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「薄謝」の意味と使い方!目上の人にはNG?「薄謝進呈」とは?|類義語・例文

「薄謝」の意味と使い方!目上の人にはNG?「薄謝進呈」とは?|類義語・例文

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「薄謝」は、人にお礼の品物やお金を渡す時に使う言葉です。

とはいえ、他にも表書きや謝礼に使う言葉はたくさんありますね。

「薄謝」はどういう時に使うのか、目上の人や目下の人にどのように使うのかなど、詳しいルールはよくわからないという人も多そうです。

今回は、「薄謝」の意味と使い方!目上の人にはNG?「薄謝進呈」とは?|類義語・例文についてご説明いたします!

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「薄謝」の意味

「薄謝」は「わずかの謝礼」という意味です。

「はくしゃ」と読みます。

「薄い」「謝礼」という漢字のそのままの意味ですね。

「薄」は「少ない、乏しい」、「謝」は「お礼やお詫びの金品」といった意味を表します。

「薄謝」はわずかばかりの謝礼、または、自分が人に進呈する謝礼をへりくだって表す言葉です。

「薄謝」の使い方

「薄謝」は、わずかばかりの謝礼という意味で、人に謝礼を渡す時にへりくだる意味で使われます。

本当にわずかな謝礼であるということもあるでしょうが(笑)、謙遜して表すための言葉と思っておきましょう。

高価な品物や高額のお金を渡すものではなく、「大げさにならない程度のちょっとしたお返し」「ほんの少しですがお礼の気持ちです」といった意味で使います。

あるいは、個人で仕事をしていたり、寄稿や講師を依頼されたりするときに「薄謝をお支払いします」などとされることがあります。

これは「○○円でお願いします」とはっきり謝礼の金額を提示せずにぼかしているということです。

「薄謝」には「○○円以下」といった金額の決まりはありませんので、「薄謝」と言われても5,000円なのか10万円なのかわかりませんよね。

「薄謝」では報酬の額はもちろん、交通費やその他経費はどうなるのかなど、はっきりしたことは分かりません。

はっきりさせておきたい場合は、あらかじめ金額を聞いたり交渉したりといったことが必要でしょう。

目上の人にはNG?

バツの手をする女性

「薄謝」は、目上の人には使わない方がいい言葉です。

主に、目上から目下へお礼やお返しを贈る場合に使われることが多い言葉だからです。

「薄謝」では「わずかな謝礼」という意味になってしまいますので、目上の人への感謝の気持ちとしては不適切という考えの人が多いようです。

一般的には、目上の人への贈り物などには「御礼」などとした方がよいとされています。

あるいは、本当にささやかな品物を渡すだけといった時には「粗品」「心ばかり」などの言葉も使われます。

しかし、「薄謝」は絶対に目上から目下に贈る場合しか使えないわけではありません。

「薄謝」は、自分の渡すお礼をへりくだる意味の言葉なので、「薄謝を差し上げます」「薄謝進呈」といった風に、日常やビジネスシーンなどでも普通に使われています。

  • 「薄謝」は失礼な言葉ではないので、人にちょっとしたお礼を渡す時に使える
  • 「わずかな謝礼」という意味から、目上の人へのお礼に使うには不適切と感じる人もいる

なお、「寸志」や「松の葉」もちょっとしたお礼やちょっとした贈り物に使われる言葉ですが、これは基本的に目上から目下へ使う言葉とされています。

日本語にはお礼や贈り物をするときの表書きだけでも他にもたくさんの言葉があります。

上下関係を大切にしつつ、それぞれが相手を思いやるといった日本文化の奥深さが感じられますね。

「薄謝進呈」とは?

薄謝進呈

「薄謝」の使い方の一つに「薄謝進呈」があります。

「アンケートに答えると薄謝進呈いたします」、「新聞の投稿欄に採用されると薄謝進呈」など、日常の中でも目にしたことがあるのではないでしょうか。

カードの種類にもよりますが、クレジットカードの裏に「このカードを拾った方はカード会社にご連絡ください。(薄謝進呈)」と書かれていることもありますよ。

この「薄謝進呈」は、そのまま「薄謝を差し上げます」「わずかなお礼ですが差し上げます」という意味です。

「薄謝」とは何がもらえるのか、いくらなのかといった決まりはありません。

500円分のギフト券や1,000円の図書カード、あるいは少額のお金かもしれません。

いずれにせよ何千円もするようなものではなく、ちょっとしたものを差し上げるという意味です。

「薄謝」の例文

  1. お世話になった人に薄謝を渡す。
  2. 講師を引き受けたので、「薄謝」と書いた包みを渡された。
  3. 薄謝で恐縮ですが、お受け取りください。
  4. ご協力いただけましたら、薄謝をお支払いします。
  5. このアンケートにお答えいただいた方の中から抽選で100名様に薄謝を進呈いたします。
  6. 迷い猫の目撃情報を下さった方に薄謝進呈します。

「薄謝」の類義語

「薄謝」の類義語には次のようなものがあります。

  • 寸志(こころばかりの贈り物)
  • 薄志(わずかな謝礼)
  • 松の葉(ささやかな贈り物)
  • 志(好意・謝意などを表す贈り物)
  • 献芹(ものを送ることをへりくだって言う語)
  • 粗品(粗末な品物。相手に贈る品物を謙遜して言う語)
  • 謝礼(感謝のための金品または言葉)
  • 謝金(謝礼のための金銭)
  • 報酬(労働や骨折りなどに対する謝礼の金品)

まとめ

「薄謝」は「わずかの謝礼」という意味です。

自分が渡す謝礼の品やお金を、「わずかばかりですが……」とへりくだって表します。

ビジネスシーンなどでも使われる言葉ですが、人によっては目上の人に使うには不適切だと感じる言葉ですので注意が必要です。

目上の人向けの表書きには「御礼」などの言葉もありますので、状況や気持ちに応じて使い分けてみましょう。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。
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