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「菊日和」という季語をご存じでしょうか。
様々な美しい表現が特徴的ですが今回はその中の1つ「菊日和」について解説していきます。
「菊日和」について基本的な意味や読み方はもちろん、いつの季語なの?といった疑問にもお答えしていきます。
「菊日和」を使った俳句もご紹介いたします。
「菊日和」の意味と読み方
「菊日和」とは、秋の空模様を指す言葉の1つです。
読み方は「きくびより」です。
菊の花が見ごろとなる11月頃にすっきりと晴れ渡り、まるで菊の花の香りがあちらこちらに染み込むように感じられる1日を指しています
暑くもなく寒くもない気温であり、空はどこまでも高く感じられるほど澄んでいる。
そんなまさに秋といった風情をしっかりと感じることの出来る秋晴れの日の1つが「菊日和」なんですね。
「菊日和」はいつの季語?
「菊日和」は俳句を作るうえで「秋」の季語となっています。
秋全体を通して使えるのではなく、秋の半ば頃である「仲秋」を俳句上で表現する場合に使える「仲秋」の季語です。
「菊日和」と「花日和」の違い
どちらも花を愛でるのにぴったりの心地よい晴れの日を指す言葉ですが、実は「菊日和」と「花日和」にはその意味に大きな違いがあります。
「菊日和」が菊の花が咲き誇る時期の言葉なのに対して、「花日和」は桜の花が咲きお花見をするのにぴったりな時期に使う言葉です。
また、「菊日和」は季語ですが「花日和」は季語ではありません。
春らしい1日という意味では「春日和」という言葉が季語となっています。
「菊日和」を使った俳句
我のみの菊日和とはゆめ思はじ
(われのみの きくびよりとは ゆめおもわじ)
高浜虚子
割れし石いつまで尖る菊日和
(われしいし いつまでとがる きくびより)
中村草田男
ロートレツク見し目を解きて菊日和
(ろーとれっく みしめをときて きくびより)
稲畑汀子
わが為の菊日和とも思はるゝ
(わがための きくびよりとも おもわるる)
高浜年尾
まとめ
季語は俳句だだけではなく、手紙やビジネス文書などの時候の挨拶でも多く使われており数多く覚えて損はありません。
春夏秋冬、日本を美しく彩る四季ならではの情景を繊細かつとても美しく表現した言葉ばかりなので眺めているだけでもとても楽しいんですよ。
季語と実際の景色を見比べる、などという楽しみ方も面白いですね。
日本にしかない「季語」という言葉で季節の移り変わりをより詳しく感じてみてはいかがでしょうか。