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「褫奪」「剥奪」という言葉をご存知でしょうか。
どちらも「奪う」という字が入っていて、似ている言葉です。
「褫奪」も「剥奪」もニュースなどで見聞きすることがありますので、その違いを確かめておきましょう。
今回は、「褫奪」と「剥奪」の違いとは?意味と使い方を解説!| 類義語・例文についてご説明いたします!
目次
「褫奪(ちだつ)」と「剥奪(はくだつ)」の違いとは?
「褫奪」と「剥奪」は、同じ「奪」という字を使っていますので、似ている印象ですね。
どちらも何かを取り上げるような時に使う言葉ですが、その違いは、
- 「褫奪(ちだつ)」は「立場などを取り上げること」
- 「剥奪(はくだつ)」は「取り上げること」
ということです。
「剥奪(はくだつ)」は広い意味で、色々なものを「奪う。取り上げる」といった意味です。
それに対して「褫奪(ちだつ)」の方は、「官位などの立場を取り上げる」という限られた意味になります。
「剥奪」の方が範囲が広い言葉で、官位や勲章といったものを「剥奪」するということが「褫奪」であるという違いになります。
それぞれの意味を詳しくみていきましょう。
「褫奪(ちだつ)」の意味と使い方
「褫奪」は「うばうこと。無理に取り上げること」という意味です。
「ちだつ」と読みます。
「褫」という漢字はあまり日常的に使わないですよね。
これは「チ・うば(う)・は(ぐ)」と読む漢字で、「うばう。はぐ。衣服を剥ぎ取る」という意味があります。
「奪」はもちろん「奪う」という字ですから、「褫奪」は「うばう」意味の字を二つ重ねた熟語ですね。
「褫奪」は「うばうこと」「とりあげること」なのですが、特に「衣服を剥ぎ取る」「官位や権利を取り上げる」という意味で使われます。
現代ではあまり「衣服を剥ぎ取る」という場面もないでしょうから(笑)、主に「官位や勲章などを取り上げる」という意味で覚えておきましょう。
あまり日常生活や仕事をしている時に使う言葉ではないかもしれませんが、政令などにおいて使われる言葉であり、また誰かが勲章などを「褫奪」された、という話題でニュースなどでも見聞きすることがある言葉です。
「剥奪(はくだつ)」の意味と使い方
「剥奪」は「はぎ取り、無理に奪うこと」という意味です。
「はくだつ」と読みます。
「剥」は「はぐ。はぎとる」「はげおちる」などの意味がある漢字です。
「奪」は「うばう」ですので、「剥奪」も「はぎとる。うばう」といった意味の漢字を重ねた熟語ですね。
「剥奪」は「はぎとり、うばうこと」という意味になります。
鞄を奪うとかスマホを取り上げるとか、実際のものを取り上げるという意味ではあまり使いません。
物質的な意味ではなく、地位や権利、資格など、形のないものについて、それを強制的に取り上げるという意味で使います。
犯罪を犯した人や、その職業に適さないと判断された人などが、その資格や免許などを「剥奪」される。
国家により人権を「剥奪」される。
このように、強制的に地位や権利といった社会的なものを国家や組織によって奪われるという時に使います。
「褫奪」と「剥奪」の使い分け方
「褫奪」と「剥奪」は、どちらも「奪う。取り上げる」という意味で使えます。
使い分けとしては、
- 「褫奪(ちだつ)」は衣服や官位を取り上げる意味に限る
- 「剥奪(はくだつ)」は広く、色々なものについて取り上げる意で使える
となります。
「褫奪」は特に法令用語としても使われており、「勲章褫奪令」というものがあります。
これは、勲章を受けた人が、死刑や懲役刑、三年以上の禁錮刑の判決を受けた場合に勲章が褫奪され、受章の事実が取り消されるというものです。
このように「褫奪」は官位、勲章といった授けられた地位、立場、名誉の印といったものを取り上げるということについて使います。
「剥奪」の方は、勲章などにも使えますが、権利を剥奪する、自由を剥奪する、免許を剥奪するなど、色々なものについて使えますので、こちらの方が見聞きしたり使ったりする機会が多いでしょう。
【「褫奪」の例文】
- 彼は無期懲役の判決を受けたため、勲章を褫奪された。
- 朝廷は、彼の官位を褫奪すると公布した。
- 位階を褫奪する。
【「剥奪」の例文】
- ドーピングによりA選手は金メダルを剥奪された。
- 彼女は医師免許を剥奪された。
- 彼らは自由を剥奪された奴隷である。
「褫奪・剥奪」の類義語
「褫奪・剥奪」の類義語には次のようなものがあります。
- 収奪(権力を持つ人が奪い取ること)
- 略奪(攻めて奪い取ること)
- 強奪(暴力で無理やり奪い取ること)
- 収用(取り上げて使用すること)
「褫奪・剥奪」の対義語
「褫奪・剥奪」の対義語には次のようなものがあります。
- 付与(与えること)
- 授与(授け与えること)
まとめ
「褫奪」と「剥奪」は同じ意味なのですが、「褫奪」は限られた使い方をする言葉で、「剥奪」の方が広く一般的に使うということでした。
自分の身の回りのことを言う時にはあまり「褫奪」はないかもしれませんが、ニュースや新聞には出てくる言葉なので、ぜひ覚えておいてくださいね。
最後までお読みくださりありがとうございました!