言葉の意味と使い方

「お名前様」は間違い?お客様に名前を聞く時の正しい敬語表現は?

「お名前様」は間違い?お客様に名前を聞く時の正しい敬語表現は?

時々、お店などで「お名前様をお伺いしてもよろしいでしょうか?」などと言われることがありませんか?

百貨店やホテル、レストラン会社や病院の受付など、色々なところで聞くことがある表現です。

この「お名前様」、実は間違いだと言われているんです。

使ってはいけない表現なのか、正しくはなんと言えばいいのか、ぜひ確認しておきましょう。

今回は、「お名前様」は間違い?お客様に名前を聞く時の正しい敬語表現は?についてご説明いたします!

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「お名前様」は間違い?

結論から言うと、「お名前様」は正しい日本語ではありません。

例えば、「お名前をご記入ください」よりも「お名前様をご記入ください」と言った方が、いかにも相手の名前を敬っているようで、一見丁寧ですよね。

ですが、「お名前」は「名前」の丁寧語です。

それにさらに「様」をつけているので丁寧すぎる印象です(二重敬語とまでは言えませんが)。

第一、「様」は人の名前などにつける尊称であって、「名前」という人格のないものについている時点でおかしいのです。

「お名前様」は、ホテルやレストランなどの接客業を中心に、最近よく使われるようになってきているようですので、近い将来には一般的な使い方として定着するのかもしれません。

ですが、本来の日本語としてはおかしいですし、まだまだ「お名前様」と聞くと違和感や不信感、不快感を感じる人も多そうです。

今の所は、「お名前様」は間違いなので使わないようにしたい表現であると言えるでしょう。

【間違った例文】

  1. お名前様をお聞きしてもよろしいですか?
  2. お名前様をお願いいたします。
  3. こちらにお名前様をご記入ください。
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「お名前を頂戴できますか?」も間違い!

「お名前様」を使うのは正しくないと述べました。

ですが、そのほかにもうっかり間違いがちな名前の聞き方があります。

  • お名前を頂戴できますか?
  • お名前を頂けますか?

というものです。

「お名前様」以上によく使われている表現ですので、色々な受付などで言われた経験のある人、また自分でも普段から使っていると言う人も多そうですね。

ですが、これらも正しくない言葉です。

「頂戴する」とか「頂く」というのは「もらう」ということの謙譲語です。

「名前」は、もらうものではなく聞くものですよね。

「名刺を頂戴する」などと混同してできた表現かもしれませんが、「名前」は「頂戴」や「頂く」とは言わないようにしましょう。

「頂戴する」を使うのは、

  • お時間を頂戴する
  • 資料を頂戴する
  • 差し入れを頂戴する
  • 激励の言葉を頂戴する

というように、形の有無にかかわらず「もらうもの」に対してであると覚えておきましょう。

以下の項で、正しい名前の聞き方をご説明します。

お客様に名前を聞くときの正しい敬語表現は?

お客様に名前を聞くときは、もちろん敬語表現に気をつけたいですね。

会話の場合、「名前」は「お名前」でよいでしょう。

「お名前様」とはしません。

かたい内容の文書などでは、「名前」の敬語として「ご芳名」「ご尊名」「ご高名」などとすることもありますが、お客様に対してということですので、わかりやすさと丁寧さを考えて「お名前」でよいということです。

そのあとは、「お伺いしてもよろしいですか」「お聞かせいただけますか」などとします。

「伺う」「お聞きする」「お教えいただく」など、自分がへりくだって聞くという言葉を選ぶようにしましょう。

お客様に名前を聞く時の例文

  1. お名前を伺ってもよろしいでしょうか。
  2. お名前を教えていただけますでしょうか。
  3. お客様のお名前をお聞きしてもよろしいでしょうか。
  4. お名前をお教え願えますか。

さらに、「恐れ入りますが……」とすると、より丁寧な言い回しになります。

お客様に名前を聞く機会のある人は、ぜひ覚えておきたいですね。

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まとめ

「お名前様」は正しくない言葉でした。

「お名前様を頂戴できますか?」などと言うと、何重にも間違っているんですね。

ですが、身の回りでもこのような言葉を使っている人は案外多いかもしれません。

ぜひ気をつけて、正しい言葉づかいでお客様に接して行きたいものですね。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。