言葉の意味と使い方

「あながち」の意味や活用と語源!「あながち間違ってない」とは?【類義語・例文】

「あながち間違ってない」

「あながち嘘とは言い切れない」

このように使われる「あながち」という言葉があります。

若い人はあまり会話の中で使うことはないかもしれませんが、ビジネスシーンやテレビ、文章中などではしばしば見聞きするでしょう。

この「あながち」は、意味がわからないと前後の文脈も正しく捉えることができません。

「あながち間違ってない」は、間違ってないのか間違ってるのか?などと迷ってしまわないよう、この機会にしっかり確認しておきましょう。

今回は、「あながち」の意味や活用と語源!「あながち間違ってない」とは?【類義語・例文】についてご説明いたします!

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「あながち」の意味

「あながち」は「必ずしも。一概に」という意味です。

漢字では「強ち」と書きますが、ひらがなで書かれるのが一般的です。

「あながち……ない」というように、後に打ち消しの語を伴います。

絶対そうだとか、完全にそうだとか断定しきれないということです。

そうではないかもしれないという疑いがあるとか、強く判定することには反対するという意味合いを持っています。

「あながち」は、打ち消しの語とともに使い、必ずしもそうではないということを表す言葉です。

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「あながち」の活用と語源

「あながち」は古語で、本来は「身勝手なさま、強引なさま」「一途である」「はなはだしい、ひどい」などの意味の言葉でした。

「あな」は「自己」、「かち」は「勝ち」を意味していると言われています。

己が勝つということで、自分自身が優先される=自分勝手であるということですね。

それが中世以降に「あながち……ない」などと打ち消しの語とともに用いられるようになり、「必ずしも」「一概には」ということを表すようになりました。

平安時代の古語としては「あながちなり」というナリ活用形容動詞として使われていました。

ですので「あながちなり」は{なら/なり・に/なり/なる/なれ/なれ}という活用になります。

ですが、今ではこうした活用形はなく、「あながち……ない(打ち消しの語)」という使い方をするようになっていますので、「あながち+打ち消しの語」とワンセットで覚えておきましょう。

「あながち間違ってない」とは?

「あながち」は「あながち間違ってない(間違っていない、間違いではない、など)」などと使われますね。

「あながち」の意味がわかればもうお分かりでしょう。

「あながち間違ってない」は「必ずしも間違っているとは言えない」ということです。

全部間違っているわけではない、ということですが、使われる文脈によってどういうニュアンスなのか判断する必要はあります。

まず、ほとんど間違いだが少しは合っている時に使えます。

例えば配点20点の記述問題で7点だったという時。

点数は少ないですが、全く解答の方向性が間違っているわけではないので「この解答はあながち間違ってない」ということです。

また、正しいとは言い難いが間違っているとも言えないという時にもよく使われます。

世の中、はっきり正解の決まっていないことが多いですよね。

例えばある仕事を任されて、自分なりのやり方でやってみたとします。

上司が「君のやり方もあながち間違ってないよ」などと言った場合、「ベストのやり方とはいえないが、ダメなやり方というわけでもない。もう少しいい方法はあると思うが……」というようなニュアンスが含まれることになるでしょう。

ビジネスシーンではこちらの意味で「あながち間違ってない」がよく使われるのではないでしょうか。

「あながち」の使い方・例文

「あながち」は、必ずしもそうではない、一概にそうとは言えないという意味で使います。

一般的には同等や目下の人に対して使う言葉です。

必ずそうではないという否定の気持ちや、必ずそうではないのでは?という疑念の気持ちを表す言葉なので、目上の人に向かって「あながち間違いではないです」などと使うのは少し失礼な印象です。

「あながち○○とは言えないのではないでしょうか」などと丁寧に言うということも考えられますが、どちらかというと目下の人に向けて使う言葉なので気をつけましょう。

「あながち」の類義語

「あながち」の類義語には次のようなものがあります。

  • 必ずしも(必ず……であるというわけではない)
  • 一概に(みなひっくるめて一般的に。おしなべて)
  • まんざら(全くそうだとも限らない)

いずれも打ち消しの語を伴って使います。

「必ずしも幸福ではない」「一概にそうとは言えない」「まんざら知らない仲でもない」といったぐあいに使い、「必ずそうではない」「みんなそうではない」という意味になります。

まとめ

「あながち」は「必ずしも、一概に」という意味でした。

打ち消しの語と一緒に使うことで、絶対にそうである!……とは言えない、という断定しきれない気持ちを表すことができます。

「○○である」「○○ではない」だけでは表せない、中間の程度や微妙なニュアンスを表せる言葉がいろいろありますね。

うまく使って、適切な表現をできるようになりたいものですね。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。