※当サイトではアフィリエイト広告を利用しています
「お客様をお連れしました」
例えば、上司のところに来客を案内してきたとき、このような言い方をしていませんか?
よくある言葉遣いですので、特に違和感を覚えることはないという人もいるでしょう。
ですが、この「お客様をお連れしました」は実は間違った言葉遣いなんです。
丁寧に振舞っているつもりでも、失礼になっていては困りますね。
今回は、「お客様をお連れしました」は敬語としてNG?「お連れ様・お連れの方」は_?についてご説明いたします!
「お客様をお連れしました」は敬語としてNG?
「お客様をお連れしました」は、よく来客を上司のところへ案内するときなどに使われる言い方です。
ですが、「お客様をお連れしました」は敬語の使い方として、間違っています。
一見丁寧な言い方ですよね。
「お客様」と丁寧な呼び方をしていますし、「お連れしました」は丁寧に報告している感じがします。
「お連れする」も、お客様を丁寧に案内するという感じがします。
ですが、これが間違いであるとする理由は二つあります。
- 来客ではなく自分の上司に対する敬意を表しているから
- 「連れ」という言葉は目下か同等の人に対して使う言葉だから
ということになります。
1、「お連れしました」は上司に対する敬意
「お連れしました」は上司に向かって声をかけているわけですが、この「お」は上司に対してへりくだる意味になります。
「お~する」「ご~する」というのは行為の向かう先の相手を高めるための謙譲語です。
ですので、「お連れしました」は上司という社内の人に向かって謙譲しており、お客様という社外の人に対しての敬語ではないということです。
2、「連れ」は目下か同等の人に使う言葉
「お連れしました」の「連れ」の意味から考えても、「お客様をお連れしました」は不適切です。
「連れ」は「一緒に行動する。同伴者」という同等の意味で、「連れる」の場合は「一緒について来させる」という目下へ使う意味になります。
友達のことを「ツレ」と言う人もいますし、また「公園に子供を連れて行く」とか、「犬を散歩に連れて行く」とか言いますよね。
「連れ」という言葉自体が、このように自分と同等か目下に対して使う言葉なので、「お連れ」と「お」をつけたところで、やはりお客様や上司に対して使うのは失礼にあたるということです。
「お連れ様・お連れの方」は?
「連れ」が失礼ということは、「お連れ様」や「お連れの方」も失礼なのかも、と心配になってしまうかもしれませんね。
ですが、「お連れ様・お連れの方」は正しい言い方です。
「連れ」は「同伴者」という意味ですが、この場合は相手の同伴者という意味で使っています。
「お連れ様・お連れの方」と丁寧な言い方をしているので、相手の同伴者を敬う言い方ということになります。
なお、「お連れ様をお連れしました」は「お連れしました」の意味からも、また「お連れ」を二回使うという不自然さからもやめたほうがいい言い方ですよ。
来客を案内する場合の正しい表現
「お連れしました」は、お客様を案内するときの敬語として間違った使い方でしたね。
他の言い方に変えて、失礼にならないよう気をつけましょう。
- お客様をご案内しました
- お客様がおいでになりました
- お客様がお見えになりました
- お客様がお越しになりました
などとすると、お客様に対しての敬意を表せますし、上司に対しても丁寧な言い方になりますので適切でしょう。
「お客様」は、名前が分かっているときは「○○様」としてもいいですね。
なお、よくある間違いですが、
- お見えになられました
- お越しになられました
など、「お~になられました」は「お~になる」「~になられる」の二つの敬語を重ねているので、二重敬語です。
来客を案内するときに限らず、「お帰りになられる」とか「お話になられる」とか、色々な場面で使ってしまいがちな二重敬語ですが、慇懃無礼な印象になってしまいかねませんので気をつけましょう。
まとめ
「お客様をお連れしました」
一見問題なく敬語を使えているようで、実は失礼な言い方だったんですね。
秘書などのきちんとしたビジネスマナーが必要とされる職種では、こうした言葉遣いは先輩たちから注意してもらえることも多いと思います。
ですが、あまりマナーに詳しくない人が多い職場だと、気づかないうちにずっと使っているということもあるでしょう。
ぜひこの機会にこうした言葉を使っていないか、振り返ってみるといいかもしれませんね。
最後までお読みくださりありがとうございました!