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「それでは本末転倒だ」
このような使い方をする「本末転倒」という言葉。
四字熟語の中でも比較的見聞きする機会が多い言葉ではないでしょうか。
意味も大体わかるという人が多そうですが、自信を持って使えるようになるためにも、詳しく由来や使い方についても知っておきませんか。
似たような使い方をする「元も子もない」との違いについても見ていきましょう。
今回は、「本末転倒」の意味を簡単に説明!「元も子もない」と使い方の違いは?についてご説明いたします!
「本末転倒」の意味
「本末転倒」は「物事の根本的なことと、そうでないことを取り違えること」という意味の四字熟語です。
「ほんまつてんとう」と読みます。
本来の肝心なことではなくて関係ないようなことが中心になってしまっているさまを表す言葉です。
例えば「学費を稼ぐためにアルバイトをしているのに、アルバイトばかりして学校を休みがちになる」
「大掃除のために戸棚から物を出したのに、出てきた写真を見るのに夢中になって余計散らかしてしまう」
といったところでしょうか。
日常生活の中でもこうした「本末転倒」な事態ってあるものですよね。
「本末転倒」の語源
「本末転倒」とは何かというと、
- 「本」は「本山」
- 「末」は「末寺」
を表します。
鎌倉時代に仏教の宗派の本山の寺院と末寺の立場が逆転してしまったことに由来する言葉なのです。
末寺の方が檀家を増やして豊かになり、本山よりも力を持つようになったということがあったわけです。
元々宗派の中心である本山と、その末端の寺院の立場が逆転するということから、「本末転倒」という言葉ができました。
「本末転倒」の使い方
「本末転倒」は大事なものをおろそかにして、大事ではないことに力を注いでしまったというときに使います。
また、何かをしたけれど逆効果だった、というときにも使います。
例文で「本末転倒」の意味や使い方を確認しておきましょう。
【例文】
- ダイエットのため水泳を始めたはずが、余計にお腹が減ってたくさん食べてしまうなんて本末転倒だ。
- 家族のために働いているのに、休日も仕事ばかりで家族との時間が取れないなんて本末転倒だ。
- 原価を安く抑えることばかり考えて、結果としていいものが作れなかったら売れないのだから本末転倒な話である。
「元も子もない」との違いは?
「本末転倒」と同じように使われる言葉に「元も子もない」があります。
同じように思えますが、実は使い方に違いがありますので確認しておきましょう。
「元も子もない」は「すべてを失ってなにもない」という意味です。
「元」は元金、「子」は利子のことで、投資をして利益を得るはずが、元金まで全てなくしてしまうことからできた言葉です。
無理をしたり欲ばったりして全てを失うことの例えとして用いられます。
つまり、どちらも何かをして「それじゃあダメだよ」というような時に使う言葉ではありますが、
「本末転倒」は「大事なこととそうでないことを取り違えること」
「元も子もない」は「すべてを失ってしまうこと」
という違いがあるのです。
「本末転倒」は逆の結果になってしまうこと、「元も子もない」は今までの努力が無駄になることというわけです。
例えば「ダイエットのため運動しているのに逆にお腹が空くからとたくさん食べている」のは「本末転倒」ですね。
ですが、「ダイエットを続けていたのに、ある日がまんできずたらふく食べてしまった」という場合は今までの苦労や努力が無駄になったわけですから「元も子もない」になるでしょう。
「元も子もない」の使い方もあげておきますので、「本末転倒」との違いを確かめましょう。
【「元も子もない」の例文】
- せっかくテスト勉強をしたのに、範囲を間違えていては元も子もない。
- 金庫に宝石をしまっていても、金庫ごと盗まれたのでは元も子もない。
- 無理をして働いて、体を壊しては元も子もない。
「本末転倒」の類義語・対義語
「本末転倒」の類義語には次のようなものがあります。
- 主客転倒(しゅかくてんとう)……物事の順序や立場が逆転すること
- 冠履顛倒(かんりてんとう)……地位や立場などの上下の順序が乱れること
- 舎本逐末(しゃほんちくまつ)……物事の根本をおろそかにして末節に心を配ること
- 釈根灌枝(しゃくこんかんし)……末節にこだわって物事の根本を忘れること
- 削足適履(さくそくてきり)……本末を取り違えて無理に物事を行うこと
難しい言葉が多いので、日常生活ではほとんど見かけないかもしれません。
ですが、似たような意味を表す四字熟語だけでも色々あるものですね。
「本末転倒」の対義語には次のようなものがあります。
- 首尾一貫(しゅびいっかん)……最初から最後まで一つの方針や態度で貫かれていること
- 終始一貫(しゅうしいっかん)……最初から最後まで変わらないこと
- 徹頭徹尾(てっとうてつび)……最初から最後まで。あくまで
- 初志貫徹(しょしかんてつ)……はじめに決めた志を最後まで持ち続けること
いずれも最初から最後まで大事なことを忘れない、ブレないといった意味合いで使える言葉です。
まとめ
「本末転倒」は大事なことをおろそかにして他のことを主にしてしまうさまを表す言葉でした。
四字熟語には戒めや教訓をうまくまとめたものが多いですよね。
ぜひ「本末転倒」なことにはならないように気をつけていきたいですね。
ぜひ参考になさってください。
最後までお読みくださりありがとうございました!