言葉の意味と使い方

「八方美人」は悪い意味?それとも褒め言葉?類義語・対義語は何になるか

「八方美人」は悪い意味?それとも褒め言葉?類義語・対義語は何になるか

「八方美人」はどんなタイプの人のことを言うか、ご存知ですか?

「美人」とありますが、いい意味なのか、悪い意味なのか、判断に迷ってしまいそうですね。

ぜひ「八方美人」の正しい意味や使い方など詳しく確認しておきましょう。

今回は、「八方美人」は悪い意味?それとも褒め言葉?類義語・対義語は何になるかについてご説明いたします!

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「八方美人」は悪い意味?それとも褒め言葉?

「美人」というのは容姿が美しい人のことで、いい意味ですよね。

「八方美人だ」などと言われたら、悪く言われているのか褒められているのか迷ってしまいそうです。

ですが、結論としては「八方美人」は、悪い意味で使われる言葉です。

人に悪く思われないように相手ごとに調子を合わせる人ということですが、そうした誰にでも愛想よくすることを批判して使われる言葉なのです。

もともとの言葉の意味としては悪くないのですが、批判したり軽んじたりする意味で使われることが多い言葉であるということなんです。

ですから、「八方美人」は褒め言葉ではなく、悪い意味で使われる言葉だと理解しておきましょう。

当然ながら、人に向かって褒め言葉のつもりで「八方美人ですね!」などというのもやめた方がいいでしょう。

>>「愛想」と「愛嬌」の意味と違いは?「◯◯をふりまく」のはどっち?【類語・例文】

「八方美人」の意味

「八方美人」の意味は「周囲の誰からも嫌われないように誰に対しても愛想よく振る舞う人」です。

「はっぽうびじん」と読みます。

悪い意味で使われることが多いと言いましたが、この説明だけではそんなに悪く思えませんよね。

誰に対しても愛想が良いということは、人付き合いが上手い人といういい意味にも取れます。

ですが、この「八方美人」に関しては、そうしたいい意味で使われることはめったにありません。

  • 「誰からも嫌われないように、あっちにもこっちにもいい顔をする」
  • 「気に入られるためなら意見や態度をコロコロ変える」

といった、信用できない人、ずるい人という批判的な意味で使われることがほとんどです。

ですから、「誰に対してもいい顔をする」という批判的な意味の言葉であると理解しておくと良いでしょう。

>>「日和見」の意味と使い方!「日和見主義」とは?【類義語・例文】

「八方美人」の由来

「八方美人」の「八方」は、東西南北と北東、北西、南東、南西を合わせた八方角を指します。

「美人」は美しい人ですね。

ですので、「八方美人」というのは「どの方角から見ても美しい人」ということで、欠点のない素晴らしい美人ということです。

元々はいい意味の言葉だったんですね。

そこから、どの方向に向けてもいい顔をする、誰に対しても嫌われないように愛想よくするという意味で使われるようになりました。

嫌われないためにはやはり誰にでも愛想よくして同調するということになりますので、自分の意見がないとか、好かれるためならすぐに態度を変えるというような悪い意味になっていったのです。

「八方美人」の使い方

「八方美人」は誰に対しても愛想よくする、その行動の節操のなさを批判して使う言葉です。

褒め言葉としては使わず、悪い意味で使うことがほとんどの言葉です。

「美人」ということで女性に対して使うことが多いですが、男性に対しても使えます。

【例文】

  1. 彼はいい人だと思ったが、八方美人なだけだ。
  2. 彼女は仕事ができるわけではないが、八方美人なためにうまくやっている。
  3. 自分に自信がないから八方美人になってしまう。
  4. 私は人の意見を素直に聞いているだけなのに、八方美人だと悪口を言われた。
  5. もう八方美人でいるのはやめて、これからは言いたいことを言わせてもらう。

「八方美人」の類義語

「八方美人」の類義語には次のようなものがあります。

  • 愛想が良い(人に接する時に相手から好感を持たれる態度である)
  • どちらにもいい顔をする(どちらからもよく思われようと振る舞う)
  • 日和見主義(自分に都合の良い方へつこうと形勢を伺うこと)
  • 風見鶏(鶏ををかたどった風向計。転じて、周囲の情勢をみて都合の良い側にばかりつく人のこと)
  • 太鼓持ち(人にへつらい機嫌をとるもの)
  • 腰巾着(権力者などに常に付き従っている人を嘲っていう言葉)
  • 無節操(行動に節度がないこと)

「八方美人」の対義語

「八方美人」の対義語は「八面玲瓏」です。

「八面玲瓏」は「どの方面から見ても美しく透き通っているさま」「心に何のわだかまりもないこと」そこから、「誰に対しても交際ぶりが円満であること」という意味です。

「はちめんれいろう」と読みます。

一見、「八方美人」と同じように思えますが、類義語ではなく対義語となります。

なぜなら、

  • 「八方美人」は誰に対しても愛想を振りまく人を軽んじていう言葉
  • 「八面玲瓏」は誰とでも円満に交際できる人をいい意味でいう言葉

であるからです。

「八方美人」が誰にでもいい顔をするいいかげんな奴という悪い意味なのに対し、「八面玲瓏」はその人の心が優れているために誰とでも円満に付き合えるいい人であるという意味なのですね。

このように、使い方や意味の違いがあるので「八方美人」と「八面玲瓏」が対義語関係であるとされています。

ただし、「誰とでもうまくやる」という点では共通していますので、類義語として扱われていることもあります。

「八方美人」と「八面玲瓏」は、類義語のようで対義語であるというちょっと不思議な関係ですね。

まとめ

「八方美人」は、欠点のない美人ということから転じて、誰からも嫌われないように要領よく人と付き合っていく人という意味になった言葉です。

いい意味ではなく、そうした愛想の良さや要領の良さを軽んじて言う言葉です。

一見良さそうに思える言葉ですが、好意的に使われる言葉ではないので、使い方には気をつけましょう。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。