言葉の意味と使い方

「感心する」の意味は?目上の人に「感心しました」はNG?言い換えは?

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何かに心を動かされ、すごいな~と思った時、何と言いますか?

「感心しちゃう!」 「感動した!」 「すごい!」 「感激!」

口語的にはいろいろあると思いますが、「感心した・感心する」というのが一般的でしょうか。

でも、この「感心する」という言葉、実は目上の人に使うのは失礼だと言われているんです。

特に悪い言葉ではなさそうなのに、どうしてでしょうか。

今回は、「感心する」の意味は?目上の人に「感心しました」はNG?言い換えは?についてご説明いたします!

「感心する」の意味

まずは「感心する」の意味を調べてみましょう。

「感心」は、普通は「心を動かされる」という意味で使うことがほとんどかと思います。

でも、実は他の意味もあるんです。

  1. 立派な行為や、優れた技量に深く感じて心を動かされること。
  2. (逆説的に用いて)驚きあきれること。

どうでしょうか。

1の意味は、例えば「あの人の行為に感心した」「流暢な英語に感心する」などと使えます。

「心」に「感じる」という字のままに、心を動かされている意味ですね。

対して2の意味は、少しバカにしたり皮肉を言ったりする感じです。

「君の無神経さにはほとほと感心するよ」「馬鹿さ加減に感心する」といった具合に使えます。

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目上の人に使える?

では、「感心」は目上の人に使える言葉なのでしょうか。

上司やお客様、目上の方に「感心しました」と言っていいのでしょうか。

結論としては、「感心しました」は目上の人に使わないほうがいい言葉です。

確かに、辞書の定義では「立派な行為や、優れた技量に深く感じて心を動かされること。」とありますので、その意味で使う分には問題ないように思えます。

しかし、この「感心する」という言葉は、普通目下、もしくは同等の者に対して使う言葉であるとされているのです。

「心を動かされた」というだけでなく、少し「相手を素晴らしいと評価する」というニュアンスが含まれるんですね。

ですので、例えば上司が部下に「君の真面目な勤務態度には感心したよ」と言うのは問題ありません。

しかし、部下が上司に「部長の先ほどのご判断に感心しました」などと言うのは失礼にあたるのです。

部下が部長を評価して褒めている、というニュアンスになってしまうんですね。

日本語には、目上が目下に使う言葉、目下が目上に使う言葉など、微妙なニュアンスや使い方の決まりがあります。

辞書的には問題がなさそうに思えても、このような場合は目上の人に使うには不適切ということです。

もちろん2の意味で受け取られるという危険もあります。

例えば「部長の真面目さには感心しました」と言うと、状況によっては「私が真面目すぎるからとバカにしているんだな」ととられて怒られてしまうかもしれません。

「感心しました」の言い換え

では、目上の方に「感心しました」と言いたい時は、どのような表現が適切なのでしょうか。

同じ「深く感じ、心を動かされる」という意味で「感動」「感銘」「敬服」「感服」などの言葉が考えられます。

それぞれの意味や使い方を簡単にご説明いたします。

「感動」は「物に深く感じて心を動かすこと」です。

「感銘」は「深く感動し、忘れないこと」です。

「感銘を受ける」と使います。

「感銘しました」とは言いませんので気をつけてくださいね。

敬服」は「敬って従うこと、心から敬うこと」です。

感服」は「感心して敬服すること」です。

また、このような熟語を使わなくても「尊敬しています」「素晴らしいですね」というような平易な言い回しで「感心しました」を伝えてもいいですね。

【例文】

  1. 部長の素晴らしいテクニックに感動いたしました
  2. 部長の営業スキルには感銘を受けました
  3. 部長の仕事への姿勢にはいつもながら敬服いたします
  4. 部長の鮮やかなご決断には感服いたしました
  5. 部長の〜なところを尊敬しています
  6. 部長のスイングは素晴らしいですね

 

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まとめ

「感心しました」

これは、決して悪い言葉ではありません。

むしろ「心を動かされ、尊敬の念を抱いた」というようないい意味の言葉ですよね。

でも、使い方や使う場面によっては相手に違和感や不快感を与えてしまうかもしれないんですね。

せっかくの「感心」、場面に適した言葉でうまく表現して伝えたいですね。

ぜひ参考にしてみてください。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。
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