「ブルーウェーブ」の意味とは?米国選挙での使われ方と色の由来
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米国選挙において「ブルーウェーブ」「レッドウェーブ」と言う言葉を聞くことがあります。
アメリカの中間選挙のニュースで「ブルーウェーブが起きるか」と聞いても、単に民主党が勝つことなのか、大統領が交代することなのか、分かりにくいですよね。
今回は、「ブルーウェーブ」の意味や色の由来なども合わせて解説いたします。
「ブルーウェーブ」の意味とは?
「ブルーウェーブ」は、民主党のシンボルカラーである「青」と「波」にちなんだ言葉で、民主党が大幅に議席を増やす可能性がある時に使われる言葉です。
日本でも追い風が吹いている時など「いい波がきている」と言うことがありますね。
選挙報道でいうこの「波」は、一つの選挙区で勝っただけではなく、ある政党が広く勝利を重ね、大きく勢力を伸ばすことを表します。
民主党が大幅に議席を増やす選挙が、ブルーウェーブと呼ばれる典型的なケースです。
逆に、共和党の大幅な躍進は、「レッドウェーブ」と呼ばれます。
ただし、ブルーウェーブには「何議席増えたら該当する」という一律の数値基準はありません。
USAFactsも、政治的な「波」に明確な数量的定義はないと説明しています。
具体例は2018年の米国中間選挙
ブルーウェーブを理解するうえで分かりやすい例が、トランプ氏の第1次政権下で行われた2018年の中間選挙です。
民主党はこの選挙で下院の議席を純増41とし、下院の多数派を共和党から奪還しました。
純増とは、獲得した議席と失った議席を差し引いた増加分のことです。
USAFactsは2018年を大きなブルーウェーブの事例として挙げ、Pew Research Centerも民主党の下院での躍進を確認しています。
一方、上院では共和党が多数派を維持し、議席も増やしました。
つまり、2018年のブルーウェーブは「民主党が上下両院で圧勝した」という意味ではありません。
ニュースを読むときは、下院と上院の結果を分けて確認すると、実態をつかみやすくなります。
「ブルーウェーブが来る」は予測の場合もある
「ブルーウェーブが来る」「ブルーウェーブの可能性がある」という表現は、選挙前の見通しを述べている場合があります。
それだけで、民主党の大勝が確定したわけではありません。
報道に接するときは、世論調査に基づく予測なのか、開票途中の情勢なのか、それとも結果を振り返った評価なのかを確認しましょう。
同じ言葉でも、使われた時点によって意味合いが変わります。
なぜ民主党は「青」、共和党は「赤」なの?
米国選挙では、一般に民主党を青、共和党を赤で表します。
しかし、この色分けは昔から一貫していたわけではありません。
Smithsonian Magazineによると、現在の色分けが定着した大きな転機は、2000年の大統領選挙でした。
それ以前は、報道機関や選挙の年によって色が異なり、共和党を青、民主党を赤で示すこともありました。
2000年のブッシュ氏とゴア氏の選挙は決着まで長引き、民主党を青、共和党を赤で示す地図が繰り返し報道されました。
この過程で、現在の色分けが広く定着したと説明されています。
つまり、青や赤は政党を見分けるための報道上の慣行です。
色そのものが、それぞれの政党の政策を説明しているわけではありません。
中間選挙では大統領も選び直すの?
米国の中間選挙は、大統領の4年間の任期の中間に行われる選挙です。
勘違いしやすいですが、中間選挙で大統領は選び直しません。
連邦議会では、下院の全435議席と、上院の約3分の1の議席が改選されます。
州によっては、州知事や州議会などの選挙も行われます。
ただし、州知事選がすべての州で同時に実施されるわけではありません。
したがって、中間選挙でブルーウェーブが起きても、それだけで民主党の大統領に交代することはありません。
変わるのは、主に議会などの勢力バランスです。
「ブルーステート」と「ブルーウェーブ」は別の言葉?
「ブルーステート」は、民主党を支持する傾向が強い州を指します。
共和党寄りの州はレッドステート、選挙によって両党の間で勝敗が変わりうる州はスイングステート、またはパープルステートと呼ばれます。
ブルーステートが「その州の政治的な傾向」を表すのに対し、ブルーウェーブは「選挙で民主党が大きく勢力を伸ばす現象」を表します。
地域の特徴を示す言葉と、選挙での変化を示す言葉という違いです。
なお、ブルーステートでも共和党を支持する有権者はいます。
州の色分けは、その州の住民全員が同じ政党を支持しているという意味ではありません。
ブルーウェーブが起きると、政策はどう変わる?
民主党が議会で勢力を伸ばすと、法案や予算をめぐる交渉の力関係が変わる可能性があります。
共和党の大統領のもとで民主党が下院や上院の多数派を握れば、大統領側は議会で協力を得る必要が強まります。
ただし、「ブルーウェーブが起きれば民主党の政策がすべて実現する」とは限りません。
連邦法の成立には、原則として上下両院が同じ法案を可決し、大統領が署名するという手続きが必要です。大統領には拒否権もあります。
政治経済の観点で重要なのは、波の呼び名よりも、その結果として誰が法案を通す力を持つのかという点です。
政策への影響を考える際は、大統領の所属政党と、上下両院の多数派を合わせて見る必要があります。
まとめ
ブルーウェーブとは、米国選挙で民主党が大幅に躍進する現象を表す言葉です。
民主党を青で示す色分けから生まれた表現で、共和党が大きく勢力を伸ばす場合はレッドウェーブと呼ばれます。
押さえておきたいのは、ブルーウェーブに一律の議席数の基準はないことと、中間選挙で大統領が交代するわけではないことです。
「民主党が勝った」という見出しだけでなく、どれだけ議席を増やし、どの議会で多数派になったのかまで確認しましょう。
