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「斜陽」という言葉があります。
太宰治の有名な小説のタイトルにもなっていますね。
なにやら文学的な香りのする「斜陽」ですが、これはビジネスシーンでも使われることがある言葉です。
「斜陽産業」などという言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。
ぜひこの機会に「斜陽」について確認しておきましょう。
今回は、「斜陽」の意味と使い方!「斜陽産業」とは?【類義語・対義語】についてご説明いたします!
「斜陽」の意味
「斜陽」は「西に傾いた夕日」「没落しつつあること」と言う意味です。
「しゃよう」と読みます。
「陽」が「斜め」と書きます。
その文字通り、太陽が傾いていくということで、日が沈む前の西に傾く太陽や、またその夕日やその時間のことを指す言葉です。
これが本来の「斜陽」の意味なのですが、そこから転じて、「勢いがあったものが時代の変化とともに勢いを無くしつつある様子」という意味でも使われるようになりました。
きっかけは、太宰治の小説「斜陽」(1947年)で、この作品では没落していく上流貴族の人々が描かれました。
没落貴族の様子を傾く太陽になぞらえて「斜陽」としたわけですね。
これがベストセラーとなり、時代の変化により没落していく上流階級の人々のことを「斜陽族」と言うようになりました。
そして、国語辞典などにも「斜陽」の意味として「没落しつつあること」という意味が加えられるようになったのです。
「斜陽」の使い方
「斜陽」は夕日というのが本来の意味ですが、今では「没落しつつあること」という意味で使われることが多いです。
勢いが盛んであったものが、時代の変化について行けず勢いが失われてくという時に使います。
例文で使い方を確認しておきましょう。
【例文】
- 斜陽を浴びて木々は赤く輝いている。
- 窓から斜陽が差し込んでいる。
- この街の主要産業が斜陽化し、今は観光ビジネスに力を入れている。
- かつては栄華を極めたわが一族も、今や斜陽族と言われている。
- 我が国の経済成長は鈍くなり、斜陽の国だと言わざるを得ない。
- 歴史を見れば、どんなに権勢を誇った国もやがて斜陽を迎え没落していくものだ。
最初の二つは「夕日」という意味の「斜陽」ですが、あとは「没落しつつあること」という意味で使っています。
以前は非常に勢いがあり栄えていた国や人が、時代の変化の中で勢いを失い、新しいものに取って代わられるような状況を指します。
「斜陽産業」とは?
「斜陽」の使い方の一つに「斜陽産業」という言葉があります。
ビジネスシーンやニュースではよく聞く言葉だと思います。
「斜陽産業」は「需要が減少している産業のこと」という意味です。
かつては人気があったり、よく売れたりしていた業界でも、時代が変化して人気がなくなってしまうということはよくありますよね。
そうした、需要が時代とともにだんだん減っていっている産業のことを「斜陽産業」と言うわけです。
まさに高かった日がだんだん傾いて日没に向かうように、成熟期を過ぎて需要が減少していき衰退していく産業ということです。
現代において、「斜陽産業」と言われる業界は
- 新聞業界
- 出版業界
- テレビ業界
- カメラ業界
- 音楽業界
- タバコ業界
- 銀行業界
- 農業
などなど色々あります。
インターネットやスマートフォンが普及すると、新聞や本、CDなどが売れなくなるということもあります。
経済が縮小してきて、金融業界も規模が縮小してきたりもします。
外国産の安い作物がたくさん入ってくるので、国内の農業や漁業などが縮小するということもあります。
時代とともに人々の暮らしに色々な変化があり、それによってどうしても「斜陽」となる業界が出てくるわけです。
ただし、「斜陽産業」だと言われているからといってその業界に将来性がないというわけではなく、新分野へ進出したり、いろいろな戦略を立てたりして巻き返していく会社もあるでしょう。
「斜陽産業」と一括りにするのではなく、将来性についてはそれぞれの会社の取り組みをみて判断したいところですね。
「斜陽」の類義語
「斜陽」の類義語には次のようなものがあります。
【「傾いた太陽」の意味】
- 夕陽(夕方の太陽)
- 落陽(沈みゆく夕日)
- 落日(沈みゆく夕日)
- 入日(沈もうとする太陽)
【「没落していくこと」の意味】
- 衰退(力や勢いがおとろえ退歩すること)
- 没落(栄えていたものが衰え滅びること)
他に、会社などの経営が悪くなることであれば
- 経営が悪化する
- 経営が傾く
- 経営不振
- 赤字続き
などと言い換えることもできるでしょう。
「斜陽」の対義語
「没落していくこと」の「斜陽」の対義語には次のようなものがあります。
- 隆盛(勢いが盛んなこと)
- 安泰(無事でやすらかなこと)
まとめ
「斜陽」は時代の変化によって衰退していくことを指す言葉でした。
もの寂しい感じがしますが、社会が動いていく限り、人の生活や社会の状況はどんどん変わっていきます。
「斜陽族」や「斜陽産業」はいつの時代にもあるものですし、これからも新しい技術や新しい生活スタイルの誕生につれて、また違った「斜陽」が生まれていくのかもしれませんね。
最後までお読みくださりありがとうございました!