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「インシデント」という言葉を聞いて、すぐに説明ができますか?
分かるようで分からない、しかも次々と登場していくIT用語。
新入社員や文系出身者、勉強し始めたばかり!という方にも分かりやすいように短めの説明にまとめました。
これで「インシデント?聞いたことはあるけどよく知らない」から卒業しましょう!
今回は、「インシデント」について解説したいと思います。
インシデントとは
もともとは、出来事、事件、付随するもの(こと)を意味する単語ですが、
事故などが発生する可能性があった出来事を言い、医療や鉄道・航空、情報セキュリティなどの分野で利用されています。
発生したインシデントを共有することで実際の事故が発生しないよう教育することができます。
重大インシデント
重大インシデントとは、インシデントの中で、事故が発生してしまった場合に被害が甚大なものを指し、国が認定をおこないます。
主に、旅客機や鉄道など多くの人に被害が及ぶ可能性がある場合や、個人情報の多量流出など社会的影響度が大きい場合に認定されます。
インシデントとアクシデントの違い
インシデントは「事件(ミス)」ですが、アクシデントは「事故」です。
事件(ミス)があったが、事故に至らなかったものをインシデントと呼び、事件(ミス)が事故に至った場合がアクシデントとなります。
インシデントとヒヤリハットの違い
同じような言葉に「ヒヤリハット」という言葉があります。
もともと、医療現場や製造業などで利用されていたことがですが、最近では、さまざまな業種で利用されています。
ヒヤリハットは、実際の作業中にヒヤリとしたり、ハッと気づいて事故や危険を回避した体験の事を言います。
いっけん「インシデント」と「ヒヤリハット」は同じ意味のように見えますが、正確には違います。
先述していますが、インシデントは、事故などが発生する可能性があった出来事をいい、実際には事故は起きていません。
無事だったような出来事を言いますので、ヒヤリハットも事故が発生していないという観点では同じですが、
ヒヤリハットは、事故に至る可能性があった出来事を発見していますが、
インシデントは、事故に至る可能性があった出来事そのものですので、発見していない出来事も含まれます。
インシデントの事例
インシデントは様々な分野で使われる単語ですが、それぞれの分野での事例をご説明します。
情報セキュリティ
情報セキュリティの分野でのインシデントは主に、不正アクセス、情報漏えい、データの改ざん、ウイルス感染などがあります。
例えば、ホームページで、資料の請求の為に登録された3万件以上の氏名、住所、年齢、メールアドレスなどの個人情報が流出したなどの事故があたります。
この事例の原因は、Webサーバの初歩的な設定ミスでしたが、他にもサーバの脆弱性などセキュリティホールをついて情報を盗まれる場合もあります。
この場合、事故が発生しているアクシデントとなりますが、インシデントとして共有されるべき内容は、
Webサーバの初歩的な設定ミスが発生している事象を指し、このインシデントに対して原因を分析し、共有することで類似のインシデントの予防を行うことができるのです。
鉄道・航空機
鉄道・航空機の分野では、運転・運行中に事故が発生する恐れが認められるものをインシデントと言います。
例えば、鉄道だと速度超過や信号機の誤認識などが当たります。
航空機の場合は、管制室からの指示と違う動作を行った場合など他の航空機との接触が考えられる事態をインシデントと呼びます。
医療
医療の現場では、薬を投薬する際の患者さんの取り違えや、薬の間違いなどがあります。
特に医療現場では、一つのミスが不足の事態につながりかねないため、インシデントをレポートとして共有しています。
ハインリッヒの法則
1件の重大事故(重傷以上)があれば、その背後に29件の軽度の事故があり、300件のインシデントが潜んでいる。
この経験則をハインリッヒの法則といいます。
この法則に基づいて、インシデントを管理・分析することで、予防可能な不安全行動や不安全状態をなくすことによって、重大事故のリスクを減少させることができるのです。