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「無骨」の意味や由来と使い方!「武骨」と違いはある?【類義語・例文】

「無骨」の意味や由来と使い方!「武骨」と違いはある?【類義語・例文】

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「彼は無骨な男だ」

「アウトドアにぴったりの無骨なデザイン」

この「無骨」という言葉、いろいろな場面で見聞きしませんか?

「無い」「骨」という漢字のイメージとは少し違っているようですね。

「無骨」とは一体どういうことなのか、詳しく調べてみました。

今回は、「無骨」の意味や由来と使い方!「武骨」と違いはある?【類義語・例文】についてご説明いたします!

「無骨」の意味

「無骨」は「骨ばってごつごつしていること」「素朴で、洗練されていないこと」「役に立たないこと」「都合の悪いこと」という意味です。

「ぶこつ」と読みます。

現代では、主に一つ目と二つ目の意味で使います。

「無骨な手」などという場合は、手が骨ばっていてごつごつとした形をしているということを表します。

そして、「無骨な振る舞い」とか「無骨なデザイン」という場合は、「洗練されていない」という意味になります。

あえて「無骨なデザイン」を売りにするようなものもありますが、基本的には「無骨」は「ごつごつしている」「洗練されていない」、また「役に立たない」といった意味もあります。

「無骨」は本来はネガティブな意味合いの言葉です。

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「無骨」の由来

「無骨」は、そのまま読むと「骨」が「無い」となりますね。

骨がないなんて、ぐにゃぐにゃしていそうなのに、それが「骨ばってごつごつしている」という意味になるなんて不思議ですね。

この「無骨」の語源は、古語の「こちなし」であると言われています。

「こちなし」は「骨無し(無骨)」と書きますので、この音読みが「無骨」というわけです。

「こちなし」は「無作法だ、ぶしつけだ」という意味です。

「人柄」という意味の「骨柄」が劣っているということから、今の「無骨」の意味になったと言われています。

他にも、「こちなし」は「骨甚し」と書き、甚だしく骨ばっているということから今の「無骨」の意味になったという説などもあります。

いずれにせよ、「無作法である」という意味の「こちなし」から転じて「無骨」ができたということで、知識として覚えておきましょう。

「こちなし」ではなく、「ほねなし」と読む「骨なし」という言葉が現代語にもありますが、これは「無骨」とはまた違う意味です。

「骨なし」は「骨がないかのように姿勢を保てないこと」という意味で、そこから「意志や信念がないこと」という意味で使います。

「無骨」は「ごつごつしている」「洗練されていない」ということですので、字面は似ていますが違う意味だとわかりますね。

「無骨」の使い方

「無骨」は、素朴で洗練されていないことを表す言葉です。

洗練されておらず、無作法であったり無礼だったりするということですから、悪い意味で使う言葉ですね。

「無骨者」とか「無骨な振る舞い」などと言うことで、洗練されていない無作法な様子を表して使います。

ただし、あえて「無骨」をいい意味で使うこともあります。

家具や車、アウトドアグッズなどによく「無骨なデザイン」と言う表現がされることがありますが、これはあえて洗練されたオシャレなデザインではなく、工業的な雰囲気を感じさせるようなものにすることで魅力を出しているということです。

【例文】

  1. 老人は節くれだった無骨な手で鍬を握った。
  2. 彼の無骨な振る舞いを注意する。
  3. 彼は田舎から出てきたばかりの無骨者だが仕事の筋はいい。
  4. この収納ボックスは無骨なデザインと機能性の高さで人気がある。

「武骨」と違いはある?

「無骨」は「武骨」と表記されることもあります。

パソコンなどで変換しても、「無骨」も「武骨」も出てくると思います。

この「無骨」と「武骨」は、意味の違いはなく同じ言葉です。

「無骨」の方が多く使われますが、「武骨」でも同じ意味です。

語源から考えると「無骨」では?という気がしますよね。

「ですが、武」には「いさましい。たけだけしい」といった意味があり、「洗練されない」「スマートでない」といった意味には「武骨」の方がふさわしい気もします。

辞書などにも「無骨」「武骨」は区別せずどちらも同じ項目として載っていますので、これはどちらを使ってもよいということで理解しておくとよいでしょう。

「無骨」の類義語

「無骨」の類義語には次のようなものがあります。

  • 野暮(人の機微に通じないこと。洗練されていないこと)
  • 無粋(粋でないこと。野暮なこと)
  • 無風流(風流でないこと。趣味を解さないこと)
  • むくつけき(無骨で無作法である)
  • 無作法(礼儀作法に外れていること)
  • ぶしつけ(躾ができていないこと)
  • 粗野(荒々しく野生的で洗練されていないこと)

「無骨」の対義語

「無骨」の対義語には次のようなものがあります。

  • 粋(人情・趣味に通じ垢抜けていること)
  • 洒落(心や振る舞いがさっぱりしていて気が利いていること)
  • 優雅(上品で気品があること)

まとめ

「無骨」は、洗練されていなくて素朴で荒々しい様子を表す言葉でした。

無作法、無礼といったよくない意味の言葉ですが、それがかえっていい要素として捉えられ、「無骨なデザイン」「無骨なインテリア」などと使われているのが面白いところですね。

「無骨な人」というのも、無作法な人という意味ですが、「スマートではないけれど逞しい人」「気が利かないけれど正直な人」のようないい意味を表すために使われることもありますね。

「無骨」だからといって、必ずしも悪いことではないので前後の文脈から判断しましょう。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。
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