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日本語には、似ている言葉が沢山ありますよね。
特に、熟語は漢字の意味も似ていて、どう使い分ければ良いのか悩むことも多々あると思います。
「懸念」と「危惧」という言葉は仕事や新聞、本の中でもよく目にしますよね。
どちらも「心配」や「不安」を表している言葉ですよね。
でも、「懸念」と「危惧」は、どう使い分ければ良いのでしょうか?
今回は「懸念」と「危惧」の違いは?意味と使い分け方!についてご説明致します!
「懸念」の意味
「懸念(けねん)」は「気にかかって不安に思う事」という意味です。
「懸念」の「懸」という漢字は「ひっかける・託す」などの意味があります。
つまり、「念」=「心」にひっかかるという事から、「気にかかって不安に思う事」という意味になったようです。
「行方不明者の安否が懸念されている」
また、
「強い懸念を抱く」
というふうに使われます。
似た言葉で「懸想(けそう)」があります。
「懸念」と似ていますが、意味はだいぶ異なります。
「想いを懸けている」という事から、恋い慕う事を表しています。
【例文】
- アレルギーの薬は、眠気などの副作用が懸念されている。
- マイナンバー制度は、プライバシー保護が不十分だと懸念されている。
- 都会に比べて、地方では継続して人材不足が懸念されている。
- ゆとり教育は、子どもの学力低下が懸念されていた。
「危惧」の意味
「危惧(きぐ)」の「惧」は、「心配を懼(おそ)れる」という意味の「懼」の俗字です。
「危」は「あぶない」という意味ですから、「危惧(きぐ)」は、「あやぶみ、おそれること」という意味になります。
「杞憂(きゆう)」という言葉を聞いた事がありますか?
「危惧」と似ていますが、「杞憂」は「心配する必要のないことをあれこれ心配すること。取り越し苦労」という意味があります。
「杞憂」の語源は、中国古代の杞の人が天が崩れ落ちてきはしないかと心配したという故事から来ています。
混同しないように注意しましょう。
【例文】
- 地球温暖化の影響により、危機的状況が危惧されている。
- 絶滅が危惧されている動植物を保護した。
- 現在でも、戦争における化学兵器を使ったテロが危惧されている。
- 高層マンションの経年劣化が危惧されていた。
「懸念」と「危惧」の使い分け方
「懸念」と「危惧」の違いは何でしょうか?
「懸念」と「危惧」は、「ある事を心配する」という意味で、ほぼ同じ意味と考えて良いでしょう。
しかし、細かい違いを考えてみると、心配する対象が少しずつ異なっている事が分かります。
懸念
「懸念」が心配している物は、「危惧」で心配している物よりももっと漠然であると言えます。
「懸念材料」という言葉があります。
これは「気がかりで心が落ち着かない心境にさせている原因となる物事」という意味です。
「危惧」と比べると「漠然としていて、何だか不安」というのが「懸念」が指しているものなんですね。
危惧
逆に、「危惧」が指しているのは、よりハッキリとした物になります。
例えば、「絶滅危惧種」という言葉があります。
これは、「絶滅」という明確な危険が「遅かれ早かれ訪れる事」を恐れている事を表しています。
「絶滅懸念種」とは言いませんよね。
また、「懸念」は、心配していることが起きる事によって、さらに大きな事態が起こることを恐れているという傾向があると言えます。
それに比べて、「危惧」は、心配している事、それ自体を恐れて、起きないようにしたいという思いがあると言えます。
危険度で言うと、「懸念」<「危惧」という事になりますね。
かなりややこしいですが、上手く使い分けていきたいですね。
【類語】
- 憂慮
- 憂虞
- 憂懼
- 疑惧
- 心配
- 不安
- 気がかり
まとめ
いかがでしたか?
「懸念」と「危惧」。
どちらも似た言葉ですが、少しずつ違いがありましたね。
ハッキリとした使い分けはされていませんが、ニュアンスで使い分けていく必要があります。
新聞や本をよく読んでいると、「懸念」と「危惧」の使われ方がもっと明確になってくると思います。
正しい意味を知って、ちゃんと使い分けれるようになりたいですね。
宜しければ参考にしてみてください。