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「ご賢察」の意味とビジネスでの使い方!失礼になることもある?【類義語・例文】

「ご賢察」の意味とビジネスでの使い方!失礼になることもある?【類義語・例文】

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「ご賢察」という言葉は、ビジネスシーンなどを中心に、かしこまった場などでもよく使われてます。

「ご」がついていることからわかるように、敬語ですね。

目上の人に対して使う言葉ですので、失礼がないようにきちんと使い方を確認しておきましょう。

今回は、「ご賢察」の意味とビジネスでの使い方!失礼になることもある?【類義語・例文】についてご説明いたします!

「ご賢察」の意味

「ご賢察」は、「相手の推測を敬って言う言葉」です。

「ごけんさつ」と読みます。

「ご」がついているので、敬語であることはわかると思います。

「賢察」に、尊敬語の「ご(御)」がついていますね。

「賢」は「賢い」という字で、いわゆる頭が良いとか成績がいいとかの「かしこい」という意味ですよね。

それ以外に、相手のことがらに添えて敬意を表すという意味があります。

「賢兄(他人の兄に対する敬称)」「賢弟(他人の弟に対する敬称)」といった言葉もあり、「賢」をつけることで敬称や相手を敬う言葉になるということです。

「察」は「察する。おしはかる」といった意味です。

「賢察」は相手が察することを敬って言う言葉ということになります。

推察することの尊敬語である「賢察」に、さらに「ご」をつけたのが「ご賢察」です。

文法的には二重敬語じゃないの? と疑問に思う人もいるかもしれませんが、「ご賢察」は慣習的に、一般によく使われる言葉なので間違いとはされていません。

むしろ、かなり尊敬の度合いが強い言葉だと考えてよいでしょう。

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「ご賢察」のビジネスでの使い方

「ご賢察」は、相手の推察を敬って言う言葉です。

ビジネスシーンでよく使われる言い回しには

  • ご賢察ください
  • ご賢察いただきますよう
  • ご賢察の上
  • ご賢察のほど

といったものがあり、多くの場合は「お願いいたします」などとして推察してもらいたい時に使います。

もしくは、「ご賢察いただきありがとうございます」などと、推察してもらった感謝を述べるということもあります。

いずれにせよ、「ご賢察」という敬意の高い言葉を使いますので、日常会話よりもビジネスシーンでよく使われる言葉です。

目上の方、大切な取引先、お客様など、かなりしっかりと敬語を使うべき相手に対して「ご賢察」は使える言葉だと言うことです。

【例文】

  1. お客様にはご迷惑をおかけして申し訳ございませんが、どうぞご賢察の上ご理解賜りますようお願い申し上げます。
  2. 恐縮ですが、先ほどご説明しましたような事情がありますことをご賢察の上、ご判断をお願いいたします。
  3. ご不便をおかけいたしますが、ご賢察いただきますようお願いいたします。
  4. こちらの都合でお手数をおかけしてしまいましたが、ご賢察いただき誠にありがとうございました。
  5. 私の口からは詳しいことは申し上げられないのですが、すべて先生のご賢察の通りです。

「ご賢察」が失礼になることもある?

「ご賢察」は、相手の推察を敬って言う言葉です。

ですので、丁寧な敬語ということで、お客様や目上の人にも使うことができます。

ですが、使い方によってはかえって失礼になることもありますので気をつけましょう。

  • 自分が推察する時には使わない
  • 目下の人には使わない

といった、敬語の使い方に関する点はもちろんです。

「ご賢察」は目上の相手に配慮して欲しい時などに使う言葉です。

また、目下はもちろん、親しい間柄の人などに「ご賢察」というと、丁寧すぎるということもあります。

さらに気をつけたいのは、「ご賢察」は尊敬語の「ご」「賢」がついているとはいえ、「察する」という意味です。

つまり「ご賢察ください」だと「察してください」と言っているようなことになるわけです。

目下から目上に向かって「察してください」というのは失礼ではないか、と感じる人もいるようです。

「ご賢察ください」「ご賢察の上○○してください」などと言うと、このように失礼だと感じる人もいますので、「ご賢察いただきますようお願いいたします」「ご賢察のほどよろしくお願いいたします」などとより丁寧な言い回しにすると安心でしょう。

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「ご賢察」の類義語

「ご賢察」の類義語には次のようなものがあります。

  • ご明察(相手のすぐれた推察を敬って言う語)
  • お察し(察すること、相手が推察することの尊敬表現)
  • ご高察(相手のすぐれた推察を敬って言う語)

なお、少し似ていますが「拝察」は、推測することをへりくだって言う言葉です。

つまり、自分が推察する時に使う謙譲語ですね。

「ご健勝のことと拝察いたします」などとへりくだって使います。

まちがって「ご拝察ください」などとは言わないように気をつけましょう。

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「賢察」の対義語

相手の推測を敬って言うのが「賢察」ですが、その対義語には次のようなものがあります。

  • 愚察(自分の推察や観察をへりくだって言う語)

なお、「拝察」は推察の対象に対する敬意を表していますが、「愚察」は対象には関係なく、自分が推測するということをへりくだって表す言葉です。

まとめ

「ご賢察」は、相手の推察を敬って言う言葉でしたね。

配慮して欲しい、慮って欲しい、などということは仕事をしていく上でもよくあることですが、相手が目上の人である場合、なかなか言いにくいものですよね。

「ご賢察」という言葉を知っていれば、簡潔に、かつ丁寧に敬意を持って伝えることができます。

ぜひ使ってみてください。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。
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