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「科料・過料・罰金」は、いずれも何かの罰として払わされるお金について使います。
「罰金」はこの中では比較的日常的に使う言葉でしょう。
あとの「科料」や「過料」は馴染みがないという人も多そうですが、ニュースなどではしばしば使われている言葉です。
「科料・過料・罰金」はどのようなものか、どう違うのか。
詳しく調べてみました。
今回は、「科料・過料・罰金」の違いは?意味と使い方を解説!【例文つき】についてご説明いたします!
「科料・過料・罰金」の違いは?
「科料・過料・罰金」の違いは、まとめると次のようになります。
- 「科料」は「軽い犯罪に対して課される財産刑」
- 「過料」は「国や地方公共団体などが少額の金銭を徴収する罰則」
- 「罰金」は「罰として取り立てる金銭。科料よりも重い財産刑」
それぞれの言葉について、詳しく見ていきましょう。
「科料」の意味
「科料」は、「刑罰として、ある金額を取り立てるもの」という意味です。
「かりょう」と読みます。
「過料」と区別するため「とがりょう」と読まれることもあります。
簡単にいうと、犯罪を犯した人からお金をとるという刑罰です。
「科料」は軽い犯罪に対して科される罰で、現行刑法では1000円以上1万円未満と定められています。
日本の現行刑法における主刑の中ではもっとも軽いもので、お金を払うと言っても1万円に満たないわけですから、軽い犯罪であることがわかりますね。
「科料」が科される犯罪の内容は様々で、暴行罪や侮辱罪、道路交通法、軽犯罪法などに関して、罪の重さによって「科料」が科されることがあります。
金額は少なく、軽い犯罪に対するものですが、「科料」は犯罪に対する刑罰です。
「過料」の意味
「過料」は「行政上の義務違反に対する罰則」です。
「かりょう」と読みます。
「科料」との区別のため「あやまちりょう」と読まれることもあります。
これは、金銭を徴収されるものですが、刑事罰ではありません。
前科もつきません。
行政法規上の義務違反に対して国や地方公共団体が少額の金銭を徴収するという罰則です。
ゴミのポイ捨てや路上喫煙禁止の条例に違反した場合に○円以下の「過料」を科す、などというのがよくある例です。
近頃では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止にむけた地方の条例が多く定められています。
その中でも、感染の疑いがある人が正当な理由なく検査命令を拒んだ場合、5万円以下の「過料」を科す、などとされていることがあります。
「過料」は、このように犯罪を犯した人への刑事罰ではないですが、行政上の義務違反をした人への金銭的な罰則であるということです。
「罰金」の意味
「罰金」は「犯罪の処罰として課せられる金銭」です。
「ばっきん」と読みます。
単に「罰として出させるお金」という意味もあり、子供同士や友人同士などで「約束を破ったら罰金だぞ!」などと使うこともありますので、身近な言葉ですよね。
刑法に関していうと、犯罪に対する刑の一つで、「科料」よりも重い財産刑です。
「罰金」の金額はもちろん犯した犯罪によって違いますが、1万円以上と定められています。
暴行、傷害、窃盗、器物破損など様々な犯罪に対して「罰金」が定められており、ニュースやドラマなどでもよく「○年以下の懲役または○万円以下の罰金が定められている」などと聞きますよね。
「罰金」は、このように犯罪を犯した人への刑事罰で、科料よりも重いものです。
「科料・過料・罰金」の違いと使い方
もういちど「科料・過料・罰金」の違いをまとめると
- 「科料」は「軽い犯罪に対して科される財産刑」
- 「過料」は「行政上の違反に対する金銭的な罰則」
- 「罰金」は「科料よりも重い、犯罪に対して科される財産刑」
です。
「科料」と「罰金」が刑事罰で前科がつく、「過料」は行政罰で前科はつかないということになります。
それぞれの使い方は「~を科す」「~を言い渡す」「~を払う」「~を納入する」などの言い回しで使います。
いずれも、何か違反や犯罪をしてしまって罰としてお金を払うということなので、いいことではないのはわかりますね。
【例文】
- 科料を納付しない場合は、刑務所に留置されて労働することが課される。
- この市では路上喫煙に対して高額の過料が設定されている。
- 産業廃棄物を不法投棄した企業に、罰金500万円の判決が出た。
「科料・過料・罰金」の類義語
「科料・過料・罰金」の他の類義語には次のようなものがあります。
- 納金(金銭をおさめること。またその金銭)
- 課税(税をわりあてること。またその税)
- 財産刑(罰金・科料・没収など財産を徴収する刑)
- ペナルティー(罰則。罰金)
- 反則金(交通違反などの反則をしたものに罰として課せられる金)
「科料・過料・罰金」の対義語
「罰金」の対義語には次のようなものがあります。
- 賞金(賞として与えられる金銭)
- 報酬(労働や仕事に対する謝礼の金銭)
- 賞与(固定の給与に加えて払われる給与)
- 報奨(勤労や努力に対して奨励の意味で与えられる金品)
まとめ
「科料・過料・罰金」は、罰としてお金を徴収されるという意味では同じでした。
ですが、それぞれ「軽微な犯罪に対して課される金銭罰」「行政上の義務違反に対するペナルティー」「より重い犯罪に対して課される金銭罰」という違いがありましたね。
いずれにしても払うような事態にはなりたくないものという意味では共通していますが(笑)、しっかり区別しておくと、ニュースなども理解しやすくなるでしょう。
最後までお読みくださりありがとうございました!