言葉の意味と使い方

「えげつない」はいい意味?方言なの?語源や使い方を解説!【類義語・対義語】

「えげつない」はいい意味?方言なの?語源や使い方を解説!【類義語・対義語】

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「あいつのやり方はえげつない」

「えげつない事件」

この「えげつない」という言葉は、最近いろいろなところで使われています。

会話の中や、テレビ番組でも見聞きすることがあると思います。

あまりいい意味ではなさそうですが、一方でネットニュースのスポーツ記事などでは「えげつない成績」とか「えげつない投球」などと褒め言葉のように使われていることもあります。

「えげつない」はいい意味なのでしょうか?

今回は、「えげつない」はいい意味?方言なの?語源や使い方を解説!についてご説明いたします!

「えげつない」はいい意味?

「えげつない」の意味は、「やり方や言い方が悪どく人情味がない」ということです。

人がひどいことをしているのを目撃したり、ひどい言い方をしているのを聞いたりした時に、「やり方がひどすぎる!」「言い方が悪すぎる!」と思いますよね。

そういう様子を表すのが「えげつない」です。

ですので、「えげつない」は悪い意味の言葉です。

「非情だ」とか「悪どい」とか、「度を越していてひどい」というような意味になるわけです。

最近では、わざと「えげつない」という言葉を「すごい」という意味で使っている場合もあります。

スポーツ選手や歌手など、何かに秀でた人の才能を「えげつない」と表したり、大盛りの食べ物を「えげつない」と言ったりなど、

ネット記事やバラエティ番組などで耳にすることがありますが、わざと面白くするために使っているのです。

野球選手の名プレーが「えげつない」とか、歌手の歌のうまさが「えげつない」、俳優がイケメンで「えげつない」など、もはや本来の意味からは大きく外れていますね。

「やばい」が「すごい」という意味で気軽に使われているのと似ていて、「えげつない」をいい意味で使うことも一般的になりつつありますが、まだまだ正しい使い方とは言えません。

本来は「えげつない」は悪い意味の言葉ですので気をつけましょう。

>>「したり顔」と「ドヤ顔」の違いは?意味と語源や言い換え表現【例文つき】

「えげつない」は方言なの?

「えげつない」は、最近はテレビなどで日常的に使われるようになりました。

ですが、もともとは関西地方の方言です。

関西では古くからある言葉ですが、一般的に日本中で聞かれるようになったのは昭和になってからだと言われています。

主に、関西のお笑い芸人や関西のテレビ番組の人気が全国的になったためだと言われています。

関西弁の芸人さんが「えげつない」という言葉を使うのが、テレビなどを通して全国に知られるようになり、一般的に浸透したということですね。

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「えげつない」の語源

「えげつない」は関西地方の方言でした。

その語源は、江戸時代ごろに使われていた「いげちなし」という言葉にあります。

関西で使われていた言葉で、「意気地無し(いげちなし)」と書きます。

「人情味がない。薄情」「厚かましい」「むごい」といった意味です。

これが、「いげつない」「えげつない」という風に音変化して、今の「えげつない」になったということです。

語源からも、もともと悪い意味で使う言葉だということがわかりますね。

「えげつない」の使い方

「えげつない」は、悪い意味で「ひどい」ということ、やり方や言い方が悪くて人情味がないということを指して使います。

また、今ではだんだんと意味が広がっていますので、言葉や服装などが下品であることなどを指しても「えげつない」と言うことがあります。

「やり方がえげつない」とか、「えげつないことを言う」などの使い方をします。

悪い意味ですので、人に向かって「えげつないですね」とか「それはえげつないよ」と言うのは、「ひどすぎますよ」と言っているようなものなので、失礼になることもあります。

「あれはひどいね」と言うときや、人に「それはひどいよ」と注意するときなどに使う言葉です。

また、もともと方言ですので、口語として砕けた会話の中では使われますが、あまりビジネスなどのきちんとした場面では使わない方がいい言葉です。

もちろんビジネス文書や丁寧な手紙・メールの書き言葉としても適切とは言えません。

「えげつない」を使うときには注意が必要ですが、いろいろな使い方を例文で確認しておきましょう。

【例文】

  1. 彼はときどきえげつないことを言う。
  2. 彼女のやり方はえげつない。
  3. あの店はえげつない商売をしている。
  4. その言い方はいくらなんでもえげつないぞ。

「えげつない」の類義語

「えげつない」の類義語には次のようなものがあります。

  • 厭らしい(様子などが不愉快で嫌味な感じである)
  • 意地悪い(他人に対して悪意のこもった感じである)
  • 卑しい(欲望をあらわにしてさもしい。下品である)
  • はしたない(たしなみがなく無作法だ)
  • 下劣(下品で卑しいこと)
  • むごい(見るに耐えないほど痛ましい。思いやりがない)
  • ひどい(残酷である。むごい。度を越している)

いずれも感じが悪かったり下品であったりする、悪い意味の言葉です。

いい意味で使われている「えげつない」の場合は「すごい」とか「上手である」、「カッコいい」などといった意味になるのでしょう。

「えげつない」の対義語

「えげつない」の対義語にはきまったものはありません。

悪どくて人情味がないということの反対なので、文脈により

  • 良い
  • 素敵な
  • 正直な
  • 親切な

といった、いい意味の言葉が反対の意味ということになるかもしれません。

まとめ

「えげつない」は、やり方や言い方が悪どい、ひどくて薄情であるというような、かなり悪い意味の言葉でした。

今時は気軽に「あの○○はえげつないね!」などと、いい意味でも悪い意味でも使われています。

ですが、「やばい」などと言うのと同じで、本来の意味をきちんと理解して適切な場面で使いたいものですね。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。
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