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「けんもほろろに断られたよ」
ビジネスシーンでも、たまにこの「けんもほろろ」という言葉を聞くことがあります。
「けんもほろろ」、不思議な言葉ですよね。
意味を知っている人はそのまま丸覚えで使っていると思いますが、なぜ「けんもほろろ」と言うのか、改めて調べてみたことのある人は少ないのではないでしょうか。
「剣」?「券」?「ほろろ」とは?
この機会にぜひ調べてみましょう。
今回は、「けんもほろろ」の意味や使い方と語源とは?【類義語・例文つき】についてご説明いたします!
「けんもほろろ」の意味
「けんもほろろ」とは、「人の頼み、相談などを無愛想に拒絶するさま」を表す言葉です。
「けんもほろろ」という言葉の音からはちょっと想像しにくいですね。
人に何か頼まれたり、相談をされたりしても全く取り合わずにはねつけるさまを表す言葉なんです。
「けんもほろろ」の使い方
「けんもほろろ」は形容動詞として、「けんもほろろに」「けんもほろろな」などの形で使います。
人の頼みや相談などを取りつくしまもなく拒絶するさまを表しますので、「けんもほろろな態度」「けんもほろろな答え」「けんもほろろに断る」などと使い、かなり冷淡な態度を表します。
「けんもほろろ」の例文
- 取引先に値下げ交渉をしたが、けんもほろろに断られてしまった。
- 彼には全くその気がないようだから、けんもほろろな答えしか返ってこないだろう。
- 張り切って部長に企画を出したが、けんもほろろに却下された。
「けんもほろろ」の語源
「けんもほろろ」とはそもそもどういう意味なのでしょうか。
この「けんもほろろ」はキジの鳴き声からできた言葉なのです。
キジ?!とびっくりしてしまいますよね(笑)。
犬の「ワン」、猫の「ニャー」みたいなもので、「けん」はキジの鳴き声を文字にしたものです。
『桃太郎』の絵本などでもキジの鳴き声を「ケーン」などと書いてあるものもあります。
「ほろろ」もキジの鳴き声や羽音を表した語です。
古今和歌集にも「春の野のしげき草葉の妻恋ひに飛び立つきじのほろろとぞ鳴く」という歌があります。
もともと、つっけんどんな様を表す「けんけんと」という言葉がありました。
また「慳貪(けんどん。荒っぽい、つっけんどんの意)」や「けんつく(とげとげしい言い方をすること)」の「けん」であるとも言われていますが、
それとキジの鳴き声の「けん」を掛け、さらに語呂が良くなるように「ほろろ」をつけたと言われています。
キジという鳥が無愛想なのかどうかはわかりませんが(笑)、「けんけん」と泣きながら「ほろろ」と羽音を立てて飛び去ってしまうようなイメージからきているようですね。
「けんもほろろ」の類義語
「けんもほろろ」の類義語には次のようなものがあります。
- 無愛想(そっけなくつっけんどんなこと)
- そっけない(思いやりがない、返事などが冷たく簡単であるさま)
- にべもない(愛想がない、そっけない)
- つっけんどん(態度や言葉がとげとげしていて不親切なさま)
- つれない(冷たく無関心なさま)
- 冷淡(思いやりがないこと)
- 取りつく島もない(相手がつっけんどんで話を進めるきっかけが見つからない)
つっけんどんであるさま、冷たい様子を表す言葉は他にもいろいろありますね。
「けんもほろろ」の対義語
「けんもほろろ」の決まった対義語というのは特にありません。
- 温厚
- 親切
- 愛想がある(愛想よく対応する)
- 暖かく受け入れる
といった言葉を使って反対の意味を表すとよいでしょう。
まとめ
「けんもほろろ」はキジの鳴き声や羽音からできた言葉だったんですね!
現代ではなかなかキジを見る機会もないですから、ちょっと意外に感じますよね。
「けんもほろろ」という言葉自体は、やや古めかしい印象ですが、現代でもビジネスシーンで、ニュースや新聞で、本の中で……と、いろいろなところで見聞きする言葉です。
ぜひ正しい意味を理解しておきましょう。
最後までお読みくださりありがとうございました!