言葉の意味と使い方

「次年度」「次年度以降」とは?「来年度・翌年度」との違いや使い分けは?

「次年度の予算について」

「次年度以降に延期します」

この「次年度」とか「次年度以降」という言葉、ビジネスシーンやニュースでも非常によく使われていますよね。

ですが、「次年度」や「次年度以降」は具体的にいつのことなのかというと、迷ってしまう人も多いのではないでしょうか。

今回は、「次年度」「次年度以降」とは?「来年度・翌年度」との違いや使い分けは?についてご説明いたします!

「次年度」とは?

カレンダー

「次年度」は、「対象としている年度の、次の年度」という意味です。

「じねんど」と読みます。

「次」の「年度」と書きますから、そのままの意味ですね。

「年度」というのは一般的には4月1日~翌年3月31日を一年間とする区切りのことです。

ですから、「次年度」というのは大抵はそれを言っている時点の、次の年度のことを指します。

次の、4月1日~3月31日の年度のことというわけですね。

ちなみに、「次年度」のそのまた次の年度(次の次の年度)のことは

  • 次々年度
  • 翌々年度
  • 再来年度

といった表し方をします。

>>「本年度」と「今年度」の違いといつからいつまで?公用文ではどっちを使う?

「次年度以降」とは?

「次年度以降に実施します」などと言われた場合の、「次年度以降」とはいつのことになるのでしょうか。

「次年度」は次の4月1日~3月31日のことでしたね。

「以降」は、「それより後」という意味の言葉です。

「次年度以降」は、「次年度より後」という意味になります。

そして、「次年度以降」は「次年度」も含みます。

「以」は起点を示す語なので、「以降」はその時点も含んでそれより後を指すということになります。

「次年度以降に実施します」ということは、次年度か、あるいはもっと後の年度に実施されるということになるわけです。

ビジネスシーンでもよく使われる表現なので、「以降」の意味に気を付けて、よく理解しておきましょう。

「次年度」「次年度以降」の例文

次年度予算案を提出する。

次年度の年間行事予定表を作成する。

新型コロナ感染拡大を懸念して、月末に予定していたお祭りが次年度以降に延期されることになった。

初年度年会費無料、次年度以降は年会費が3,000円かかります。

「来年度・翌年度」との違いや使い分けは?

考える女性

「来年度・翌年度」との違い

「次年度」は次の年度のことですね。

似た言葉に「来年度」や「翌年度」があります。

いずれも次の年度のことを表しますので、同じに思えます。

これらの違いは次のように言えるでしょう。

  • 「次年度」は「基準となる年度のその次の年度」
  • 「来年度」は「現在の、次の年度」
  • 「翌年度」は「基準となる年度のその次の年度」

ということで、「来年度」は「今年度」の次、つまり今この時の次の4月1日からの年度のことを言います。

そして、あとの「次年度」「翌年度」というのは、基準となる年度の次の年度ということで、同じ意味と言えるでしょう。

「来年度・翌年度」との使い分け

実際は、「次年度」「翌年度」も、今の次の年度という意味で使われることが多いので、三つとも同じ意味になることが多いです。

ですが、「次年度」「翌年度」は、「ある年度の、その次の年度」ということです。

  • 初年度は年会費無料で、次年度からは毎年3,000円かかる。
  • 2002年度は売り上げが激減したが、翌年度には持ち直した。

このように、今の次の年度という意味ではなくても、ある年度を基準にしてその次の年度という意味で使えます。

「来年度」は今の年度の次の年度ということなので、このような使い方はできません。

「次年度」「来年度」「翌年度」は、いずれも「今現在の年度の、次の年度」という意味でビジネスシーンでも一般的にも使われています。

あまり誤解されることはないかもしれませんが、わかりやすくするためには「2023年度」「来年度(2023年度)」などと年を明記した方が安心でしょう。

同じように、

  • 「次々年度」「翌々年度」は「ある年度の、次の次の年度」
  • 「再来年度」は「今の年度の次の次の年度」

という意味になります。

これもビジネス文書などで記載する際には、「次々年度」などでは分かりにくかったり誤解を招いたりすることもあるかもしれません。

「2024年度」「令和6年度」など年を明記した方がよいでしょう。

まとめ

「次年度」は、「対象としている年度の、次の年度」という意味です。

大抵は今の時点を基準として、「次の4月1日から始まる年度」のことを指して「来年度」の意味で使われます。

「翌年度」も同じです。

ですが、今の時点を基準としない場合、一般的に「ある年度の、次の年度」という意味でも使いますので注意が必要です。

誤解を避けるために「2023年度」などの表記にするのもよいでしょう。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。
仕事ですぐ使える語彙力

【ベストセラー1位】

アマゾン語彙力本のなかで一番売れている本。
敬語でなんて返したらいいかの受け答えが書いているだけでなく、他の言い換え表現もいくつか載っているので読むだけでかなり語彙力アップが期待できます。30万部突破も納得の内容。

敬語の意味がしっかりと書かれていて、プラスワンの豆知識や類義語などもあるのでちゃんと理解して言葉を選べるようになります。
挨拶、メールなどビジネスシーンを網羅しているので、お得感のある一冊。

【博報堂スピーチライター】

言いたい事がちゃんと伝わらない、うまく言葉にできない!「何が言いたいのか分からない」と言われてしまった経験を持つ人も多くいます。
「自分の考えや気持ちを伝えるにはどんな表現、言い方をすれば伝わるのか」、思いを言葉にする方法を教えてくれる本です。

error: Content is protected !!