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「無念」の意味と使い方!「悔しい」「残念」との違いは?|類義語・例文

「無念」の意味と使い方!「悔しい」「残念」との違いは?|類義語・例文

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「無念」という言葉があります。

「残念無念」など残念がる時に使いますよね。

この「無念」とはどういう意味の言葉なのか、よく似た言葉の「悔しい」「残念」との違いも合わせて調べてみました。

今回は、「無念」の意味と使い方!「悔しい」「残念」との違いは?|類義語・例文についてご説明いたします!

「無念」の意味

「無念」は「妄念のないこと。迷いの心を離れて無我の境地に入ること」「くやしいこと」という意味です。

「むねん」と読みます。

ちょっと、違った意味合いの説明が二つありましたね。

「無念」は仏教用語としては「迷いの心を離れた無心の状態」という意味です。

また、一般的に使う場合は「くやしい」ということを意味します。

「無念」はこのような二つの意味を持っています。

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「無念」の由来

最初の「妄念(煩悩によって起こる誤った考え)のないこと」というのは仏教に関することで、もともと「無念」はこちらの意味で使われていた仏教用語でした。

煩悩や雑念といった「念」が「無い」状態、つまり何事にもとらわれない、迷いのない無心の状態ということを「無念」と言ったのです。

この、妄念がないという「無念」がどうして今のような「悔しくてたまらない」という意味になったのでしょうか。

煩悩がない「無念」が、逆に煩悩にとらわれすぎて悔しくてたまらないという意味で使われるようになったというのが不思議なところです。

はっきりしたことは不明ですが、一説には「残念無念」という言葉が使われるようになったからだと言われています。

「残念」ということを強めるために、語呂のいい「無念」という言葉をくっつけて使ったことで、「無念」が「残念」の強調の言葉のように扱われるようになったということです。

このように、元々は「無念」は煩悩にとらわれない無我の境地を表していましたが、それが違った使われ方をしたのが定着して非常に残念であることを表す言葉になったのですね。

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「無念」の使い方

「無念」は「無念だ」「無念な」などの使い方で、「悔しい」「残念な」ということを表します。

他に

  • 無念を晴らす
  • 無念極まりない
  • 無念でならない

などの使い方があります。

無念を晴らす

「無念を晴らす」は「悔しい気持ちを取り去る」という意味です。

リベンジする、雪辱を果たすといったことと似ています。

悔しいという感情を心から取り除くということです。

無念極まりない

「無念極まりない」は「とても無念である」ということです。

「極まりない」はこの上ない、限りないという意味なので、それぐらい甚だしく悔しいということを表します。

無念でならない

「無念でならない」は悔しくてしょうがないということです。

「て(で)ならない」は、そのことについて気持ちが抑えられないということですから、「無念である」という気持ちが抑えようがないという気持ちを表す言葉です。

「無念」の例文

  1. ここで諦めなければいけないなんて無念だ。
  2. あまり勉強しなかったせいで試験は無念な結果に終わった。
  3. 父の無念を晴らす。
  4. 大事な試合でゴールを決められず、無念極まりない。
  5. 彼の気持ちを考えると無念でならない。

「悔しい」「残念」との違いは?

「無念」は仏教用語としての意味のほかは、悔しかったり残念だったりすることを表しますよね。

では「悔しい」「残念」とはどう違っているのでしょうか。

「悔しい」との違い

「無念」と「悔しい」はほぼ同じ意味です。

「無念」も「悔しい」ということを表します。

ですが、「無念」は「とても悔しい」「心残りがある」という意味を含んで使われるので、ただ「悔しい」というよりも悔しさの度合いが高まります。

また、「悔しい」は日常会話でよく使う平易な言葉ですが、「無念」はやや文語的で文章中や時代劇で出てきそうですよね。

現代ではかたい言い回しを使いたい時に使うという点も「無念」の特徴でしょう。

「残念」との違い

「無念」と「残念」もほぼ同じ意味です。

こちらも、「無念」の方が「残念」よりも残念な度合いが高いです。

「無念」は、全く望みがなくなってしまった、非常に心残りがあるといった意味で使います。

「残念」はそこまでではなく、日常的に使う言葉ですのでちょっとした残念さも「残念だ」と表します。

また、「残念」には「物足りない」「よくない」という意味もある点も違っています。

「無念」の類義語

「無念」の類義語には次のようなものがあります。

  • 悔しい(物事が自分の思うようにならなかったり、辱めを受けたりして腹立たしく思ったり失望したりすること)
  • 残念(物足りなく感じること。悔しく思うこと)
  • 心残り(あとに思いが残ってすっきり思いきれないこと)
  • 遺憾(思い通りでなく残念なこと)
  • 断腸(腹わたがちぎれるほど非常に悲しいこと)
  • 痛恨(ひどく残念がること。大変恨みに思うこと)
  • 失望(望みを失うこと)

「無念」の対義語

「無念」の対義語には次のようなものがあります。

  • 有念(姿形のあるものを心に想念すること)
  • 歓喜(非常に喜ぶこと)
  • 満足(望みが満ち足りて不満がないこと)

まとめ

「無念」はとても悔しい、とても残念な気持ちを表す言葉でした。

全く望みがない、でも非常に心残りといった、強い悔しさを含む言葉です。

しかし、その由来は仏教用語で妄念がないことを表すという、まったく逆のような意味で使われるようになった言葉でもありました。

「無念を晴らす」「無念極まりない」などいろいろな言い回しがありますので、ぜひ覚えて使ってみてください。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。
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