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「桃始笑」は、春の訪れを桃の花で表した七十二候の一つです。

「笑」という字が入っているため、「桃が笑う」とはどういう意味なのか、不思議に思う方も多いのではないでしょうか。

今回は、「桃始笑」の読み方や意味、いつ頃の季節を表す言葉なのか、漢字の由来や使い方までわかりやすく解説します。

「桃始笑」の意味と読み方

「桃始笑」とは、桃のつぼみが開き、花が咲き始める頃という意味です。

「桃始笑」は、「ももはじめてさく」と読みます。

冬の寒さがゆるみ、春の日差しが感じられるようになると、桃のつぼみが少しずつふくらみます。

そのつぼみがほころび、やわらかな花を開き始める頃を表したのが「桃始笑」です。

「始」は「はじめて」、「笑」はここでは「さく」と読みます。

現代では「笑」は「わらう」と読むのが一般的ですが、古くは花が咲くことを「笑う」と表現することがありました。

そのため「桃始笑」は、桃が声を出して笑うという意味ではなく、桃の花がほころび、咲き始めるという意味になります。

表記 桃始笑
読み方 ももはじめてさく
分類 七十二候・啓蟄の次候
時期 3月10日頃から3月14日頃

漢字から見る「桃始笑」

「桃始笑」は、三つの漢字それぞれの意味を知ると、言葉のイメージがつかみやすくなります。

漢字 意味
桃の木、桃の花
始まる、初めて
ここでは「咲く」の意味

これらを合わせると、「桃の花が初めて咲き始める頃」という意味になります。

「花が笑う」という表現は、つぼみが開いて花が咲く様子を、人が笑顔になる姿に重ねたものです。古い言葉ならではの、やわらかく美しい表現といえるでしょう。

「桃始笑」はいつの七十二候?

「桃始笑」は、二十四節気の「啓蟄(けいちつ)」に含まれる七十二候です。

啓蟄は、冬ごもりをしていた生き物が目覚め、春の気配がはっきりしてくる頃を表します。

その中で「桃始笑」は次候にあたり、おおむね3月10日頃から3月14日頃にあたります。

啓蟄の七十二候 読み方 意味
蟄虫啓戸 すごもりむしとをひらく 冬ごもりの虫が外へ出始める頃
桃始笑 ももはじめてさく 桃の花が咲き始める頃
菜虫化蝶 なむしちょうとなる 青虫が羽化して蝶になる頃

啓蟄の初候では地中の生き物が動き出し、次候では桃の花が咲き始めます。目に見える春の景色が少しずつ広がっていく流れの中に、「桃始笑」は位置しています。

「桃始笑」の由来

「桃始笑」は、七十二候という暦に由来する言葉です。

七十二候は、二十四節気をさらに約五日ごとに分け、動植物や気象の変化を短い言葉で表したものです。

昔の人々は、花の咲き始めや虫の動き、鳥の声などを季節の目安として大切にしていました。

桃の花は、春の訪れを告げる花の一つです。まだ肌寒さが残る頃に、淡い桃色の花が開き始める様子は、冬から春へ向かう喜びを感じさせます。

「笑」という字を使っているところに、昔の人々が花の開く姿を単なる自然現象としてではなく、春を喜ぶような表情として見ていたことが表れています。

「桃始笑」の使い方と例文

「桃始笑」は、季節の挨拶文や手紙、春のコラムなどで使うと、やわらかく上品な印象になります。

日常会話で使う機会は少ないですが、文章に入れると春らしい情緒が出ます。

場面 例文
季節の挨拶 桃始笑の候、春の気配がいっそう感じられる頃となりました。
日記・随筆 庭の桃のつぼみがほころび、桃始笑の季節を迎えました。
季節の説明 桃始笑は、桃の花が咲き始める頃を表す七十二候です。

まとめ

「桃始笑」は、「ももはじめてさく」と読み、桃の花が咲き始める頃を表す七十二候です。

二十四節気「啓蟄」の次候にあたり、時期は3月10日頃から3月14日頃です。「笑」はここでは「わらう」ではなく「咲く」という意味で、花がほほ笑むように開く様子を表しています。

「桃始笑」は、春の訪れをやわらかく伝える美しい言葉です。桃の花を見かけたときにこの言葉を思い出すと、季節の移ろいをより豊かに感じられるでしょう。

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