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年末になると、耳にすることが多くなる「師走」という言葉。
あなたは何月のことか、その意味と由来を知っていますか?
そう、今回のテーマは師走です。
今回は「師走」は何月?意味や由来とは?忙しく走り回るから?使い方についても解説いたします。
目次
「師走」は何月のこと?
「師走」は「しわす」と読み、12月のことを意味する和風月名です。
和風月名とは、旧暦で使われていた月の和風の呼び名です。
季節や行事に合わせて名付けられており、新暦となった現代でも引き継がれて使用されています。
ただし、旧暦と新暦では暦自体が違っており、1〜2ヶ月のずれがあります。
ですから、現代でも師走=12月とされてはいるのですが、実際の季節では旧暦の12月は1月上旬〜2月上旬頃のことを指しています。
とは言っても、旧暦でも師走は12月の意味を持っていますし、現代でも師走=12月となっているのでこのまま覚えておけば問題はないでしょう。
旧暦と新暦の違いは?新暦になった理由は?
現代で使われている新暦は、「太陽暦」である「グレゴリオ暦」です。
そして旧暦とは、「太陽太陰暦」のことを指します。
新暦と旧暦の違いは、何を基準に暦が作られているかという点で違います。
新暦のグレゴリオ暦は太陽暦ですから、太陽の動きを基準として作られています。
一方、旧暦は太陽太陰暦と言い、太陽の動きと月の動きの双方を考えて作られた暦です。
旧暦は、月が地球の周りを一周する期間である約29.5日を一ヶ月としています。
そうすると、一年が
29.5日×12ヶ月=354日
となり、365日が1年となる太陽に合わせた暦と比べると、少し季節にズレが出てきてしまいます。
なので太陽太陰暦である旧暦はその差を解消するために、「うるう月」を19年に7回ほどの割合で入れるようにしていました。
つまり、旧暦では年によっては13ヶ月ある年があったのですね。
しかし、日本は1873年(明治6年)から太陽太陰暦である旧暦を廃止し、新暦を使うようになりました。
その理由は、明治維新後に世界各国との交流が盛んになったからだと言われています。
当時の世界では新暦であるグレゴリオ暦が多くの国で使われていましたから、世界に合わす必要性が出てきたのです。
鎖国時代だった江戸時代が終わって、文明開花が始まり、やがて暦も見直すことにしたのですね。
その結果、太陽太陰暦である旧暦が終わり、現代のグレゴリオ暦である新暦が日本で始まったのです。
師走の意味と由来は?
「師走」の意味や由来はいくつかあり、どれが一番正しい由来なのかはよく分かってはいません。
しかしどの由来も、年の瀬の慌ただしい感じが読み取れるものばかりです。
由来1、「僧侶の忙しさをあらわしたもの」
ここで言う「師」とは、お坊さまのことです。
昔の日本では、年末年始は先祖供養をする風習があり、各家庭でお坊さまをお呼びしてお経を唱えてもらっていました。
また12月は仏名会(ぶつみょうえ)という法要があり、各寺院では忙しい時期であったのです。
そのような背景から、僧侶である師が忙しく東西に馳せる様子を見て「師馳す(しはす)」とされ、それが後の師走となったと言われています。
由来2、「寺社の御師の忙しさをあらわしたもの」
この場合の「師」とは、御師(おんし・おし)のことです。
寺社において祈祷をしたり、参拝客をもてなしたり、世話をしたりしている役職でした。
由来1にも書きましたが、師走の時期は仏事や神事にも携わる者は忙しい時期でした。
なので、もちろん御師も忙しかったのです。
師走の時期は、この御師が忙しい様子から師走となったと言われている説がこれですね。
ちなみに御師とは、御祈祷師の略とも言われています。
由来3、「年の終わりをあらわしたもの」
その昔、年が果てる、終わるという意味で「年果つ(としはつ)」という言葉が使われており、それが「しはす」に変化したという説がこれです。
また、春夏秋冬の四季が果てるという意味を込めて、年の終わりの月である12月を「四極(しはつ)」と呼び、それが師走になったとも言われています。
師走の異名は?
師走の異名は多数ありますが、どれも年の瀬に思いを馳せさせるようなものばかりです。
下記に5つほどご紹介いたします。
異名1「晩冬(ばんとう)」
和風月名が使われていた旧暦では、冬とは10月〜12月のことを指していました。
師走は最後の冬の月ということで、この様に呼ばれていたのではないかと言われています。
異名2「三冬月(みふゆづき」
前述した通り、旧暦の冬は10月〜12月とされています。
ですから、3番目の冬の月ということでこの様に呼ばれていたという由来があります。
異名3「春待月(はるまちづき」
師走の次は、旧暦において春の分類となる「睦月」です。
つまり、最後の冬の月である師走は春の一歩手前の月ということなのですね。
よって、春を待つ月という異名がついたと言われています。
異名4「苦寒(くかん)」
冬の最後の月である12月は、とても寒さの厳しいつらい時期です。
そのことから、苦しい寒さと書いて師走の異名としたとのこと。
旧暦の12月は現代の1〜2月を指しますし、昔は現代よりもずっと寒かったでしょうから、冬はとてもつらかったと分かる異名ですね。
異名5「歳極月(としはすづき)」
一年が終わる月、果て極まる月という意味でこの異名が扱われていたと言われています。
一年間の締めくくりという感じのある異名だと言えますね。
師走という言葉の使い方は?
「師走」という言葉は、年の瀬のビジネスシーンや手紙・メールで使われることが多い言葉です。
季節をあらわす時候の挨拶や、年の瀬の忙しさを労う言葉としてよく使われていますので簡単にご紹介いたします。
師走という言葉はいつ頃まで使えるの?
師走という言葉をビジネスや日常で使うのに適している時期は、「12月初旬〜12月中頃」までです。
12月中頃以降は、世間は年を越す話になりますからやめておきましょう。
12月中旬以降の時候の挨拶は「年の暮」や「歳末の候」という表現となるので気をつけてくださいね。
師走を使った例文は?
・師走の候、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
・師走を迎え、ご多忙の時期に恐れ入ります。
◯◯の候とは、書き出しに使われる時候の挨拶の定番です。
◯◯の部分に、その季節の言葉を入れて使われています。
師走である12月は、他の和風月名の月々と違い特別なものです。
例えば、2月である「如月の候」や8月には「葉月の候」とは言いませんよね。
師走という言葉は、それだけで年の瀬や慌ただしい時期という意味を持っている言葉だと覚えておきましょう。
また、そんな師走という言葉は日常生活においても使いやすい言葉でもあるのです。
例えば
・街行く人々の足取りから、慌ただしい師走の風景が見て取れますね。
・師走の風に追われて、私は最近くたくたです。
という風に、ちょっとしたところで日常会話に取り入れて使ってみると、なんだか風流な人になれるかもしれませんよ。
まとめ
師走は12月のことをことを意味する和風月名です。
旧暦の12月は、現代でいう1月上旬〜2月上旬を指しています。
師走の由来は、僧侶や御師が走るほど忙しい説、年が果てる「年果つ(としはつ)」が変化して師走となった説など、様々な由来があります。
由来や異名もたくさんある師走ですが、どれも年の瀬の忙しさや一年の締めくくりとしての雰囲気が感じられるものばかりですね。