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「ひとえに~おかげ」の使い方!「ひとえに」の意味と漢字はどう書く?【例文】

「ひとえに~おかげ」の使い方!「ひとえに」の意味と漢字はどう書く?【例文】

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「ひとえに○○さまのおかげです」

この「ひとえに〜おかげ」という言葉、感謝を述べるときなどに使われています。

子供や若い人は使ったことがないかもしれませんが、ビジネスシーンやかしこまった場ではよく見聞きする表現です。

この機会に、「ひとえに〜おかげ」という言い回しについて、詳しく知っておきましょう。

今回は、「ひとえに~おかげ」の使い方!「ひとえに」の意味と漢字はどう書く?【例文】についてご説明いたします!

「ひとえに」の意味

「ひとえに」は、「ただそのことだけをするさま」「原因・理由・条件などがそれにつきるさま」という意味です。

「ひたすら」とか「もっぱら」という意味ですね。

そのことだけで、他に理由がない。

あるいは、他のことはしないでそのことだけをひたすらするという意味でもあります。

「ひとえに~のおかげ」というのは、「~」だけがその理由であるということを表します。

「~のおかげで、他に理由はない」「100パーセント~のおかげです」ということになります。

「ひとえに」は、「一重」と格助詞「に」から成る言葉です。

「一重」は、そのものだけで重ならないことを表します。

「ひとえに」は、ただそのことだけで他に理由がないこと、ただそのことだけをすることを表す言葉です。

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「ひとえに」の漢字はどう書く?

「ひとえに」は、漢字で書くと「偏に」です。

成り立ちから言うと、「一重に」と書きたいところですが、これは間違いです。

「偏」にも「ひとえに。もっぱら」という意味があり、こちらの字が正しい表記です。

ただし、「ひとえに」はひらがなで書かれることがほとんどです。

「偏に」と書いてもすんなり「ひとえに」と読める人は少ないでしょうから、ひらがなで書くことが一般的です。

「ひとえに」は古語では「ひとへに」となります。

これは古い言葉で、有名な『平家物語』にも登場します。

祗園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。

娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。

おごれる人も久しからず、唯春の夜の夢のごとし。

たけき者も遂にはほろびぬ、偏に風の前の塵に同じ。

「ただ春の夜の夢のごとし」ぐらいまでは暗唱できると言う人も多そうですが(笑)、「ひとえに(偏に)」はそのすぐ次に出てきますね。

「ひとえに~おかげ」の使い方

「ひとえに」は、「ひとえに~おかげです」といった使い方で、感謝の気持ちを表して使うことが多いです。

他には「ひとえに~の責任です」「ひとえに~のミスです」などとして謝罪の時に用いるなどの使い方も考えられます。

「ひとえに~のおかげ」は、例えば「これもひとえに皆様のおかげです」などという形になり、皆様のおかげで○○することができました、という感謝の言葉になります。

もちろんその後に「心より感謝いたします」「ありがとうございます」などの感謝の言葉も加えるとよいでしょう。

ただ「○○さまのおかげです」と言うよりも、「ひとえに」とつけることでより「○○さまが協力してくださったからこそです」「○○さまにこの上ない感謝の気持ちを持っています」という感謝を強調する効果もありますね。

友人などに向けて会話で使うには堅苦しすぎますが、目上の方や取引先、お客様などに向けて使えるかたい表現ですから、ビジネスシーンでは非常によく使われます。

【例文】

  1. 無事試験に合格できたのも、ひとえに先生のご指導のおかげです。
  2. ここまで来ることができたのも、ひとえに皆様のご支援のおかげと感謝しております。
  3. 今回のプロジェクト、成功はひとえに君のおかげだよ。
  4. 弊社がこれまでに発展できましたのも、ひとえに皆様方のご厚情のおかげでございます。心より御礼申し上げます。
  5. このような賞をいただくことができましたのも、ひとえに支えてくださったファンの皆様のおかげです。

「ひとえに~おかげ」の言い換え表現

「ひとえに~おかげ」の言い換え表現には次のようなものが考えられます。

  • お陰様で
  • ~のおかげで
  • ただただ~のおかげ

「お陰様で~できました」とか、「これもただただ~のおかげです」といった言い回しも感謝の意味で、普段からよく耳にする身近な言葉ですね。

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「ひとえに」の類義語

「ひとえに」の類義語には次のようなものがあります。

  • もっぱら(そのことばかり。いちずに)
  • 主に(大部分。中心になるところは)
  • ただただ(ただを強める語。ひたすら。もっぱら)
  • 他でもなく(大事なのはまさにこのことであって、他のことでなない)
  • ひたすらに(あることのみに集中して他に気を取られないこと。もっぱらそれだけを行うこと)
  • 全くもって(本当に。全く)

まとめ

「ひとえに〜おかげ」は、感謝を述べるときなどに使える言葉ですね。

目上の人や、お客様方などに向けてお礼を言ったり、挨拶状を送るときなどにも使えるいい表現です。

これまで使ったことがなかったというひともいるかもしれませんね。

ぜひ「ひとえに〜おかげ」という言葉を覚えて使ってみてはいかがでしょうか。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。
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