言葉の意味と使い方

「着工・竣工・上棟」の違いは?意味と使い方を解説!|類義語・例文

「着工・竣工・上棟」の違いは?意味と使い方を解説!|類義語・例文

※当サイトではアフィリエイト広告を利用しています

「着工・竣工・上棟」は、どれも建築工事に関係して使う言葉ですね。

本社ビルが「竣工」したとか、「上棟式」をしたとかいう風に身近に使われています。

ですが、どれも建築工事関係の言葉ということで、どれがどういう意味なのか混同してしまっている人もいるかもしれませんね。

ぜひしっかり確認しておきましょう。

今回は、「着工・竣工・上棟」の違いは?意味と使い方を解説!についてご説明いたします!

「着工・竣工・上棟」の違いは?

建設現場

「着工・竣工・上棟」の違いは、

  • 「着工」は「工事を始めること」
  • 「竣工」は「工事が完成すること」
  • 「上棟」は「棟木を上げること」

となります。

それぞれ、工事、建築の期間のうち、違うところを指していることがわかりますね。

工事の始まりが「着工」、工事の完成が「竣工」、「上棟」は工事の中で、屋根を支える棟木を取り付けることを言います。

それぞれの言葉の意味や使い方を詳しく見ていきましょう。

「着工」の意味と使い方

「着工」は、「建物や道路などの建設を開始すること」を言います。

「ちゃっこう」と読みます。

「着」と「工」という漢字そのままの意味ですね。

工事に着手するということです。

家などの建物、道路、鉄道などの工事について使う言葉です。

家を建てる場合であれば、「今日から工事を始めますよ」ということで、大抵は土地に建物の正確な位置などを確認する縄を張るなどの作業をします。

この状態でよく神主さんを呼んで地鎮祭をすることもありますよね。

そして地盤改良であったり、家の基礎作りであったりといった工事が始まります。

こうした工事の始まりを「着工」と言います。

建築基準法では、

  • 杭打ち工事
  • 地盤改良工事
  • 山留め工事
  • 根切り工事

などの作業を行うのが「着工」と見なされます。

ちなみに工事っぽいことであっても、地盤調査や現場事務所の建設、資材や機械の搬入はその建物などを直接作る作業ではないので「着工」には当てはまりません。

【例文】

  1. いよいよマイホームを建てることになり、今日が着工の日だ。
  2. 着工の前にご近所へのあいさつ回りを済ませる。
  3. この街に高速道路が通るはずだったのだが、未着工のままである。
  4. 新社屋は来年春に着工予定だ。

「竣工」の意味と使い方

「竣工」は「工事が完了してできあがること」と言う意味です。

「しゅんこう」と読みます。

「竣」は「おわる」「できあがる」といった意味がある漢字です。

「竣工」は、「着工」とは逆で、建築工事が完成することを言います。

工事がすべて終わって建物ができた、というのが「竣工」で、住宅の場合、そのあと検査や内覧を終えてから引き渡し、入居となります。

社屋や大規模な施設などで行われる「竣工式」は建物が完成したお祝いのことですが、一般住宅ではあまり行われることはありません。

「竣工」は、建物などの建築工事の完成のことです。

【例文】

  1. この地区の基盤整備工事が竣工した。
  2. 新社屋の竣工式を行う。
  3. 駅前のタワーマンションの竣工予定日は来年3月だ。
「落成」と「施工」の意味と違いは?使い分けと語源を解説!「落成」という言葉があります。 新社屋ができた時などに「落成式」に招待されたり、「落成」のお祝いを送るなどというのもよくあることで...

「上棟」の意味と使い方

マイホームを見る人たち

「上棟」は、「住宅の建築において、棟木を取り付けること」と言う意味です。

「じょうとう」と読みます。

「棟木」は屋根の一番上の部材で、屋根の支えになる木材のことです。

「上棟」というのは主に木造住宅の建築において、柱などの基本的な構造ができたあと、この「棟木」を取り付けることを言います。

地域などによっても違いがあり、

  • 棟木を取り付けて骨組みが完成した時
  • 屋根が完成した時

などになります。

家を建てるうえで重要な棟木を上げることが完了したお祝い、最後まで工事が無事に行われるようにとの祈り、また大工さんへの感謝といった意味を込めて「上棟式」が行われることも多いです。

「上棟式」は必ず「上棟」した日というわけではなく、「上棟」後の縁起のいい日を選んで行われます。

祭壇にお供え物をしたり、棟梁や施主・関係者で祈願したりします。

そのあと飲食をしたり、地域によっては餅まきをするなどさまざまな習慣があり、費用や準備の手間もかかりますのでなかなか大変な儀式ですが、「上棟」というのはそれぐらい、家を建てるうえでお祝いになるような節目とされています。

【例文】

  1. 新居が無事に完成することを祈って上棟式を行う。
  2. 上棟を祝って餅まきをする。
  3. マイホームの上棟を見学した。

「着工・竣工・上棟」の類義語

「着工・竣工・上棟」の類義語には次のようなものがあります。

【「着工」の類義語】

  • 起工(着工と同じ)
  • 定礎(建築の着工に際して礎石を据えること)
  • 着手(仕事にとりかかること)

【「竣工」の類義語】

  • 完工(竣工と同じ)
  • 落成(建物が完成すること)
  • 竣功(竣工と同じ)

【「上棟」の類義語】

  • 棟上げ(上棟と同じ)
  • 建前(棟上げや上棟式のこと)

まとめ

「着工・竣工・上棟」は、家などを建てるときに使う言葉ということで共通しています。

ですが、その意味はそれぞれ違いましたね。

特に「着工」と「竣工」は対義語でもありますから、間違えて使ってしまうと意味が逆になってしまいますね。

正しくそれぞれの言葉を理解しておきましょう。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。
error: Content is protected !!