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昔は身近な言葉であった「土用干し」。
文明が発達し、色々な文化が混ざった現代ではもう遠い言葉となりました。
今回はこの「土用干し」の意味や時期、2025年はいつなのか解説します。
土用干しとは?
土用干しとは、「夏の土用の時期に、ものを干すこと」です。
そう、夏の土用の丑の日には鰻を食べる・・・の土用です。
実は土用は、「春の土用」「夏の土用」という風に、春夏秋冬の4つあるのですが「土用干し=夏の年中行事」と覚えておいてくださいね。
さて、肝心の「干すもの」なのですが、下記になります。
土用干しに干すものとは?
- 衣類・・・高温多湿な日本の気候によるカビや害虫の発生を抑えるために、陰干しをして風を通す。
- 書物・・・衣類と同様
- 田んぼ・・3日間〜1週間ほど水を抜いて田の土を乾燥させ、稲が根を張るのを助け、強くするために行われる。「中干し」とも言う。
- 梅・・・・梅の旬は6月。収穫した梅を塩漬けにした物を、梅雨明け時期の土曜に3日間ほど日に干して梅干しにする。
このように土用干しは、衣類や書物といった身近な日常生活用品から、大切な食べ物に繋がる田んぼや、保存食となる梅干しまで「干す」という幅広い意味で使われていました。
何を干すかによって意味は異なるのですが「夏の土用はものを干す季節」と認識されていたようですね。
2025年の土用干しはいつ?
さて、肝心の夏の土用がいつの時期なのか気になりますよね?
2025年の土用干しの時期は、7月20日頃〜8月7日頃となります。
前述した様に四季にはそれぞれ土用がありますが、土用は春夏秋冬の「立春」「立夏」「立秋」「立冬」の前の18日間となっています。
ですから、2025年の夏の土用は、立秋である8月7日の前の18日間となっているのです。
ちなみに、土用の時期は四季全てにおいて「土いじりは禁止」と言われています。
土用は日本独自の雑節ではありますが、土用自体は中国の陰陽五行説が由来とされています。
よって土用の時期は土の中から土公神という神様が地上にいらっしゃり、大地が神聖なものとなってよく働くとされるため、無闇に掘り起こしたり刺激をしてはいけないとされています。
ですから、地鎮祭や庭仕事、増改築や井戸掘りなどが禁止されているのです。
土用干しには田んぼの水を抜いて大地をそっとしておくというのも、なんだか土いじりの禁止に繋がっている感じがしますね。
また、土用は季節の変わり目であるため、文明と医療が発達していない昔は体調を崩しやすい時期だったと言われています。
ですから、生活を整えることをし、ゆっくりするという意識もあったからこのような習慣ができたとも言われています。
土用干しは季語?
土用干しは、夏の季語です。
他にも
- 曝書(ばくしょ 書物を干すこと)
- 「風入れ(かぜいれ)
- 曝涼(ばくりょう)
- 虫払ひ(むしはらい)
なども土用干しに関連した季語となっています。
実はそもそも「土用」という言葉自体が、夏の季語となっています。
春夏秋冬それぞれに土用はあるのですが、土用というと「夏」となっているのです。
昔は陰陽五行説由来が身近であったこと、そして農作業と生活の関連が深かったことから「土用は夏」となったのが理由とされています。
土用干しの季語が入った有名な俳句は以下です。
- 無き人の 小袖も今や 土用干 (松尾芭蕉 猿蓑 から)
- 虫干しや 甥の僧訪ふ 東大寺(与謝蕪村 蕪村句集 から)
- 政宗の 眼もあらん 土用干 (正岡子規 寒山落木 から)
俳句や短歌を嗜む人も現代では少なくなっていますが、季語だけでも知っていれば、なんだか風流な気持ちになれますね。
まとめ
土用干しは「夏の土用の時期にものを干すこと」で「夏の季語」です。
「衣類」「書籍」「田んぼの地面」「梅」などを干すとされています。
干すものによって目的は変わるのですが、日常生活に関わる大切な物を干すことを指す夏の年中行事なのです。
また、土用干しの時期は季節の変わり目で体調を崩しやすいため、生活を整えたりゆっくりするという意味も込められています。
忙しい現代人でも昔の人の土用干しにならい、体調や生活を整えることを少し意識しておきたいものですね。