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日本は屈指の雪国と言われていますが、雪を表現する言葉の1つに「べと雪」というものがあります。
聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
今回は改めて「べと雪」について基本的な意味はもちろん、方言なの?季語なの?といった疑問にもお答えしていきます。
「べと雪」を使った俳句もご紹介いたします。
関連 「湿雪」の意味と読み方とは?「みぞれ」「乾雪」との違いは?
「べと雪」の意味と読み方
「べと雪」とは、べた雪とも呼ばれ、水気を多く含みべちゃべちゃとしている雪を指す言葉です。
この「べと雪」の水気がさらに増えると「みぞれ」となり雨交じりの雪になってしまいます。
みぞれになる一歩手前のべたっとした雪が「べと雪」と呼ばれているんですね。
読み方はそのまま「べとゆき」と読みます。
「べと雪」は季語?
俳句の世界において「べと雪」は冬の季語とされています。
粉雪の対義語として使われており、冬の情景を一言で表すことの出来る表現なのではないでしょうか。
「べと雪」は方言?
「べた雪」も「べと雪」も特段どこかの方言であるという説は出ておりません。
雪が降る地域で使われており、また雪が多い地域を連想させるため「北国の方言なのではないか」と思いがちですが、実は全国共通で使われている言葉なんですね。
もちろんべた雪なのかべと雪なのか地方によってどちらが使われているのかという違いはありますが、方言ではないようです。
「雪」を使った俳句
降る雪や明治は遠くなりにけり
(ふるゆきや めいじはとおく なりにけり)
中村草田男
市人よ此笠うらふ雪の傘
(いちびとよ このかさうらう ゆきのかさ)
松尾芭蕉
いつも見る景色が雪をかうむりて句
(いつもみる けしきがゆきを かうむりて)
日野草城
「べと雪」と「水雪」の違い
「べと雪」も「水雪」も雪の中の水分量が多い雪を表現する言葉ですが、「水雪」の方が水分量が多く、雨やみぞれになってしまう一歩手前の状態を指しています。
外気温が高いと空気中の水分が完全には凍らず、水分量の高い雪が降ってきます。
冬の終わりごろなどによく見られる雪なのではないでしょうか。
まとめ
雪を表現する名称は時代や地方によってそれぞれ異なります。
方言とまではならなくても、様々な呼び方をされているのが面白いポイントですね。
雪かきをする側にとっては「べた雪」「べと雪」は重さがあるので厄介に感じますが、冬ならではの情景を一気に作り出してくれる雪でもあります。
空から降ってくる雪を見ながら「これは何雪というのだろう」と考えを巡らせてみるのも冬の楽しみ方の1つなのではないでしょうか。