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読み方に困る季語の1つ「黒南風」をご存じでしょうか。
俳句や連歌を作るうえで欠かすことの出来ない季語。
様々な美しい表現が特徴的ですが今回はその中の1つ「黒南風」について解説していきます。
「黒南風」について基本的な意味や読み方はもちろん、いつの季語なの?「白南風」もあるの?といった疑問や「黒南風」を使った俳句もご紹介いたします。
「黒南風」の意味と読み方
「黒南風」とは、梅雨入りの時期や梅雨の長雨となっている時期の曇り空の日に吹く南風を指す言葉です。
読み方は「くろはえ」です。
つい「くろみなみかぜ」などと読んでしまいそうになりますので覚える際はお気を付けください。
雨雲を伴って吹く南風であり、この風が吹くことで空がどんよりと黒くなっていくことから「黒南風」と呼ばれています。
元々沖縄の方言で南を「はえ」と呼んでおり、その事から西日本の地域で「南から吹く風」「南寄りの風」を「はえ」と呼ぶようになったと言われています。
それが俳句の季語として使われるようになったことで一般的にも定着したんですね。
「黒南風」はいつの季語?
「黒南風」は俳句の季語としては夏の季語として使われています。
夏といっても夏の間中使えるわけではなく、夏の半ば頃である「仲夏」と呼ばれる時期を表現する場合のみ季語として使う事が出来ます。
「白南風」もある?
「黒」があるなら「白」もあるのでは?と思いますよね。
「白南風」は存在します。
この「白南風」は梅雨明けに吹く南風を意味しており、梅雨のどんよりとした黒い曇り空を吹き飛ばしてくれる風、という事で「白南風」と呼ばれています。
また梅雨の真っただ中に吹く激しい勢いを持つ南風は「荒南風」と呼ばれています。
「黒南風」を使った俳句
沖通る帆に黒南風の鴎群る
(おきとおる ほにくろはえの かもめむる)
飯田蛇笏
広州の黒南風に咲く木綿花
(こうしゅうの くろはえにさく もめんばな)
松崎鉄之介
磯釣に黒南風わたる沖くらし
(いそづりに くろはえわたる おきくらし)
水原秋櫻子
まとめ
季語は俳句だだけではなく、手紙やビジネス文書などの時候の挨拶でも多く使われており数多く覚えて損はありません。
春夏秋冬、日本を美しく彩る四季ならではの情景を繊細かつとても美しく表現した言葉ばかりなので眺めているだけでもとても楽しいんですよ。
季語と実際の景色を見比べる、などという楽しみ方も面白いですね。
日本にしかない「季語」という言葉で季節の移り変わりをより詳しく感じてみてはいかがでしょうか。