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日本は屈指の雪国と言われていますが、雪を表現する言葉の1つに「銀世界」というものがあります。
ウィンタースポーツを楽しむ方の中には聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
今回は改めて「銀世界」について基本的な意味や使い方はもちろん、冬の季語なの?といった疑問にもお答えしていきます。
「銀世界」を使った俳句もご紹介いたします。
「銀世界」の意味
「銀世界」とは、周囲一面に雪が降り積もり真っ白になった景色を指す言葉です。
「そこは一面の銀世界だった」などのように使われる言葉で、なぜ雪は白いのに「銀」なのかと疑問に思った方も多いかと思います。
銀という言葉には「白金(しろがね)」という読み方もあり、「銀のように光り輝く白」という意味があります。
降り積もった雪が光を反射し、まるで白金のようにキラキラと光った白色に見える、という事で「銀世界」と呼ばれているんですね。
「銀世界」の使い方
俳句において「銀世界」という言葉を使う際は注意が必要です。
理由は「銀世界」が冬の季語ではないからです。
そもそも季語というのは「歳時記」に掲載されている言葉を指していますが、色々な出版社が出している歳時記の中に「銀世界」が掲載されたものは1冊もありません。
俳句を作る上で情景を表しやすい「銀世界」ですが、使う際は冬を表す季語をプラスする必要があるんですよ。
「銀世界」は冬の季語?
雪が降り積もった情景を表す言葉として知られているため、冬の季語として使えると思いがちですが「銀世界」は季語ではないため、俳句に使う際は冬の季語を付け加える必要があります。
冬の季語の一例
現存する枠組みにとらわれず「無季俳句」として詠むことも出来るので、「銀世界」という表現を最大限に活かすことの出来る季語を選び抜くのも腕の見せ所と言えるのではないでしょうか。
「銀世界」と「雪景色」の違い
「銀世界」「雪景色」のどちらも「雪が降り積もっている光景」を表す言葉でとてもニュアンスが似ている言葉です。
「銀世界」が季語として認定されていないのに対し、「雪景色」は冬の季語なのでこのワードだけで冬を表現することが出来るのが違いです。
「銀世界」はどちらかというと野原など自然の多い場所を連想させますが「雪景色」は街中に降り積もっている情景なども表現することが出来る使い勝手の良い季語として愛されているんですよ。
「銀世界」を使った俳句
初雪に あふみの茶店や 銀世界
(はつゆきに あふみのさてんや ぎんせかい)
坂本朱拙
豊年の みつぎの雪か 銀世界
(ほうねんの みつぎのゆきか ぎんせかい)
正岡子規
雪の銀世界より 嫁来たりけり
(ゆきのぎん せかいよりよめ きたりけり)
角光雄
まとめ
雪やその情景を表現する名称は時代や地方によってそれぞれ異なります。
昨日までは積もっていなかったのに朝カーテンを開けたら一面銀世界だった、という経験は雪国にお住まいの方なら一度はあるのではないでしょうか。
雪の色を白銀に例えた、日本ならではの繊細かつ美しい言葉となっているので俳句を詠む際にはぜひ冬の季語と組み合わせて使ってみてはいかがでしょうか。