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「蜩(ひぐらし)」という季語をご存じでしょうか。
俳句や連歌を作るうえで欠かすことの出来ない季語。
様々な美しい表現が特徴的ですが今回はその中の1つ「蜩(ひぐらし)」について解説していきます。
「蜩(ひぐらし)」について基本的な説明はもちろん、いつの季語なの?どんな鳴き声?といった疑問にもお答えしていきます。
「蜩(ひぐらし)」を使った俳句もご紹介いたします。
「蜩(ひぐらし)」とは?
「蜩」はセミ科に属する虫の一種です。
日本では7月から8月にかけて朝や夕方にその特徴的な鳴き声を聞くことが出来ます。
その独特な鳴き声から「カナカナ」とも呼ばれています。
「蜩」は夜明けや日暮れなどの光に反応して鳴き出す習性があります。
どことなくもの悲しさを感じさせる鳴き声は薄明かりと相まって人の心に何かを訴えかけるような風情があると言われているんですよ。
「蜩(ひぐらし)」はいつの季語?
「蜩」は俳句を作るうえで「秋」の季語となっています。
秋の中でも初め頃の「初秋」という情景を表現する場合に使われる季語であり、秋を通して使う季語ではありません。
子季語には「日暮」「茅蜩」などがあります。
初秋の季語になっており、秋にならないとその姿は見られないの?と思いがちですが、実は夏の初め頃からもう既にその鳴き声は響いています。
夏真っ盛りの時期でも耳を澄ませてみるとその鳴き声を見つける事が出来るかもしれません。
「蜩(ひぐらし)」の鳴き声は?
「蜩」は「カナカナカナ」と聞こえるような鳴き声を発します。
まるで鈴を振っているかのような澄んだ声で鳴くので一度聴いたらすぐに「蜩」だとわかるのではないでしょうか。
聴き方によっては「ケケケケ」と聞こえる人もいるそうです。
「蜩(ひぐらし)」を使った俳句
日ぐらしや急に明るき湖の方
(ひぐらしや きゅうにあかるき みずうみのほう)
一茶
蜩のおどろき啼くや朝ぼらけ
(ひくらしの おどろきなくや あさぼらけ)
蕪村
蜩や机を圧す椎の影
(ひぐらしや つくえをあつす しいのかげ)
正岡子規
人の世の悲し悲しと蜩が
(ひとのよの かなしかなしと ひぐらしが)
高浜虚子
まとめ
季語は俳句だだけではなく、手紙やビジネス文書などの時候の挨拶でも多く使われており数多く覚えて損はありません。
春夏秋冬、日本を美しく彩る四季ならではの情景を繊細かつとても美しく表現した言葉ばかりなので眺めているだけでもとても楽しいんですよ。
季語と実際の景色を見比べる、などという楽しみ方も面白いですね。
日本にしかない「季語」という言葉で季節の移り変わりをより詳しく感じてみてはいかがでしょうか。