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「秋雨」という季語をご存じでしょうか。
「秋の雨」であるという事は文字からもわかりますが詳しく知らないという人も多いかと思います。
俳句や連歌を作るうえで欠かすことの出来ない季語は様々な美しい表現が特徴的です。
今回は「秋雨」について基本的な意味はもちろん、いつの季語なの?といった疑問にもお答えしていきます。
合わせて読みたい▽
>>「秋時雨」の意味や読み方と使い方!いつ頃の季語?俳句も紹介
「秋雨」の意味と読み方
「秋雨」とは、その文字が示す通り「秋に降る雨」を意味しています。
読み方は「あきさめ」です。
まだ残る夏の暑さを緩和してくれる初秋の雨、秋の風物詩ともいえる台風からくる強い雨、秋も終盤になったころの冷たく凍えるような雨、と「秋の雨」といっても数多くの種類があります。
ですがやはり「秋雨」と聞いてすぐに思い浮かべるのは秋雨前線によってもたらされるしとしとと振る長雨なのではないでしょうか。
花々に命を与える春の雨とは異なり、冬へと季節を進めるようなどこかもの悲しい印象を受けるのが「秋雨」ですね。
1713年に刊行された「滑稽雑談」の中で既に使われており、古くから親しまれている言葉だという事がわかります。
「秋雨」はいつ頃の季語?
「秋雨」は俳句を作るうえで「秋」の季語となっています。
秋という季節全てを通じて使うことの出来る「三秋」の季語です。
「秋の雨」という三秋の季語の子季語として「秋雨」があり、他の子季語には「秋黴雨」「秋霖」「秋の村雨」などがあります。
紅葉を濡らす雨を想像できる風情ある言葉ですよね。
「秋雨」を使った俳句
一日は秋雨の雨だれを見る
(いちじつは あきさめのあま だれをみる)
高野素十
五日前聞きし秋雨耳にあるに
(いつかまえ ききしあきさめ みみにあるに)
松本たかし
秋雨に泪さしぐむ花屋跡
(あきさめに なみださしぐむ はなやあと)
飯田蛇笏
秋雨に縫ふや遊ぶ子ひとりごと
(あきさめに ぬうやあそぶこ ひとりごと)
杉田久女
まとめ
季語は俳句だだけではなく、手紙やビジネス文書などの時候の挨拶でも多く使われており数多く覚えて損はありません。
春夏秋冬、日本を美しく彩る四季ならではの情景を繊細かつとても美しく表現した言葉ばかりなので眺めているだけでもとても楽しいんですよ。
季語と実際の景色を見比べる、などという楽しみ方も面白いですね。
日本にしかない「季語」という言葉で季節の移り変わりをより詳しく感じてみてはいかがでしょうか。
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