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「漏洩」と「流出」の意味と違いは?「情報漏洩・情報流出」とは【類義語・対義語】

「漏洩」と「流出」の意味と違いは?「情報漏洩・情報流出」とは【類義語・対義語】

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「個人情報が漏洩した」

「データが流出した」

このような「漏洩」や「情報」という言葉は、ニュースでよく耳にしますね。

場合によっては、仕事をしていて「漏洩」や「流出」をしてしまうこともあるかもしれません。

何かと最近耳にするこの「漏洩」と「流出」について、その違いなどを調べてみました。

今回は、「漏洩」と「流出」の意味と違いは?「情報漏洩・情報流出」とは【類義語・対義語】についてご説明いたします!

「漏洩」の意味

「漏洩」は「水・光などが、もれること。また、もらすこと」「秘密などが、もれること。また、もらすこと」という意味です。

「ろうえい」と読むのが一般的ですが、「ろうせつ」とも読みます。

元々は「ろうせつ」と読んでいたのですが、慣用読みとして「ろうえい」の方が広まりました。

「漏」は「もれる。もらす」「ぬける。忘れる」などの意味があります。

「洩」には「もれる。もらす」「のびる」などの意味があります。

「漏」も「洩」も「もれる」「もらす」という意味になり、これを二つ重ねた「漏洩」は、元々はその通り、液体などがもれること、もらすことを表す言葉です。

そこから、秘密などがもれること、もらすことという意味で使われるようになりました。

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「漏洩」の使い方

「漏洩」は「もれること。もらすこと」という意味です。

液体などが漏れることも言いますが、主に情報などが漏れることという意味で使います。

「漏洩する」などの使い方をします。

多くの場合、個人情報や秘密など、人に知られてはいけないものがもらされてしまうということで、ニュースなどでよく見聞きするかと思います。

例文で確認しておきましょう。

【例文】

  1. ガスが漏洩する。
  2. 顧客の個人情報が漏洩する。
  3. 企業秘密が漏洩する。
  4. IDとパスワードが漏洩してSNSが乗っ取られる。

「流出」の意味

「流出」は「流れて外部に出ること」という意味です。

「りゅうしゅつ」と読みます。

「流れる」「出る」という字を書きますので、そのまんまの意味ですね。

液体などが流れて外へ出るということを表す言葉です。

そして、そこから内部のものが外部に出て行ってしまうことという広い意味で使うようになりました。

「流出」の使い方

「流出」は流れて外へ出るという意味の言葉です。

液体が流れ出ることはもちろんですが、貴重なものや人材、情報などが外へ出て行ってしまうという意味で使うことが多いです。

例文で使い方を確認しておきましょう。

【例文】

  1. 汚水が流出する。
  2. 優秀な人材が海外に流出する。
  3. 芸能人のスキャンダル写真が流出する。
  4. 不正アクセスにより、顧客情報の一部が外部に流出した。

「漏洩」と「流出」の違いは?

「漏洩」と「流出」の違いを一言で言うと、

  • 「漏洩」は「もれること」
  • 「流出」は「流れて出ること」

となります。

これは漢字の意味を見てもわかりますよね。

ですが、「漏洩」も「流出」も、例えば「個人情報が漏洩する」「個人情報が流出する」のように、外に出てはいけないものが出てしまうというような意味で使いますよね。

「漏洩」は「秘密などがもらされてしまうこと」なので、それこそ個人情報であるとか、企業秘密など、外部に知られてはいけないことがもらされてしまうことです。

それに対し、「流出」は「何かが外に出て行くこと」で、秘密に限りません。

個人情報など、本来外に出てはいけないものが出てしまうということも「流出」と言いますが、「人口が流出する」などとも使います。

まとめると、

  • 「漏洩」は秘密など漏れてはいけないものが外に漏れ出てしまうという意味の言葉
  • 「流出」は物や人など、有形無形のものが外に出て行くということを指す一般的な言葉で、秘密が漏れるという意味に限らない

という違いであると言えます。

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「情報漏洩・情報流出」とは

「漏洩」も「流出」も、情報について使われることがありますね。

「情報漏洩」「情報流出」という形です。

これは、例えば企業が管理している顧客の個人情報であるとか、企業の内部情報、国家機密などが外部に出てしまうことを指して使います。

「情報漏洩」はそういった情報が何者かによって故意に、あるいは過失によって、外部にもれてしまうことを言います。

「情報流出」も、ほぼ同じ意味で使われています。

厳密に言うと、「情報流出」はその情報が外に出てしまうことで、「情報漏洩」はその情報の秘密がもれることです。

ですから、例えば外に出てしまったデータが暗号化されていて内容が見られない場合、「情報流出」はしてしまったが、その内容を知ったり悪用したりすることはできないため「情報漏洩」にはあたらない、といえるでしょう。

ですが、本来の言葉の意味からするとこのような違いはあるものの、おおむね「情報漏洩」=「情報流出」と考えて差し支えないでしょう。

どちらも本来外に出てはいけない情報が何らかの原因で外に出てしまうということです。

「漏洩」の類義語

「漏洩」の類義語には次のようなものがあります。

  • 漏れる
  • 露呈(隠していたものをあからさまにあらわすこと)
  • リーク(秘密や情報を意図的にもらすこと)
  • 漏出(漏れて出ること)
  • 暴露(秘密や悪事を暴いて出すこと)
  • 摘発(隠されている悪事を暴いて公にすること)

「漏洩」の対義語は特にありません。

「情報漏洩」の対義語であれば

  • 機密保護
  • 機密保持

といった言葉になるでしょう。

「流出」の類義語・対義語

「漏洩」とも類義語関係ですが、「流出」の他の類義語は次のようなものです。

  • 流れ出る
  • 外部に知られる

「流出」の対義語は「流入(流れ込むこと。他から入り込むこと)」です。

まとめ

「漏洩」は漏れること、「流出」は外に出ることでしたね。

個人情報などは「漏洩」も「流出」もしてほしくないものですよね。

インターネットが普及し尽くした現代、便利にはなりましたが、いろいろな形でさまざまな情報が「漏洩」や「流出」する危険も高まったと言えるのかもしれません。

何かとメディアを騒がせる「漏洩」「流出」ですが、きちんと意味を理解しておきましょう。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。
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