※当サイトではアフィリエイト広告を利用しています
「刻苦」という言葉は日常会話ではあまり使わない、少し難しい言葉ですね。
古めかしいイメージで、偉い人の演説とか、文学作品の中なんかで使われるような言葉です。
ビジネスシーンでも、改まった場で出てくる可能性もありますのでこの機会に意味や使い方を確認しておきましょう。
今回は、「刻苦」の意味と使い方!「刻苦勉励」「刻苦をいとう怠慢」とは?についてご説明いたします!
「刻苦」の意味
「刻苦」は「心身を苦しめて励み努めること」という意味です。
「こっく」と読みます。
「苦労」「苦しみ」を「刻む」と書きますよね。
自分の身を「刻む」ような「苦労」、つまり勉学や仕事などの目的に、非常に骨折ってつとめ励むという意味なのです。
「刻苦」の使い方
「刻苦」は非常に苦労して励み努めるという意味です。
「刻苦する」という形で、また「刻苦」という名詞としても使います。
例文で使い方を確認しておきましょう。
「刻苦」の例文
- 彼女は刻苦して勉学に励んだ。
- 彼は刻苦して訓練に励み、今の地位に上り詰めた。
- 刻苦の末にやっと結果を出すことができた。
- その刻苦は決して無駄なものではなかった。
「刻苦勉励」「刻苦をいとう怠慢」ってどういうこと?
「刻苦」は「刻苦勉励」という四字熟語の形で使われることも多い言葉です。
また、中島敦の『山月記』には「刻苦をいとう怠慢」という表現が出てきます。
「刻苦」の意味がわかればなんとなくわかるかもしれませんが、「刻苦」の使い方の代表的な例としてそれぞれ見ていきましょう。
「刻苦勉励」とは
「刻苦勉励」は「心身を苦しめて仕事や勉学に励むこと」という意味です。
「こっくべんれい」と読みます。
心身を苦しめるほどの、大変な苦労をして仕事や勉学に努力するということですね。
ビジネスシーンでも、訓示、スピーチといった場面でよく使われる言葉です。
同じような四字熟語に「刻苦精励」もあります。
【例文】
- 刻苦勉励し、やっとのことで最難関校に合格することができた。
- これまで刻苦勉励してきた成果が出た。
- 私の座右の銘は「刻苦勉励」だ。
- これからも刻苦勉励し、さらなる知識の獲得に挑みたい。
「刻苦をいとう怠慢」とは(山月記より)
「刻苦をいとう怠惰」ですから、「刻苦」を嫌がって避ける、なまけてだらしないさま」となります。
中島敦の短編小説『山月記』は、一度は国語の教科書などで読んだことがある人が多いのではないでしょうか。
李徴という青年が詩人になろうとして挫折し、虎になってしまうんですよね。
その『山月記』の中にも「刻苦」は出てきます。
「才能の不足を暴露するかも知れないとの卑怯な危惧と、刻苦を厭う怠惰とが己の凡てだったのだ。」(「青空文庫」より抜粋)
大変な苦労をして仕事や勉学に務め励むことを嫌がって避けるような、自分の怠け心やだらしなさが原因であると李徴は述べているのです。
詩人として名を成したいと願いながらも、先生に師事して修行したり、同じ詩人を目指すような仲間と交わって競い合ったりといった苦労や努力をしてこなかったわけですね。
このように「刻苦」は目標に向けての必死の努力、厳しい苦労といった意味で文学作品にも使われている言葉なのです。
「刻苦」の類義語
「刻苦」の類義語には次のようなものがあります。
- 努力(目標の実現のために心身を労してつとめること)
- 営営(せっせと休みなくはげむさま)
- 精励(勢力を出して励みつとめること)
- 出精(精を出して努力すること)
- 精勤(熱心に職務に励むこと)
- 尽力(力を尽くすこと)
- 奮闘(力一杯努力すること)
- 研鑽(学問などを磨き深めること)
- 粉骨砕身(力の限りを尽くすこと)
「刻苦」の対義語
「刻苦」には決まった対義語はありません。
とても苦労して励むということの反対なので、例えば
- 怠惰(すべきことを怠けてだらしない様子)
- 無精(面倒臭がってひどく骨惜しみすること)
- 怠ける(すべきことをしないで無駄に過ごすこと)
- 横着(すべきことを故意に怠けること)
- サボる(怠けて休む)
などの言葉を使って努力しない、やるべきことをやらないというような意味を表すことができますね。
まとめ
「刻苦」は心身を苦しめるほどのきびしい努力を表す言葉でした。
勉学に、仕事に、目的に向かって一心に努力をするということですね。
聞くと身が引き締まるような言葉です。
努力なくして成功なし、ということわざもありますよね。
別に苦しむのがいいわけではありませんが、時には楽をすることばかりでなく「刻苦」するような道を選ぶことも必要なのかもしれませんね。
最後までお読みくださりありがとうございました!