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七福神で紅一点の神様である弁財天は、昔からとても人気のある神様です。
この弁財天の秘密に迫ってみましょう。
今回は弁財天はなぜ琵琶を持っているのか、蛇とはどのような関係にあるのか等々、あなたが知りたかった弁財天の疑問を解決いたします。
弁財天ってどんな神様?
「弁財天(べんさざいてん)」とは、水の神であり、七福神の中で唯一女性の神様です。
「弁才天」とも書かれることがあります。
その姿は、天女のような格好のように描かれていることが多く、琵琶を持ち、冠をかぶっています。
また、頭の上に白蛇が乗っている場合もあります。
【弁財天のご利益】
- 財運向上
- 音楽・学問・芸術成就
- 美人祈願
とされています。
弁財天の由来は、ヒンドゥー教の神様で古代インドにあった美しい川の女神である「サラスバティ」が仏教化したものと言われています。
また、日本神話に登場する「市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)」は弁財天と同一神であるという説もあります。
なぜ琵琶を持っているの?
弁財天と琵琶の関係は、弁財天そのものの由来と関係しています。
弁財天の由来はヒンドゥー教の神様からきており、古代インドに存在した美しい川の女神「サラスバティ」だと言われています。
その川の美しいせせらぎを音楽に例え、現代の琵琶を持つ姿になったと言われています。
そもそもサラスバティにおいても、「ヴィーナ」という琵琶によく似た楽器を持った姿で描かれることがありました。
また、弁財天のご利益は「音楽・学問・芸術成就」というものがありますから、楽器である琵琶の印象が強いのかもしれませんね。
このような経緯があり、現代の日本において弁財天は琵琶とセットとなったと考えられるのです。
弁財天と蛇との関係は?
弁財天と蛇の関係の秘密は、「水の神」であること、そして「宇賀神(うがのかみ)」が関係しています。
弁財天は水の神様ですよね。
日本では昔から水の神の使いは「蛇」という認識がありました。
なので弁財天≒蛇となっています。
そしてもう一方の「宇賀神」についてなのですが、弁財天の頭には、時に蛇が乗っている姿で描かれることがありますよね。
実はその蛇が、「宇賀神」と言われているのです。
宇賀神とは日本の古来の神様で、老人の頭と白蛇の体を持つ神様で「財と福をもたらす」というご利益があります。
では、なぜ弁財天とこの「宇賀神」が合体しているのかというと、それは日本の文化である、「神仏習合」が関係しています。
「神仏習合」とは神と仏が一体化という意味を持つ信仰のかたちの一つで、奈良時代を起源とし平安時代に発展しました。
日本という国は、色々な文化を混ぜて上手に取り入れるのが上手な国ですから、神と仏を混ぜちゃって信仰していたというわけです。
つまり
弁財天が日本に伝わる
↓
神仏習合が当然な雰囲気の日本が出来上がる
↓
宇賀神が中世以降に流行し始める
↓
弁財天+宇賀神が習合
となったと考えられるのです。
ちなみに弁財天と宇賀神の習合のルーツは、天台宗の教学に取り入れられたことにより、合体したかたちで信仰されることになったと言われています。
これにより、蛇と弁財天との関係の印象がさらに根強くなったと考えられるのです。
「でも宇賀神も弁財天だって神様じゃないの?」と思った方もいらっしゃるかもしれません。
実は、弁財天は「天」とつくことから「天部」という仏教界の守護神に所属しています。
つまり「仏教サイド」としての神様なのですね。
ですから、描かれる容貌は神様なのに仏教由来で仏像チックなのです。
なんと当時日本に伝わったばかりの弁財天は、裸だったり、8本の腕を持って剣や弓矢や宝珠をもった姿で描かれたりしていました。
今のような天女のような姿ではなかったのですね。
このような造像の変遷も、弁財天と宇賀神の関係は「神仏習合」と言われるわけなのです。
もっと掘り下げると、明治以降の神仏分離令などが関係しているのですが、なにせ日本は多宗教多信仰の国です。
この令によって、仏教くささをなくすために弁財天は神として「市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)」と同一神としたという説もあるほど。
しかしながら、神と仏はそう遠くない存在として、いつの時代も人々の要領良く信心されていたのですね。
以上のことから、現代の弁財天と蛇の関係の背景には、「宇賀神」の流行と「神仏習合」が関係しているというお話でした。
弁財天の伝説
「江ノ島弁財天伝説」
観光名所として有名な神奈川県の「江ノ島」には、弁財天がお祀りされています。
ここには、弁財天と5つの頭を持つ龍の伝説がありました。
鎌倉の深沢には、5つの頭を持つ龍が人々を苦しめていました。
龍は、子どもを食べたり、大きなその体を使って天災を起こし、火を吹いて作物を台無しにしたりと悪行の限りを尽くしていました。
人々は飢餓と恐怖に苦しんでいたといいます。
ところがある日、海の波が高くなったと思えば、海鳴りと共に潮が吹き上がり、一つの島が現れます。
そう、これが江ノ島です。
そして島には、おつきの童女を連れた美しい姿をした弁財天が降り立ちました。
5つの頭を持つ龍は、この麗しい弁財天に一目惚れをします。
龍は弁財天に愛を伝えますが、弁財天にその悪行を咎められて断られてしまいます。
自分の悪行を反省した龍は、人々に尽くし無事弁財天と結ばれたとか、身を引いて山に姿を変えた、などと言われています。
「井の頭白蛇伝説」
デートスポットや健康スポットとして人気の井の頭公園にも、弁財天にまつわる伝説があります。
井の頭公園には、頭が人間で体が蛇の「宇賀神」がお祀りされていますが、その像にまつわるエピソードです。
昔々、世田谷に住んでいた長者の夫婦には、お金はあっても子宝に恵まれず、近くの井の頭弁財天に子どもを授けてもらえるようにお願いをしました。
すると可愛い女の子が生まれたのですが、首筋に3枚の鱗がありました。
女の子は美しく成長し、その器量と気立から街でもお嫁に来てくれと大評判となりました。
しかし16歳になったある日、娘は従者をひとり連れて井の頭弁財天の元にお参りに行きました。
従者が目を離した刹那、女の子は井の頭の池に身を投げてしまいます。
その姿は白蛇となり、みるみる池に沈んでいきました。
この女の子こそが、弁財天の化身、もしくは使いだと言われているのです。
また後日談としては、以下のようなものもあります。
長者夫婦はたいそう悲しみ、心身共に弱り果てていきました。
すると井の頭池の方から声が聞こえたそうです。
「父上、母上、育ててくれた恩ありがとうございます。弁財天様と見守っています」
この言葉を聞いた夫婦は活気を取り戻し、井の頭に宇賀神の形の像を寄贈したそうです。
女の子は弁財天なのか、はたまた弁財天のお使いの者なのかは定かではありませんが、有名な弁財天の伝説の一つとなっています。
まとめ
弁財天は、七福神の中で唯一女性の神様で、ご利益は
- 財運向上
- 音楽・学問・芸術成就
- 美人祈願
となっています。
弁財天はその由来から、蛇や琵琶との関係が深くあり、その容貌は時代と共に変化してきた人気の神様でもあります。
弁財天がお祀りされている寺社は結構多いので、ご興味のある方はお近くの寺社を調べて行ってみてくださいね。