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「忌憚」の意味と使い方!「忌憚のない意見」とは?【類語・例文つき】

「忌憚」の意味と使い方!「忌憚のない意見」とは?【類語・例文つき】

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「忌憚(きたん)のない意見を述べてほしい」

ビジネスシーンでもよく使われる表現です。

ですが、「忌憚」はあまり仕事の場を離れて日常で使うことのない言葉です。

「忌憚」の意味がわからないと、上司などから冒頭のように言われても、どんな意見を述べればいいのか困ってしまいますよね。

この機会に正しく「忌憚」の意味や使い方を知り、「忌憚のない意見」とはどんな意見なのか確認しておきましょう。

今回は、「忌憚」の意味と使い方!「忌憚のない意見」とは?【類語・例文つき】についてご説明いたします!

「忌憚」の意味

「忌憚(きたん)」は「忌みはばかること。きらい嫌がること」「遠慮すること」という意味です。

どちらもなんだかネガティブな意味ですね。

ビジネスシーンで「忌憚のない意見を…」などと使うのは、二番目の「遠慮すること」という意味になります。

「忌」は「忌む(いむ)」「忌々しい(いまいましい)」などと使う漢字で、「避ける」意味です。

「憚」は「憚る(はばかる)」という漢字で、「遠慮する、気兼ねする、ためらう」などの意味があります。

ゆえに「忌憚」は「遠慮して避けること」という意味になります。

ビジネスシーンで「忌憚」と出てきた場合は、「相手に遠慮してある話題などをあえて避ける」というような意味になります。

「忌憚」の使い方

「忌憚」は「遠慮して避けること」でした。

ですが、「忌憚してくれ」「忌憚を頼む」などとは使いません。

基本的に「忌憚」は否定の語を伴って使われます。

「忌憚なく」「忌憚のない」などの形です。

それによって「遠慮して避けることなく……」「遠慮して避けたりしない……」という意味を表します。

【例文】

  1. 忌憚なく話してほしい。
  2. どうぞ忌憚のないご意見を。
  3. その思想について忌憚なく意見を述べた。
  4. 忌憚なく言えば、この作品は過去の名作には到底及ばないだろう。

目上の人に「忌憚なく」話すときには注意しましょう。

自分から「忌憚なく話します」などというのは言葉の意味からしても「遠慮しませんよ」と宣言していることになり、失礼な感じがしますね。

「ご気分を害されるかもしれませんが……」「恐縮ですが……」など、前後でしっかりと失礼なことは承知していますが、という気持ちを丁寧に表すようにしたほうがよいでしょう。

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「忌憚のない意見」とは?

「忌憚」はよく「忌憚のない意見」として使われます。

「忌憚のない意見を述べてほしい」「忌憚のない意見をお聞かせください」などです。

「忌憚」の意味がわかりましたので、「忌憚のない意見」も「遠慮して避けることのない意見」という意味であることはわかりますね。

相手に遠慮しないで、言いにくいことも言うような率直な意見ということです。

例えば何かの会見や説明会などで「忌憚のないご意見をお待ちしています」と言う場合は、賛成意見だけでなく反対意見や悪い点を指摘する意見などにも耳を傾けますよ、という心の広さ、聞く耳を持っている様子を表現することができます。

また、目上の人に向かって「忌憚のないご意見をお聞かせください」という場合は、相手の意見を聞いて勉強させていただく、というような謙虚な姿勢を表現できます。

ビジネスシーンにおいてとても便利な表現ですね。

【例文】

  1. 忌憚のないご意見をお聞かせください。
  2. ご忌憚のないお言葉を頂きたく思っております。
  3. 忌憚のない意見を交換してほしい。
  4. 忌憚のない意見を述べてくれ。

「忌憚」の類語

「忌憚」に似た言葉には「遠慮」があります。

「忌憚のない」は「遠慮のない」ということになります。

また、「忌憚のない」「忌憚なく」という表現に似た表現としては

  • 遠慮のない
  • 率直な
  • 包み隠しのない
  • 腹を割って
  • 歯に衣着せない
  • ぶっちゃけた

などがあります。

ただし、「遠慮のない」以外の語は「何かを隠したりせず正直に話す」ことを表しています。

しかし「忌憚のない」は「意見をいうことに対して遠慮しないで話す」という意味になります。

似ているようで少しニュアンスの違いがありますね。

時と場合に応じて使い分けられるとよいでしょう。

まとめ

「忌憚」はビジネスシーンでよく使われる言葉でした。

前後の文脈や言葉遣いで失礼にならないよう気をつける必要はありますが、正直に遠慮せず何事かを述べてほしいときなどにはとても便利な表現です。

ぜひ適切な場面で使っていきましょう。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。
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