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「含蓄(がんちく)」という言葉は、若い人の日常会話の中ではあまり使わないかもしれません。
ですが、時折耳にしたり文章で読んだりする機会はあると思います。
ちょっと難しい印象ではありますよね。
ビジネスシーンでも使うことがありますから、どういう意味なのか知っておきましょう。
また、「薀蓄/蘊蓄(うんちく)」とも混同されることがありますが、この二つは違う言葉ですので、間違えて使ってしまわないように気をつけなくてはいけません。
「含蓄」について理解し、「薀蓄/蘊蓄(うんちく)」との違いも合わせて確認しておきましょう。
今回は、「含蓄(がんちく)」の意味と使い方!「薀蓄/蘊蓄(うんちく)」との違いは?についてご説明いたします!
「含蓄」の意味
「含蓄」は「内に含み持っていること」「言葉などの、表面にあらわれない深い意味・内容」と言う意味です。
「がんちく」と読みます。
最初の意味は、例えば「この土壌には多くのミネラルが含蓄されている」などと用い、何かが含まれているという意味になります。
ここでご説明したいのは2番目の方の意味です。
言葉や文章などの内容が奥深く、パッと見ではわからないような深い意味や内容があるということを表します。
「含」は「含む」、「蓄」は「蓄える(たくわえる)」という漢字で、この二つを重ねて奥深いものを内に含んでいることを表すわけです。
「含蓄」の使い方
「含蓄」は「含蓄がある」「含蓄に富む」「含蓄が深い」といった使い方をします。
「私の話は含蓄があります」と言うことはまずめったにないと思います。
ある人の言葉や作品などを見聞きして、そこに深い意味や内容を感じた側が「含蓄があるな」と感じる、いわば受け手側が使う言葉なわけです。
「含蓄」の例文
- 彼の言葉にはいつも含蓄がある。
- 彼女は含蓄のある話をする。
- この小説は含蓄の深い良い作品だ。
- 先生の講演ではいつも含蓄に富むお話が聞けます。
「薀蓄/蘊蓄(うんちく)」との違いは?
「含蓄」と「薀蓄/蘊蓄(うんちく)」は混同されることがあります。
「蓄」が一緒ですし、何か深そうなところ(笑)も似ていますからね。
「含蓄」と「薀蓄/蘊蓄(うんちく)」の違いは、
- 「含蓄」は「表現がある意味を含みもつこと」
- 「薀蓄」は「蓄えた深い学問や知識」
となります。
深みがあると言う点では確かに共通しているかもしれませんが、結構指しているものがちがいますよね。
「含蓄」は「含みがある」ということを指します。
それに対し、「薀蓄/蘊蓄」の方は「蓄えた知識」のことを指します。
自分が蓄えた知識についてとうとうと語ることを「薀蓄/蘊蓄を傾ける」と言います。
「含蓄」は「表に現れ出ないところに深い内容が含まれている」という意味ですから、「含蓄」をとうとうと語ったり「含蓄を傾ける」なんてことはないわけです。
また、「薀蓄/蘊蓄」は本来、長い時間をかけて研究するなどして蓄えた学問や知識、という意味ですが、最近では雑学(雑多な知識の集合)やトリビア(雑多な豆知識)と同様の意味で使われることも多いです。
「薀蓄/蘊蓄」の例文
- 彼は得意げに薀蓄を傾けた。
- この小説には民俗学や美術史など様々な分野の薀蓄が詰め込まれている。
もう一度違いをまとめると、
- 「含蓄がある」は「中に深い意味を含んでいる」
- 「薀蓄/蘊蓄がある」は「深い知識を持っている」
となります。
「含蓄」の方が「中に含む」という点がポイントですね。
「含蓄」の類義語
「含蓄」の類義語には次のようなものがあります。
- 内含(内部に含むこと)
- 内包(内部に持つこと)
- 暗示(それとなしに知らせること)
- 含意(表面にあらわれない意味を持つこと)
- 包摂(一定の範囲の中に包み込むこと)
- 寓する(ほかにかこつけて意味を持たせる)
- ほのめかす(それとなく示す)
「含蓄」の対義語
「含蓄」の対義語は特にありません。
深い意味を「表面に出さずに内に含む」ということですから、反対に「明らかにする」という意味では
- 明示(明らかに示すこと。「暗示」の対義語)
などが反対の意味とも言えるかもしれません。
まとめ
「含蓄」は表面にあらわれない深い意味や内容ということでしたね。
「含蓄」のある言葉とか、「含蓄」のある話というのは、理解する側にもある程度知性や教養が必要ともいえるでしょう。
ぜひ「含蓄」のある言葉に多く触れて、豊かな意味を理解できる人になりたいものですね。
最後までお読みくださりありがとうございました!