※当サイトではアフィリエイト広告を利用しています
「助長」という言葉は、悪い意味の言葉なのでしょうか。
ニュースの見出しなどでは「紛争を助長」「低迷を助長」「犯罪を助長」など、なんだか「悪いことをさらに悪くさせる」という悪い意味で使われていることが多いようですね。
「助長」という言葉の由来や詳しい使いかたを調べてみました。
今回は、「助長」は悪い意味?本来の意味と使い方や由来とは?|例文 についてご説明いたします!
「助長」は悪い意味?
「助長」は「助ける」と「長い」という字を書きます。
なので、「成長を助ける」という意味に思えますね。
実際、「成長を助ける」という意味で用いることもあります。
しかし、実は「助長」はもともとは悪い意味で使われていた言葉です。
本来は悪い意味だったが、今ではいい意味でも悪い意味でも使われている言葉なのです。
「助長」の意味
「助長」は「力を添えて、ある物事の成長や発展を助けること」「不必要な力添えをして、かえって害すること」という意味です。
「じょちょう」と読みます。
良い意味と、悪い意味との二つの意味があることがわかると思います。
- 力添えすることで、「成長や発展をさせる」という意味
- 力添えすることで、「かえって害になる」という意味
この二つの意味を持っていて、「助長」はいい意味でも悪い意味でも使えるのです。
「助長」の由来
「助長」の由来は、昔の中国の思想家・孟子の言行録である『孟子 公孫丑・上』の故事にあります。
「助長」は下記のような故事からできた言葉(故事成語)です。
宋の国のある人が、自分の畑の苗がなかなか成長しないので心配して、早く成長するようにと苗を引っぱった。
帰宅して、彼は家族に「苗が成長するように助けて伸ばした」と言った。
驚いた彼の子供が畑を見に行くと、苗は全て枯れてしまっていた。
良かれと思って苗を引き抜いてしまったことが、かえって苗をダメにしてしまったのですね。
このように、もともと「助長」は不必要な手助けをしてかえって害を与えるという悪い意味で使われた言葉だったのです。
「助長」の使い方
「助長」はもともとは悪い意味でしたので、今も
- 「不必要な力添えによってかえって害を与える」
- 「ある傾向を悪い方に著しくさせる」
といった悪い意味で使うことも多いです。
しかし、今では「手助けして伸ばす」「ある傾向を良い方に向かわせる」といったいい意味で使うことも多くなっています。
良い意味、悪い意味、どちらでも使えますので前後の文脈などから判断しましょう。
主に、「成長を助長する」「発展を助長する」「能力を助長する」などという場合はいい意味です。
「能力低下を助長する」とか「いじめを助長する」「犯罪を助長する」など悪い意味の時はネガティブな文脈で使われます。
- ある傾向を著しくさせる
- ある能力を伸ばしてやる
- ある雰囲気を高める
- 成長や発展を助ける
- 余計な手助けをする
このように良い意味、悪い意味両方で広く使える言葉です。
「助長」の例文
- 生活保護法は、困窮している人の最低限度の生活を保障し、自立を助長する目的で定められている。
- さまざまな取り組みにより、スマート農業技術の発展を助長する事業を行っている。
- 子供の心身発達を助長する目的で色々な習い事をさせている。
- テレビ番組での行き過ぎたタレントいじりは、いじめの助長につながる恐れがある。
- せがまれたらなんでも買ってやるというのは、こどものわがままを助長することだ。
- 青少年などのSNS中毒を助長しているとして、アメリカ大手IT企業が提訴された。
「助長」の類義語
「助長」の類義語には次のようなものがあります。
- 助成(事業や研究の完成を助けること)
- 育成(育て上げること)
- 促進(物事が早くはかどるようにうながすこと)
- 助力(手助け)
- 力添え(助力。援助)
- 加担(助けること。味方になること)
「助長」の対義語
「助長」の対義語には次のようなものがあります。
- 妨害(邪魔すること)
- 抑制(おさえとどめること)
- 防止(防ぎ止めること)
まとめ
「助長」は「力を添えて、ある物事の成長や発展を助けること」「不必要な力添えをして、かえって害すること」という意味です。
もともとは悪い方の意味で使われた言葉ですので、今も悪い意味で用いられることが多いです。
ですが、今ではいい意味で「成長などを助ける」という意味でも使われていますので、文脈から判断するようにしましょう。
最後までお読みくださりありがとうございました!