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「寒の雨」という季語をご存じでしょうか。
様々な美しい表現が特徴的ですが今回はその中の1つ「寒の雨」について解説していきます。
「寒の雨」について基本的な意味や読み方はもちろん、いつの季語なの?「寒九の雨」との違いは?といった疑問にもお答えしていきます。
「寒の雨」を使った俳句もご紹介いたします。
「寒の雨」の意味と読み方
「寒の雨」とは、暦の目安である二十四節気の「小寒」から「大寒」までの「寒の内」と呼ばれる時期に降る雨を指す言葉です。
1年で最も冷え込みが厳しくなる時期であり、この時期に降る雨はとても冷たく、さらに気温が下がってしまえば雪に変化するというような雨です。
読み方は「かんのあめ」です。
「さむのあめ」「かんのう」などではありませんので覚える際はお気を付けください。
「寒の雨」はいつの季語?
「寒の雨」は俳句を作るうえで「冬」の季語となっています。
冬を3つに分けた内の「終わり頃」を指す「晩冬」の季語です。
子季語には「寒九の雨」があります。
「寒の雨」と「寒九の雨」の違い
「寒の雨」と「寒九の雨」は似たような漢字が使われているので混同されてしまいがちですが、実はその雨の降る時期に違いがあります。
「寒の雨」は「寒の内に降る雨」という意味ですが、「寒九の雨」は1月5日前後の寒の入りから数えて9日目に降る雨を指しています。
この9日目に雨が降るとその年の作物が豊作となると言われており、冬の雨の中でも特に喜ばれているんですよ。
「寒の雨」は約1か月間の間に降る雨であり、「寒九の雨」は寒の入りからちょうど9日目の日にピンポイントで降る雨を意味しているんですね。
合わせて読みたい▽
>>「寒九の雨」の意味や降り方は?いつの季語?俳句も紹介
「寒の雨」を使った俳句
雁さわぐ鳥羽の田面や寒の雨
(かりさわぐ とばのたづらや かんのあめ)
松尾芭蕉
うしみつや音に出でたる寒の雨
(うしみつや おとにいでたる かんのあめ)
日野草城
ぎつしりと金看板や寒の雨
(ぎっしりと きんかんばんや かんのあめ)
川端茅舎
湯ぼてりの人とゆきあふ寒の雨
(ゆぼてりの ひととゆきあう かんのあめ)
桂 信子
まとめ
季語は俳句だだけではなく、手紙やビジネス文書などの時候の挨拶でも多く使われており数多く覚えて損はありません。
春夏秋冬、日本を美しく彩る四季ならではの情景を繊細かつとても美しく表現した言葉ばかりなので眺めているだけでもとても楽しいんですよ。
季語と実際の景色を見比べる、などという楽しみ方も面白いですね。
日本にしかない「季語」という言葉で季節の移り変わりをより詳しく感じてみてはいかがでしょうか。