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「批准」という言葉はニュースなどでしばしば見聞きする言葉です。
日常会話の中ではあまり使いませんので、少し難しい印象です。
前後の文脈から、「批准」は条約を結ぶ時に使うような言葉であると知っている人は多いかもしれません。
ですが、「批准」という言葉そのものがどういう意味なのかはあまり調べる機会はないのではないでしょうか。
ぜひこの機会に「批准」という言葉を正しく知っておきましょう。
今回は、「批准」の意味と使い方!「署名」との違いは?【類義語・例文つき】についてご説明いたします!
「批准」の意味
「批准」は、「全権委員が署名した条約を、条約を締結する権利を持つ国家機関が確認し同意すること」と言う意味です。
「ひじゅん」と読みます。
ちょっと難しい言葉ですね。
「批」は「批判」や「批評」の「批」ですが、「ただす。是非を決める」という他に、「主権者が承認する」という意味も持っています。
「准」は「次ぐ」「ゆるす」「よる」といった意味があり、この場合は「許す」という意味で使われています。
「主権者が承認し、許す」ということから、「批准」は内容が確定している条約を国家が最終的に確認して同意するという意味で使う言葉です。
通常は、条約を国会でよく話し合って認め、元首などが認証、公布などを行うことで国内において成立します。
国際的な条約の場合は、国際機関などに批准書を委託する、締約国間で批准書を交換するなどにより、国際的に宣言して確定となります。
「批准」の使い方
「批准」は条約に対して国家が確認、同意する手続きのことを言います。
「批准する」「批准書」などの使い方をします。
「批准」は条約の確認の時に使う言葉なので、国際的な条約についてなどの場面で使います。
まず日常生活の中で自分や身の回りの人が「批准する」などと使うことはないでしょう。
一般的にはニュースや新聞、ビジネスシーンやプライベートで国際情勢についての話題になった時などに使うような言葉です。
【例文】
- 講話条約を批准する。
- 平和条約の批准促進のため活動する。
- 条約の批准を拒否する。
- 核兵器禁止条約の批准国・地域は52になった。
- 障害者の権利に関する条約の批准書を国連に寄託する。
「署名」との違いは?
「署名」もまた、条約を結ぶ時に使われる言葉です。
もちろん紙に自分の名前を書くことも「署名」と言いますが、国際法上の用語としては、「署名」は国を代表する人が条約の内容を公式に確認した証拠として記名することを言います。
「批准」と使う場面も似ていそうな言葉ですが、まとめると、
- 「批准」は「条約を国会などで話し合って認め、国際的に宣言すること」
- 「署名」は「条約の内容を確認した証拠として、国の代表者などが記名すること」
という違いになります。
ある条約について、国として賛成か反対かの判断をし、賛成する場合は全権を委任された大使など、国の代表の人が「署名」をします。
「署名」は「この条約に賛成です」という意思表示であり、これだけで条約に参加したことにはなりません。
「批准」は「署名」をした条約の内容について国家が最終確認を行い、同意することを言います。
「署名」の後に議会等で確認の手続きをし、批准書を作成します。
それを国際機関等に寄託する、あるいは二国間の条約であればその批准書を交換することによって、その条約に正式に加盟したことを国内外に宣言することになります。
そして、そのあと「批准」された条約は国内で公布され、効力が発生します。
「署名」の方が「批准」よりも先にする段階のものです。
また、「署名」はしたけれど、そのあと議会で同意が得られず「批准」はしない、ということもあり得ます。
例として、「京都議定書」(1997年12月京都で開催されたCOP3で採択された気候変動枠組条約の議定書)の場合、日本の「署名」と「批准」は
- 「署名」:1998年4月28日
- 「批准」:2002年6月4日
となっています。
アメリカが批准を拒否したり、ロシアが受け入れの判断を見送っていたりといった紆余曲折がありましたが、その後、2005年2月16日に発効となりました。
署名国は83カ国、締約国は192カ国となっています。
「批准」の類義語
「批准」の類義語には次のようなものがあります。
- 調印(条約の文書などに双方の代表が署名して印を押すこと)
- 承認(そのことが正当または事実であると認めること。国家・政府・交戦団体などの国際法上の地位を認めること)
- 追認(過去にさかのぼって、その事実を認めること。効果のない法律行為について、その効果を生じさせる意思表示のこと)
- サイン(署名すること。署名)
まとめ
「批准」の意味はお分りいただけたでしょうか。
国家間などで、条約を正式に承認するという時に使う言葉です。
日常生活の中ではあまり使うことはないですが、覚えておくと時事問題が理解しやすくなりますので、ぜひ知っておきたい言葉です。
最後までお読みくださりありがとうございました!