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「遊びにかまける」「忙しさにかまけて……」
このような言い回し、聞いたことがありませんか?
「かまける」という言葉、ちょっと意味がわかりにくいですよね。
なんとなくわかったつもりで聞き流している人も多いのではないでしょうか。
お年寄りが使っていそうな、方言のようなイメージもあります。
実際のところ、「かまける」とはどのような意味で、どのように使えば良いのでしょうか。
ぜひ確認しておきたいと思います。
今回は、「かまける」は方言?意味や語源と使い方!「忙しさにかまけて」とは?についてご説明いたします!
「かまける」の意味
「かまける」は「あることだけに気を取られて他のことをなおざりにする」という意味です。
他にも「心が動く、感心する」「愚痴を言う」というような意味もありますが、ほとんどの場合は最初の意味で使われています。
あることに手を取られて他のことができない。
一つのことだけに関わって、他のことを顧みる心の余裕がなくなる。
そのような状態のことをいいます。
また、「かまける」は漢字では「感ける」と書きます。
ひらがなで書かれていることがほとんどだお思いますが、たまに「感ける」と書かれていることもありますから、読み方も覚えておきましょう。
「かまける」は誤用されることも多い表現です。
「怠ける」という意味で「すっかりかまけてしまった」、「言い訳にする」という意味で「仕事にかまけてうまく誘いを断った」などと使われていることがありますが、これは間違いです。
あくまでも「あることだけに気を取られて他のことをなおざりにする」という意味ですので気をつけましょう。
「かまける」の語源
「かまける」は古い言葉で、万葉集の中にも「はしきやし翁の歌におほほしき九の児やらかまけて居らむ」という歌があります。
この「かまけて」は「心を引かれて、感心して」という意味で使われています。
「かまける」の語源については、「気負く」が変化したものであるという説があります。
気持ちが何かに引かれて感動する、という意味で使われていたのが転じて、気をとらわれて他のことをなおざりにするという意味になっていったものと思われます。
「かまける」は方言?
さて、この「かまける」ですが、方言ではないかと言われることもあります。
確かになんとなく「かまける」という響きが、いかにも方言にありそうな、懐かしい感じがしますよね。
確かに、長野県や岐阜県のあたりでは、お年寄りなどが方言として「かまける」を使うことがあるようです。
意味は「愚痴を言う」という意味であったり、「何事かに夢中になって(他のことをやらない)」という意味であったりします。
ですが、「かまける」という言葉自体は国語辞典などにも載っている一般的な言葉であり、標準語です。
若い人は使わない言葉かもしれませんが、堂々と使っても問題ありません。
「かまける」の使い方
「かまける」は「あることに気を取られて他のことをなおざりにする」という意味です。
ですから、いい意味ではなく、何かに気を取られてしまって、他のやるべきことをさぼっているというような、良くない意味で使われます。
例文で使い方を確認しておきましょう。
【例文】
- 遊びにかまけてテスト勉強がおろそかになる。
- 今はそのような娯楽にかまけている場合ではない。
- 猫の世話にかまけて、自分の準備が全くできていなかった。
「忙しさにかまけて」とは?
「かまける」は、よく「忙しさにかまけて」という使われ方をします。
例えば「忙しさにかまけて(あることが)できなかった」と言えば、忙しくてできなかったんだな、とわかると思います。
「忙しさにかまけて」の類語には次のようなものがあります。
- 忙しさに取り紛れて
- 忙しさに振り回されて
- 立て込んでいて
- バタバタしていて
「かまける」は「あることだけに気を取られて……」という意味です。
「遊びにかまける」は「遊びだけに気をとられる」、「猫の世話にかまける」は「猫の世話だけに気をとられる」ということになりますね。
ということは、「忙しさにかまける」は「忙しさだけに気をとられる」ということになり、少しおかしな感じがするかもしれません。
ですが、「忙しさにかまける」は一般的に使われている表現であり、誤用ではありません。
「忙しさにかまける」については、これでひとまとまりの言葉であると考え、「忙しくて物事がおろそかになる」という意味であると覚えておくのがよいでしょう。
まとめ
「かまける」は、現在では「かまけて〜できない」というように、否定的な内容を伴って使われることが多い言葉です。
あまり「かまける」のはいいことではありませんが、こうした少し古めかしい言葉も意味を正しく知って使いこなせるとよいですね。
最後までお読みくださりありがとうございました!