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よくお祭りなどで、被られているお面の一つに「ひょっとこ」があります。
流行りのアニメ「鬼滅の刃」の刀鍛冶も、ひょっとこのお面を身につけていますね。
日本に古くからある「ひょっとこ」は一体どのように生まれたものなのでしょうか。
由来や発祥の地、神様なのか・・・ひょっとこの秘密を一緒に調べていきましょう。
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ひょっとことは?
「ひょっとこ」とは、口をすぼめて曲げた様な表情をした男性で、その顔を模したお面のことです。
面白い表情をしているため、ひょっとこ面をつけておどけた仕草をすれば笑いが起こるような、ひょうきんな感じを想像してください。
「ひょっとこ」の語源は複数説ありますが有名なものは「火男」もしくは「非徳利」がなまったものと言われています。
竹筒でかまどの火を吹いている男性の顔ということで「火男」、徳利(とっくり)の様な口をしていることから「非徳利」が名前の由来であるとされています。
また「ひょっとこ」は別名「潮吹き(しおふき)」と呼ばれることもあります。
これは、バカガイ科の二枚貝であるシオフキガイが、海から上げると出水管を出して海水を噴き上げる様が似ているということからきていると言われています。
さらにひょっとこは、日本の文化的キャラクターとしての一面があります。
古来から祭礼や田楽などで演じられる時は面白い役、いわゆる「道化役」を担っており、ひょうきんな振る舞いをする仕草が振り付けに入っていることが多くあるのです。
こんなひょっとこのデザインのベースができてきたのは、室町時代頃からとされています。
室町時代は今で言う能楽である「猿楽」が確立された時代です。
ですから、ひょっとこのお面のデザインの由来は、猿楽に使われていたお面の「うそぶき」から由来していると言われています。
確かにひょっとこは、表情がうそぶきに似ています。
そして江戸時代になりますと、里や町で神楽が盛んに行われます。
これが人々に広まるきっかけとなり、今のデザインに落ち着いたと言われています。
ひょっとこの発祥の地は?神様・縁起物なの?
「ひょっとこ」の発祥の地というのは、はっきりとは分かりません。
しかし、昔からひょっとこを身近な存在とし「竈(かまど)の神」「火の神・風の神」「鍛治の神」として祀っている所は結構あります。
例えば、陸前地方(現代の宮崎県と岩手県の一部のこと)では、昔はかまどの近くの柱にはひょっとこの大きなお面をかけてお祀りするという風習があったのです。
生活インフラが整っている現代ですが昔はそんなものはありませんから、水を汲んで、かまどで火を起こして生活してた昔の人々は、「火」というものを恐れながらもとても大切にしていたのでしょうね。
このように、ひょっとこは地域によっては神様であり、また神事やお祭りに関係するものであり、時には笑いの種となり、人々に愛されてきた文化的な存在であると言えます。
- かまどに火を吹くその表情から「働き者」
- 笑いを誘うキャラクター性から「楽しいもの・陽気なもの」
という明るいイメージ性から縁起物として置物やお守りが販売されてもいます。
以下にひょっとこと関係する地域やお祭り、昔話をご紹介しておきますのでお時間のある方はぜひお読みください。
▪️宮崎県日向市・・・「ひょっとこ踊り」
「ひょっとこ踊り」発祥の地とされています。
ひょっとこ踊りは、明治末期に里神楽をルーツに考案されたものと言われており、現在は無形文化財に指定されています。
考案者は永田地区の眼科医である橘公行(たちばなきみゆき)で、永田地区の伝承や江戸の里神楽をヒントに、祝いの席での子孫繁栄や豊作を願う縁起物として青年たちに伝えたとされています。
現在、日向ひょっとこ夏祭りには日本全国から踊り手が集まり、大きなイベントとなっています。
▪️東北地方・・・・・・「ひょっとこの昔話」
東北地方のところどころに、ひょっとこが関係する様な描写のある昔話が複数存在します。
ここでご紹介するのは、岩手県のとある地方の昔話です。
『爺さまが芝刈り中に見つけた穴を塞ごうとしていたところ、穴から美女に呼ばれて奇妙な顔の子どもを預けられた。
子どもは臍から金を出すが、欲張りな婆さまが子どものヘソを火箸で突いてしまい、子どもは死んでしまう。
悲しむ爺さまの夢枕に子どもが立ち、「自分に似せた面をかまどの前にかけておくとまた富が得られる」と伝えた』
この昔話に登場するその子どもの名前が「ひょうとく」であり、それが「ひょっとこ」となったと言われているお話です。
東北地方のひょっとこ関連の昔話は、ストーリーや登場人物が違えど最終的には「かまど」が関係しており、神様のような感じで祀るという最後が共通しています。
まとめ
ひょっとこは、口をすぼめて曲げた様な表情をした男性で、その顔を模したお面です。
古くから祭礼や田楽で演じられることもある神聖なものでもあり、地方によっては竈(かまど)や火の神様としてお祀りされています。
またひょっとこは、ひょうきんで働き者、陽気なイメージがあり、時には縁起物としてグッズやお守りが販売されています。
ひょっとこは、日本の伝統的なキャラクター性を持つ文化的なものとして、現代も人々に受け入れ続けられているものなのですね。