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言葉の意味と使い方

「昨今」とはいつの期間のこと?「近年」「最近」との違いは?|類義語・例文

「昨今」とはいつの期間のこと?「近年」「最近」との違いは?|類義語・例文

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「昨今の日本では……」「昨今の世界情勢は……」

この「昨今」という言葉、ニュースや新聞、ビジネスシーンでもよく見聞きしますよね。

家族や友達との会話などではあまり使わないような言葉ですが、前後の文脈からも大体の意味はわかりますよね。

ですが、それだけになんとなくわかったつもりで過ごしている人が多いのではないでしょうか。

「昨今」とはいつのことを指すのかわかりますか?

また、「近年」「最近」といった、同じような意味の言葉との違いや使い分け方についても確認したいと思います。

今回は、「昨今」とはいつの期間のこと?「近年」「最近」との違いは?についてご説明いたします!

「昨今」の意味

「昨今」は「きょうこのごろ。ちかごろ」という意味です。

「さっこん」と読みます。

漢字を見ると「昨日」と「今日」のような字ですよね。

「昨」は「昨年」とか「昨冬」とか言うように、「過ぎ去った日」「以前」というような意味もあります。

ですので「昨今」は昨日と今日だけではなく、「以前から今まで」という意味になり、近い過去から現在までを含めた「近ごろ」の期間を表すのです。

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「昨今」とはいつの期間のこと?

永年
「昨今」は何日前から何日までである、というようなはっきりとした決まりはありません。

現在に近い過去から現在までを含めて漠然と表す言葉です。

例えば「昨今の国際情勢は……」という場合は大体ここ数年のことを指していると考えられるでしょう。

「昨今の台風被害により、今年は米が不作で……」という場合は半年ぐらい前から今までのことだったりするかもしれませんね。

大抵は「数年~数ヶ月ぐらい前から現在まで」という解釈ができると思います。

20年ほどまえの一時期とか、明治時代から今までとか、「かなり昔」と感じるような期間や大昔から今まで続くようなことについては「昨今」は使いません。

【例文】

  1. 昨今の若者の活字離れを嘆く。
  2. 昨今の国際情勢についての講演を聞く。
  3. 昨今のスマホのカメラ機能の充実ぶりはすごい。
  4. 昨今のビジネスシーンでは難しいカタカナ語が多用される傾向がある。

「近年」「最近」との違いは?

「昨今」と同じように「近ごろ」のような意味で使う言葉に「近年」「最近」があります。

これらの違いを確認しておきましょう。

「近年」は「最近の数年。近ごろ」という意味です。

「きんねん」と読みます。

「最近」は「現在に近い過去のあるとき」「少し前から現在までの時期。近ごろ」という意味です。

読み方はもちろん「さいきん」です。

「昨今」も「近年」も「最近」も、「近ごろ」という意味では同じですが、少し違いがあります。

  1. 「昨今」は「今日このごろ。近ごろ」で「数年~数ヶ月前から現在まで」を指します。
  2. 「近年」は「最近の数年。近ごろ」で「数年前から現在まで」を指します。
  3. 「最近」は「少し前から現在まで。近ごろ」で「数年前~数日前から現在まで」を指します。また期間ではなく「現在に近い過去のあるとき」という意味もあります。

例えば数年前から現在までのことを表したいときはどれを使ってもよいでしょう。

ただし、「昨今」は堅い言い回しなので、友人とのくだけた会話で「オレ、昨今はアニメにハマってるんだよな~」などというと不自然ですよね。

「昨今」や「近年」はビジネスシーンや文章の中、ニュースなどで使うような堅い言い回し、「最近」は一番一般的な表現なのでくだけた会話の中などでも使うことができると覚えておきましょう。

また、「近年」は「近ごろ」という意味ではありますが、「年」という字を使うだけに「ここ数年間」という意味になります。

ですから、年単位ではなく数ヶ月前などからのことを表すときには「近年」は不適切です。

また、「最近」だけは期間ではなく「少し前のある時」を表す使い方もあります。

例文で違いを確認しておきましょう。

「近年」の例文

  1. 近年の社会、経済の変化について説明する。
  2. この遊園地では近年の来場者数が大幅に増えている。
  3. 近年の健康ブームに乗って新商品を開発した。

いずれも「ここ数年のこと」という意味合いで使っています。

「最近」の例文

  1. 最近の出来事を報告する。
  2. この形のブーツが最近の流行りだ。
  3. 最近彼は少し太ったようだ。
  4. 彼女にはつい最近会ったばかりだ。

例えば1番の例文は「ここ数日のこと」かもしれませんし、2番や3番の例文は「ここ数ヶ月のこと」かもしれませんし、「ここ数年のこと」かもしれません。

状況によって「最近」が表す期間は色々でしょう。

また、4番の例文では「近い過去のある時」を指しています。

「昨今」の類義語

「昨今」の他の類義語には次のようなものがあります。

  • 近ごろ(このごろ。最近)
  • 今どき(現代。近ごろ)
  • この頃(少し前から現在)
  • 今節(こんせつ。このごろ)
  • 当世(今の世。今時)
  • 目下(当面するこの時)

「昨今」の対義語

「昨今」には特に対立する言葉があるわけではありません。

「対義語」というものはないわけですが、「近ごろ」ではなくて「ずっと前」を表したい場合は、

  • 昔時(昔。過去)
  • 昔年(昔)
  • いにしえ(ずっと昔のこと。過ぎ去った日々)

などの言葉がありますね。

まとめ

「昨今」はしばしば見聞きする言葉なので、改めて意味を考えてみたことはなかったかもしれませんね。

いつからいつまでとハッキリ言えない曖昧な言葉ではありますが、近ごろ、最近、といった言葉の代わりにビジネスシーンなどで使える言葉です。

適切な場面でぜひ使ってみてくださいね。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。
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