではないでしょうか。
まとめ
「忠恕」は、真心と思いやりということで、これからの社会をよりよくしていくためにも、忘れることなく大切にしなければならないものですね。
日常会話の中で気軽に使う言葉ではないですが、何かの時には自信を持って使ってみたい、良い言葉ではないでしょうか。
最後までお読みくださりありがとうございました!