言葉の意味と使い方

「慮る」の意味と使い方!「忖度」との違いは?【類義語・例文】

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「慮る」という言葉を使ったことがありますか?

新聞やニュースなどではよく使われる言葉なのですが、実際に口に出して使っているという人はどれほどいるでしょうか。

使い方の難しい言葉ではありませんが、読み方に自信がなくて発音できないという人も多いかもしれませんね。

使う機会があったときに迷ってしまわないよう、読み方や使い方をしっかり確認しておきましょう。

また、似た意味の言葉で、こちらもニュースなどでよく耳にする「忖度」との違いも知っておきましょう。

今回は、「慮る」の意味と使い方!「忖度」との違いは?【類義語・例文】についてご説明いたします!

「慮る」の読み方と意味

「慮る」は「おもんぱかる」と読みます。

「慮る」は「周囲の状況などをよくよく考える。思いめぐらす」という意味です。

もともとは「おもいはかる」という言葉だったのが、「おもいはかる」→「おもんはかる」→「おもんばかる」→「おもんぱかる」と音変化していったそうです。

「おもんばかる」とも読みますので、どちらでもスマホやパソコンの変換で出てきます。

ただし、辞書などで主な読み方として出てくるのは「おもんかる」の方です。

「おもんばかる」よりも「おもんぱかる」の方が発音しやすくはっきり聞き取りやすいので一般的に使われます。

「おもいはかる」が元の言葉ですから、「思い」を「はかる」、つまり「思慮をめぐらす」「取り計らう」といったような意味となります。

>>「思慮」と「思料」の違いは?同じ意味なの?使い分け方を例文つきで解説!

「慮る」の使い方

「慮る」は何かをする時に、あれこれと周囲の状況などについて思いをめぐらせて考えるということを表します。

今どんな状況で、これをやったらどういう影響があるかなどを色々と想像して深く考えるわけです。

特に「(相手の)心情を慮る」「事情を慮る」など、相手の気持ちや立場について考慮するという使い方がよくされます。

例文で使い方を確認しておきましょう。

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【例文】

  1. 相手の気持ちを慮ることが大切だ。
  2. 彼の気持ちを慮って今回の件は断ることにした。
  3. 親の心情を慮るべきだ。
  4. 彼女の内心を慮って休暇を取るように勧めた。
  5. 相手を慮る気持ちがあたたかい社会を作るのだ。

「忖度」との違いは?

さて、「慮る」に似た言葉に「忖度」があります。

「忖度」は「他人の気持ちを推し量ること」という意味です。

「そんたく」と読みます。

難しい印象の言葉ですが、2017年流行語大賞にも選ばれた言葉なので知っている人も多いでしょう。

>>「忖度」と「斟酌」の意味や違いは?使い方と政治的な意味を解説!

「忖度」が話題になったニュースのせいで、「忖度」に悪いイメージを持っている人もいるかもしれませんが、特に悪い意味の言葉ではありません。

「慮る」も「忖度」も、「相手のことを考える」という意味では同じですね。

この二つの違いとしては、

  • 「慮る」は「相手の状況などをよく考えて行動する」
  • 「忖度」は「相手の心情を推測する」

という違いが挙げられるでしょう。

つまり「慮る」は行動するにあたって「これをしたら相手はこうするだろう」など、周囲の状況や相手の事情などを考えて、どうなるか考えることを表します。

それに対して「忖度」は相手の状況を見て、相手の気持ちを察することを表します。

まとめると「慮る」は「こうしたらこうなるだろう」ということで、「忖度」は「こうだからこう思っているだろう」ということだと言えるでしょう。

とてもよく似ていますが、このような違いがありますので注意しましょう。

【「忖度」の例文】

  1. 彼女の心中を忖度する。
  2. 彼の心情を忖度して、事件の話題には触れないようにした。
  3. 大臣が暗黙の指示を出し、官僚がそれを忖度する。

「慮る」の類義語

「慮る」の類義語には次のようなものがあります。

  • 気をつかう(様々に注意を払う。配慮する)
  • 配慮する(心を配ること。心遣い)
  • 思慮する(注意深く心を働かせて考えること)
  • 思いやる(同情したり気をつかったりすること)
  • 心配する(気にして心を悩ますこと。気にかけて面倒を見ること)
  • 斟酌する(相手の事情や心情を汲み取ること)
  • 汲み取る(他人の考えをよく推し量ること)
  • 胸中を察する(人の気持ちを推測して理解を示すこと)
  • 心中を察する(人の気持ちを推察して同情すること)

などなど、それぞれニュアンスは違いますが他にもたくさんあります。

これほどまでに「相手や状況に気を配る」「人の気持ちを推察する」といった意味合いの言葉が多いのも、直接気持ちを言い合うのではなくお互いにうまく察してやっていくという、日本の文化ならではという気もしますね。

「慮る」の対義語

「慮る」と対になる対義語というのは特にありません。

「慮る」というのは配慮するという意味ですから、反対の意味の言葉としては

  • 無配慮
  • 配慮しない
  • 配慮に欠く
  • 無神経
  • デリカシーのない
  • お構いなし

といったものになるでしょう。

まとめ

「慮る」は、何かをするときに「これをしたらこうなるかな」「これをしたら相手はこう思うかな」などと、周囲の状況や相手の心情に思いを巡らせてよく考えるという意味の言葉でした。

もちろん「慮る」や「忖度」ばかりでは済まないことも多いでしょう。

ですが、ビジネスシーンでも、日常生活でも、自分の行動が周囲にどういう影響を与えるのかということをよく考えて行動するのは大切なことですよね。

いつも周りを慮ることができる人でいたいものですね。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。
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