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「腐心」の語源とは?意味と使い方、例文を紹介!【類義語】

「腐心」の語源とは?意味と使い方、例文を紹介!【類義語】

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「腐心」という言葉があります。

「~に腐心する」という言い回しを耳にすることがあるのではないでしょうか。

若い人は普段あまり使わない言葉かもしれません。

「腐心」の意味がわからない人もいるかもしれませんね。

「腐った」「心」という字面が少し怖い感じもしますが(笑)、ビジネスの場などでは時々使われる言葉です。

ぜひ正しい意味や使い方を確認しておきましょう。

今回は、「腐心」の語源とは?意味と使い方、例文を紹介!についてご説明いたします!

「腐心」の意味

「腐心」は「ふしん」と読みます。

まず意味を確認しておきましょう。

「腐心」とは、「あることを成し遂げようと心をくだくこと。苦心」という意味です。

「腐心」は耳慣れないという人も、「苦心」なら聞いたり使ったりしたことがあるのではないでしょうか。

「腐心」は「苦心」とほぼ同じ意味だと思って構いません。

ちなみに、「腐心」は「腐る」という字が使われていますので、何か「性根が腐る」「悪い心」というような、よくない意味だと誤解している人もいるようです。

ですが、「腐心」は、何かを成し遂げたり解決するために悩むという意味なので、別に悪い意味ではありません。

では、なぜそのことを「腐心」というのか、次で見ていきたいと思います。

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「腐心」の語源

「腐心」は「腐った心」と書きます。

「腐」という字は、食べ物などが「腐る」や、「豆腐」、最近では「腐女子」などという言葉もあり、身近に目にする漢字ですね。

この「腐」にはもともと

  • くさる
  • 古くなって役に立たない
  • 心を痛める
  • 男子を去勢する刑

という意味があります。

「腐心」の場合は3番目の意味です。

つまり心が腐りそうなぐらい、心を痛めるということです。

「腐心」とは、そのぐらい非常に心を痛めて悩むという意味の言葉なんですね。

「腐心」の使い方

「腐心」は名詞で、ほとんどの場合「腐心する」という形で使われます。

「苦心」と同じ意味であると言いましたが、「苦心」の場合は苦労して作った作品のことを「苦心作」などと言いますが、「腐心作」とは言いません。

また、「腐心」は心が腐りそうなぐらい激しく心を痛めて悩むという意味ですので、厳密には「苦心」よりもさらに達成や解決が難しい大きな悩みを表す時に使います。

【例文】

  1. 事業の発展に日夜腐心する
  2. 教会の秩序を維持することに腐心していた
  3. 社内の不満を抑えることに腐心した
  4. 治安の確立に腐心する

「腐心」は「腐る」という字が使われていることから、「ふてくされる」「嫌々行う」という意味で使われていることがあります。

しかしながら、これは間違った使い方です。

上で見た通り、「腐心」は物事の達成や解決に向けて一生懸命心を砕いて悩むという意味です。

「腐」という字のイメージに惑わされず、「心を痛める」という意味を正しく理解して使いましょう。

「腐心」の類義語

「腐心」は「心をくだくこと、苦心」という意味でした。

どうしても使い慣れない場合や、「腐心」では大げさかなと思うような時は、似た意味の言葉で言い換えることができます。

いずれも「目的のために悩み苦しむこと、苦しみながら努力すること」を指す言葉です。

  • 苦心
  • 苦悩
  • 苦労
  • 苦慮
  • 呻吟
  • 悪戦苦闘
  • 苦心惨憺

苦しみよりも、より「熱心に努力すること」を表したい場合は

  • 努力
  • 尽力
  • 奮闘
  • 奔走

などがよいでしょう。

悩み苦しみ努力をするという意味で、このようにいろいろな言葉があります。

ビジネスシーンにおいても、その時の状況に応じて使えるよう覚えておきたいですね。

まとめ

「腐心」という言葉に、これまであまり馴染みがなかった方も、意味や使い方についてわかっていただけたでしょうか。

ある問題について、真剣に悩み、解決や達成のために非常に心を砕いている、ということを一言で表せる便利な言葉です。

ビジネスシーンでもきっと使う機会があるのではないでしょうか。

ぜひこの記事を参考にしていただけたらと思います。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。
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